2017年03月20日

春分の日。昭和の『先生のいろは』 12

花0320。 雲の多い天気でしたが,「暖房をつけよう」とは思わずに過ごせる日でした。


 今日は,国民の祝日「春分の日」でした。春の彼岸の中日で,寺院では法要が行われました。
 「春分」は二十四節気の一つであり,太陽が真東から昇って真西に沈み,昼と夜の長さがほぼ同じになります。と言われますが,厳密には真東や真西ではなく,少しずれており,すでに昼の方が数分長くなっています。

 また,「寒さ暑さも彼岸まで」といわれ,「冬の寒さ(余寒)」は,このころまでに和らぎ,凌ぎやすくなります。さらに,この時期の気候を「三寒四温」と言うこともあります。


 春分も秋分も,彼岸の中日であり,墓参りに出かけるなど,春と秋の“同じ日”です。
 ところが,国民の祝日に関する法律によると,
「春分の日」 春分日,自然をたたえ,生物をいつくしむ。
「秋分の日」 秋分日,祖先をうやまい,なくなつた人々をしのぶ。
となっています。春分には「祖先をうやまい」ことは記されていません。
 なぜでしょうね。

 似ているけど違うものをもう一つ。
 「今日,ぼたもちを食べまいたか。
 “ぼたもち”ではなく“おはぎ”を食べたという人もいるかもしれません。

 “ぼたもち”と“おはぎ”は,基本的に同じものです。食べる時期の違いで,呼び方が変わるようです。
 ぼたもちは,牡丹の季節である春の彼岸に食べるものをいい,あずきの粒をその季節に咲く牡丹に見立てたものです。
 おはぎは,萩の季節である秋の彼岸に食べるもので,あずきの粒を萩の花に見立てたものです。

 “季節”を味わい,“季節”を感じたいと思います。



 冊子『先生のいろは』の12回目です。年度末に向けて集中して紹介しています。
 1977(昭和52)年頃と現在とは,社会のようすは大きく変わっていますが,「今も変わらず…」という内容もあります。年度末の今,改めて“今の先生方”にお伝えします。何か参考になることがあれば幸いです。
8 授業
(7) 学習形態
 ア 1人机の1人並びは,注意力が集中し,無駄口が少なくなる。

 イ 2人並びでは,隣席の者と協議ができるが,ひとり言位の声量で話しあえるので,やかましい程にはならない。

 ウ 4~6人位といったグループ学習は,合議を要する時だけに限ってすることで,いたずらにこうした形態をとるべきではない。
 優秀な者は,注意力がそがれ,思考力がかえってのびず,自分としての実力が発表できにくくなるが,劣る者はグループ内だからこそ話しやすくなり1人並びや2人並びより楽しくなろう。とに書く連帯感がほしいものだ。
 グループ学習には,グループのリーダーが必要であるし,リーダー養成が大切である。時には事前にリーダーに対する指導もいるし,リーダー間での話し合いがいる。責任,統制,秩序,協力のないグループは効果が乏しい。

 エ 体育,音楽等,実技の伴う教科においては,等質グループによる時と異質グループの時とある。同じグループの中に指導的な力を持つ者がいて,共みがきをするもよいが,前項で述べたようにすぐれた者にとっては好ましいとはいえないが劣る者にとってはよい。特に指導者がついておれない場合は危険防止もできるというもの。
 逆に教師がついて指導することができる時は,同程度の者をグループにした時の方が指導しやすい。使用する器具も同一でよいからである。

 オ 机間巡視は,学習課題をやらせながら個人点検,個人指導をしてやる好機である。
  a 自分の教え方はどうであったか。正しかったか。理解されたか。
  b 個人的に質疑応答(両者から),激励,補助(ヒント),教師の協力,ノートの指導や姿勢や身体の清潔状態調査など,適宜に。
  c だれの作品を呈示して指導に役立てようか。だれに発言してもらおうか。これらの指導を考える。
  d 巡視の方向が偏らないようにしたいが,特に○○君はよいだろうかと事前に考えて巡視することが大切である。すぐれた者より劣っている者の方を重点にする方がよいだろう。個をのばすことである。
  e 問題解決のための自主学習は,あらかじめ作業の時間を予告してやるのがよい。

 カ 個人を生かす工夫がほしい。人には利口な人,じょうずな人,利口でもじょうずでもないが働きばち役の縁の下の力持ち的な人がいる。
  a 上記のほかに,健康なじょうぶな人というのがある。健康こそだれしもが望む人の宝である。基礎的な安全生活,健康生活の習慣づけに心がけよう。(体)
  b いい子にしたい。道徳的な良識に富む人にしたい。宗教的情操に富む人にしたい。(徳)
  c 知・徳・体の兼備が望まれるが,知に先んじて徳・体を私は望みたい。

 次回は,「8 授業 (8)先生よ くり返して述べよう」です。



【昭和の『先生のいろは』】
 ○昭和の『先生のいろは』 「校門を入って」(2017/02/16)
 ○昭和の『先生のいろは』 2 「玄関や子供の昇降口に立って」(2017/02/18)
 ○昭和の『先生のいろは』 3 「校長室や職員室を眺めて」(2017/02/21)
 ○昭和の『先生のいろは』 4 「廊下や土間廊下を歩いて」(2017/02/23)
 ○昭和の『先生のいろは』 5 「便所」
 ○昭和の『先生のいろは』 6 「各種の室(教室を除く)」
 ○昭和の『先生のいろは』 7 「教室(前半)」
 ○昭和の『先生のいろは』 8 「教室(後半)」
 ○昭和の『先生のいろは』 9 「授業(1)~(4)」
 ○昭和の『先生のいろは』 10 「授業 (5)書くこと」
 ○昭和の『先生のいろは』 11 「授業 (6)仕事をする」
 ○昭和の『先生のいろは』 12 「授業 (7)学習形態」
 ○『先生のいろは』 その8-5 「授業 5 先生よ くり返して述べよう」
 ○『先生のいろは』 その9 「??」
 ○『先生のいろは』 その10 「あたたかい先生に」
 ○『先生のいろは』 おわりに



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Posted by ガク爺 at 19:30│Comments(0)教育先人に学ぶ
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