2019年06月30日

『Life(ライフ)』(くすのきしげのり・作/松本春野・絵)

花0630。 当地でも強い雨が降りましたが,昼頃からは小降りでした。
 九州から四国にかけての雨雲が大雨を降らせています。今後,昨年の西日本豪雨のような気象状況と雨雲の発達(停滞?)が心配されています。

 大雨被害の出ないことを願っています。



 午後,○○へ立ち寄ると“休み”でした。「普段は日曜に開いているのに…。
 残念でした。
 帰宅してからホームページを確認すると“休み”とありました。「しかたないか…。」
 でも…



 ツイートから電撃的な“米朝首脳会談”の実現
 これが現在の外交の姿かも。
 日本の“首脳”にできることか…。



 今月の『いい話の図書館 』で届いた『Life(ライフ)』(瑞雲社・刊)です。
 小さな町の外れにある店『Life(ライフ)』が舞台です。
 店といっても,だれかが働いているわけでも,何かを売っているわけでもありません。
 でも,このお店には品物がおいてありますし,お客もやってくるのです。
 そこに,一人のおばあさんがやってきます。
 次に男の子,小さな女の子をベビーカーに乗せたお父さんとお母さん,わかい二人,女の子が『ライフ』にやってきます。
 それぞれが,店で“モノ”を手にします。

 そして季節が移り,おばあさんが『ライフ』にやってきました。
 そこでおばあさんが見たもの,手にした“モノ”は…。

 あなたも『Lifeライフ)』へ出かけませんか。



【参考】
 カバーの小林店長のメッセージには,
 人は誰しも必ず亡くなります。だからこそ,生きているうちは精一杯生きて,自分にできることで助けあって暮らしてゆくのだと思います。そう,「生かされている」のだから。愛する人を失うのはとてもつらいけど,その人がいたことを忘れないで生きる役割を自分に与えられたのだと,この本から知った気がします。
とありました。
 先月のブックカバー裏面にあった話と重ねて,感じるものがありました。


 「いい話の図書館」は,兵庫県の小林書店(店主 小林由美子さん)のオススメ本の頒布会で,お薦め本が毎月1冊届きます。
いい話の図書館」とは・・・本との出逢いは,人生を変えます。辛い時,悲しい時,苦しい時,一冊の本が「生きる希望」を授けてくれます。そこで,ステキな本との出会いを提供する「いい話の図書館」を全国津々浦々に作ったら,どんなに素晴らしいだろうと考えて館主を募集しておリます。
 「いい話の図書館」の館主のお仕事は,本棚にステキな本を並べて多くの人に自由に読んでいただくこと。そのステキな本は,テレビをはじめ,マスコミでも話題の小林書店のカリスマ店長 小林由美子さんが心を込めて推薦する本です。
 あなたも館主になりませんか。


【関連】
  ◇松本春野 @HarunoMatsumoto(Twitter)
  


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2019年06月29日

草刈作業。「お経石」(つくで百話)

花0629。 雨予報でしたが,午後には曇り空から日差しも感じる日でした。


 今日は,地区の保全会の草刈作業でした。
 休耕田で伸び放題になっている草や茅を刈りました。蒸し暑いなか,一人では早々に音をあげてしまいそうな作業ですが,予定より広い場所を刈ることができました。
 みなさん,お疲れさまでした



 『つくで百話』(1972・昭和47年 発行)の「文化財と信心」から紹介です。
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    お経石

 大和田の慶雲寺の境内から五〇メートルくらい西北方に離れたところに畳一枚くらいの黒っぽい岩石があります。今から三〇〇年くらい前に慶雲寺が全焼した時に,数々の什宝も位牌,過去帳な々ど,すべて焼失しましたが大般若経六百巻は,この岩石の上に持ち出したので焼けのこりました。自後この岩石をお経石と呼ぶことになりました。
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注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話」〉で



【おまけ】
 ちょっと思い出した詩。
    学校のオアシス (曽我貢誠)

オは,おはよう
アは,ありがとう
シは,失礼します
スは,すみません

砂漠のオアシス
みんながほっとする
水のあるところ

学校のオアシス
みんながほっとする
言葉があるところ

朝,友だちに会って
「おはよう」
鉛筆を拾ってもらって
「ありがとう」
職員室に入って
「失礼します」
宿題忘れて
「すみません」

あなたの
やさしい一言で
学校に広がる
言葉のオアシス

  


