2018年11月06日

『子育てで一番大切なこと』(杉山登志郎・著)

本1106。 朝から強い雨が降りました。移動の途中で見る川は“濁流”でした。小さな川では,今にもあふれてくるのではないかと心配になる様子でした。
 日中は小降りでしたが,傘の手放せない一日でした。



 先日,書店で新しい杉山氏の本が出ていることを知り,『子育てで一番大切なこと 愛着形成と発達障害(講談社現代新書)を購入しました。
 発達障害,特別支援教育について,最近は理解も進み,関係する情報,出版物もいろいろあります。それぞれに学ぶことがあります。
 そうしたなかで,まだ「特別支援教育」という言葉が使われていなかった頃,「高機能自閉症」と診断された生徒と出会いました。その診断をしたのが杉山氏で,指導を受けていました。

 本書は,“子供の育ち”や“発達障害”について,ミサキと杉本教授,矢野准教授との対談形式で伝えています。

 昨年紹介した『発達障害』(岩波明・著)に「発達障害の中心的な疾患は,ASDとADHDである」とあり,ASDと変わってきていることを知りました。その“新しい動き”も,分かりやすく説明されています。

 子育てについて,子供の発達について,子供の教育について,“発達凸凹”を考え,学ぶことのできる一冊です。
 お父さん,お母さん,先生方にお薦めの一冊です。


 読書メモから
○「これも“治る”という言葉の定義によるのですが,発達障害はきちんと対応していけば,年々良くなっていくのですよ。ですからもちろん治っていくわけです。
 これに関して,次の質問です。ただし改善するためには条件があります。何かわかりますか?」
 「適切な教育,でしょうか?」
 「素晴らしい!そうなんです。子どもに合った教育をするというのは,どの発達障害であっても一番大事なことですが,とりわけサブに位置する3つの発達障害,不器用さ,学力,言葉の習得に対しては,医療によるアプローチには限りがあります。役割分担としては,教育の方にお願いしたいんですね。(略)」

○ミサキは,発達障害の多くは改善していくもの,という新しい捉え方を読者にしっかり伝えられる本にしよう,と決意した。


   目次

まえがき
序 章 児童精神科医から見た現代の子育て
第1章 子育ての基本
第2章 愛着を巡って
第3章 発達障害を考える
第4章 発達障害と愛着障害
第5章 『幸福な王子』と子どもの貧困問題
第6章 乳幼児期の自立と躾
第7章 小学生時期の子育て
第8章 社会で子どもを育てるということ
第9章 残された課題
あとがき
もっと詳しく学びたい人のための参考書





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Posted by ガク爺 at 17:40│Comments(0)読書
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