Posted by ガク爺 at 17:30Comments(0)日記作手

2019年06月28日

『中学校 道徳の授業がもっとうまくなる50の技』(山田貞二・著)

花0628。 昨日,熱帯低気圧から台風3号へと変わって,「深夜から早朝にかけて大雨か…」と警戒しました。
 当地では,心配したような大雨や暴風はなく過ぎました。

 今日,小雨は降りましたが,晴れ間や日差しを感じることもあり,屋外の活動もできた一日でした。



 小中学生の保護者だけでなく,多くの方が「来年から新学習指導要領で…」「小学校で英語が始まって…」「道徳が教科になって…」と,学校教育が新しくなっていくことをご存知だと思います。
 そして,「道徳に成績がついて…」「高校生になると業者の英語テストを受けて…」など正しいことなのか分からなけど,“大変なことになっていく”のではと不安や混乱があるようです。

 書店に行くと,タイトルに働き方改革新しい教育英語道徳などの言葉が入る雑誌の特集や書籍が数多く並びます。
 そうした雑誌や書籍を,不安や混乱の思いをもって手にする教職員も少なくないと思います。
 本を手にしながら,どれを読めばよいのか,どれが不安を解消してくれるのか,さらに混乱しているのかもしれません。


 道徳のコーナーに知人の著した『中学校 道徳の授業がもっとうまくなる50の技』(明治図書・刊)がありました。

 著者の山田氏は,今“日本で最も“道徳”を伝えることのできる校長先生”です。全国の研修会や学校で講演・授業をしたり,教育雑誌や書籍に原稿が掲載されています。

 本書の執筆について,「はじめに」で,
 教科化された道徳の授業をされる先生方の授業づくりの指針となるような本を届けたいと考え,私が学んできた道徳の授業づくりのすべてを紹介させていたきました。
と述べています。また,出版社の図書紹介には「ワンランク上の道徳授業を目指す全ての先生のために」と見出しがありました。

 道徳の授業を“もっと”学びたいという先生方に,“指針”が示されています。
 ところが,読み始めると「あれっ」が浮かんできます。
 「題名に中学校とあるけど…
 「思考ツールは社会科や他の教科でも…
 「教材活用の5類型も…
 「構造的な板書は…
 「小学校でもp4cで…
 「道徳だけでなく…」…

 本書は「中学校」の「道徳」の「授業」について書かれていますが,そこには「授業づくり」が述べられおり,小学校でも他教科でも“使える”50の技です。

 第7章「45 タブーにとらわれず自分の頭で考える」で,
 明確な指導観をしっかりもっていれば,タブーやセオリーは問題ではありません。(略) ここにあるようなタブーやセオリーを気にせず,大いに実践することです。
と述べられているようにタブーやセオリーはもちろんですが,中学校や道徳にこだわることではありません。
 ただし,本書を読み終えて50の技を一気に実践するのは無謀です。まず「できそうなこと」から真似ていくとよいと思います。

 著者の勤務校ホームページに,こんな記事「4月27日(木)<『利他共生』(浅井中の道徳教育)>TTP徹底的にパクる」(2017/04/27)があります。校長先生(著者)が紹介した机配置を実践する先生の話です。

 先生,あなたも,まずTTPで実践です。
 そして,TKPからOKPへと積み重なれば,あなたの授業力・指導力を確かなものにしてくれます。

 先生にお薦めの一冊です。夏休み前に,どれか一つ実践をしてみませんか。


   もくじ

はじめに
第1章 楽しい道徳授業のベースづくりが もっとうまくなる7の技
第2章 「対話」を中心とした「考え,議論する」道徳が もっとうまくなる10の技
第3章 効率的で濃厚な教材分析が もっとうまくなる6の技
第4章 明確な指導観を基にした授業構成が もっとうまくなる12の技
第5章 効果的な発問が もっとうまくなる5の技
第6章 「考え,議論する道徳」を支える板書が もっとうまくなる4の技
第7章 白熱する楽しい道徳授業づくりが もっとうまくなる6の技


【関連】
  ◇校長室より(浅井中学校HP 山田氏の発信)
  ◇一宮市立浅井中学校
  


Posted by ガク爺 at 17:00Comments(0)読書教育

2019年06月27日

合唱曲は何を? 想いを伝え…

花0627。 予報通りに,朝から雨が降り続きました。朝は小雨でしたが,昼頃からは激しく降りました。
 四国などで警報や避難情報などが発令されている地域もあるようです。大雨による被害のないことを願います



 中学校や高等学校では,期末考査の時期を迎えています。子供達は,「終わった~」とほっとしたり,「あと1日。がんばるぞ!」と気合を入れたりしているようです。
 夏休みまで1か月となり,楽しい夏休みを待つとともに,中高生の中には“秋の文化祭”への準備を始めているかもしれません。
 文化祭の催しで,合唱コンクールを行う学校も多いと思います。

 今月の『教育音楽 中学・高校版』(音楽之友社・刊)の特集が「発表! 校内合唱コン人気曲ランキング2019 生徒が成長できる選曲の秘訣」でした。選曲の時期に合わせての特集のようです。

 学年別に「課題曲」「自由曲」のランキングがあり,記事には「おすすめの曲」が載っていました。初めて見る曲名もありますが,課題曲の多くは「お父さん,お母さんも歌った」と言われるだろう有名な曲でした。各学年の1位は,
1年 「夢の世界を」(作詞:芙龍明子/作曲:橋本 祥路)
2年 「時の旅人」(作詞:深田じゅんこ/作曲:橋本祥路)
3年 「大地讃頌」(作詞‎:大木惇夫/作曲‎:佐藤眞)
でした。いかがですか。合唱コンクールで歌ったかは別にしても「歌ったことがある」「知っている」という曲だと思います。
 自由曲は,次の通りでした。
1年 「大切なもの」(作詞・作曲:山崎朋子)
2年 「HEIWAの鐘」(作詞・作曲:仲里幸広)
3年 「信じる」(詩:谷川俊太郎/作曲:松下耕)
  「」(作詞・作曲:森山直太朗・御徒町凧/編曲:信長貴富)
 3年の2曲「信じる」「虹」はNHK合唱コンクールの課題曲として発表されたものです。

 紙面を見ていて“長い作曲者名”がありました。
 ご存知でしょうか。『群青』(ぐんじょう,英語題:Azure)(作詞:福島県南相馬市立小高中学校平成24年度卒業生/構成・作曲:小田美樹/編曲:信長貴富)です。
 3年の課題曲で2位,自由曲で14位に入っていました。

 中学生のみなさん,先生,どのような曲を選びますか。
 今年,みなさんの地区の中学生は,どのような合唱を聴かせてくれるでしょう。ぜひ会場へ!


【関連】
  ◇教育音楽 中学・高校版(音楽之友社)

  ◇群青 gunjo (azure)(YouTube パナムジカ Pana Musica)
  ◇6年目の小高中学校~群青を歌い継ぐ(YouTube OurPlanet-TV)
  


Posted by ガク爺 at 17:00Comments(0)教育防災

2019年06月26日

『いやでも物理が面白くなる〈新版〉』(志村史夫・著)

花0626。 昨日に続いて晴れて暑い日でした。
 南方洋上では熱帯低気圧が発達し,活発な雨雲が発生しているようです。そして,沖縄,九州と進んで台風3号(?)となる可能性もあります。

 急に大雨となることもあるようです。気象情報に気を付け,明日の活動をしましょう。



 久しぶりに BLUBACKS を読みました。
 2001年に発刊された同名の書籍に加筆・修正した『いやでも物理が面白くなる〈新版〉 「止まれ」の信号はなぜ世界共通で赤なのか?(ブルーバックス/講談社・刊)です。

 「はじめに」に,次の記述がありました。
 しかし,私は声を大にして申し上げたい。
 こうした事態は「学校で教わる○○」が面白くなく,その結果,「○○は難しい」と多くの人に思わせてしまったのであり,「○○」そのもののせいではないのである。確かに,自分自身のことを振り返ってみても,学校で習った○○は,それが難しかったかどうかは別にして,大して面白くはなかったと思う。
 もちろん○○は「物理」なのですが,これを別の教科に変えても言えそうな気がしてしまいました。
 いかがでしょう。
 ほんとうは驚くほど面白い物理の話。難しくて退屈なのは、「学校物理」のせいだった!
 理科コンプレックスがあっという間になくなる!
 肉屋の肉はなぜ美味しそうに見える?
 人工衛星はなぜ地球を周回できる?
 朝日や夕日はなぜ赤い?
 カウンター・パンチはなぜ強烈?
 圧力鍋はなぜ短時間で煮える?
 紫外線が皮膚がんを起こすのはなぜ?
 宇宙船内は無重力状態じゃなかった!
──すべての答えは「物理」が知っている!

 身近な「なぜ?」から始まる、誰でも楽しめる「超」入門書。
 よく分かる,易しい,超入門書との評が目立ちますが,随所に E=h・f といった式を使って説明されます。「これ何だったっけ?」 必要な式なのですが,知識がついていってないようです。

 一気に読み切るのは難しいかもしれませんが,一項目ずつ“その世界”に入り込んで楽しめます。
 あなたも物理の面白さを味わってみませんか。


    目次

はじめに
第1章 光 ―最も身近で最も謎に満ちた存在
第2章 電気はなぜ万能なのか ―なんでもできる電磁波の不思議
第3章 力とエネルギー ―万物は「運動」する
第4章 万物の「究極構造」を考える ―「見えない世界」の物理学
第5章 「時間」と「空間」を考え直す ―「絶対」から「相対」へ
おわりに
さくいん/巻末

  
タグ :読書


Posted by ガク爺 at 17:30Comments(0)読書

2019年06月25日

塩瀬総本家。「朝日様」(つくで百話)

花0625。 朝から青空が広がり,天気がよく暑い一日でした。日中,外気温計が34度を示していました。
 暑い夏がやってきました。



 先日,「あんこ餡子)」をテーマにしたテレビ番組を見ていたら,塩瀬総本家の川島英子会長が登場し「あんこ」のことを話していました。
 新城市の“塩瀬”と縁があり,閉校した鳳来西小学校では「西っ子饅頭(塩瀬饅頭)」を子供達が作り,来校者にふるまったりしていました。川島会長も来校されたことがあります。

 川島会長のお元気な姿を拝見して,以前お聞きした「塩瀬総本家の家訓」を思い出しました。
     塩瀬総本家の家訓
◇今日一日の事
 一,今日一日三ツ君父師の御恩を忘れず不足を云ふまじき事
 一,今日一日決して腹を立つまじき事
 一,今日一日人の悪しきを云はず我善きを云ふまじき事
 一,今日一日虚言を云はず無理なることをすまじき事
 一,今日一日の存命をよろこんで家業大切につとむべき事
 右は唯今日一日慎みに候。
 翌日ありと油断をなさず,忠孝を今日いち日と励みつとめよ。
 また,渡辺崋山の遺訓を教訓として,次のことも家訓としているそうです。
◇崋山先生の商人に与へたる教訓
 一,先づ朝は召仕より早く起きよ
 一,十両の客より百匁の客を大切にせよ
 一,買人が気に入らず返しに来たら売る時よりも丁寧にせよ
 一,繁盛するに従つて益々倹約せよ
 一,小遣は一文よりしるせ
 一,開店の時を忘るな
 一,同商売が近所にできたら懇意を厚くし互に励めよ
 一,出店を開ひたら三ヶ年食料を送れ
 商家の家訓ですが,子供も大人も“人の生き方”として大切にしたい言葉が並んでいると思います。

 みなさんのお宅の家訓は?



 『つくで百話』(1972・昭和47年 発行)の「文化財と信心」から紹介です。
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    朝日様

 嶋功さんの屋敷の南方約二百メートルくらいのところに小高く聳えている山があります。昭和四十六年の現在では,数十年生の雑木で被われておりますが,この山の頂に朝日様と呼ばれている石碑が建ててあります。およそ一メートルの石垣の上に,巾一メートル,高さ一メートル五〇,厚さ二〇センチくらいの大きな石碑です。
 この朝日様の真正面から,朝日が昇ることになっております。碑面に,細々と文字が刻みこんでありますが,何百年もの長い間,風雪に曝されておりますので,だいぶ風化して読みとれませんけれども,日天,月天などの文字が書いてあります。
 嶋家では,毎朝男衆が,水と線香をもって,この朝日様にお詣りしておりました。旦那様は,時々参拝されるだけでしたが,男衆は雨の日も風の日も,欠かさずに参拝することが嶋家の慣習となっておりました。ここにも太陽崇拝という民族性の一端がうかがわれます。村の人たちも朝日様といって崇めており,時々参拝しておりました。
********

注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話」〉で


【関連】
  ◇御菓子老舗 塩瀬総本家
  ◇12.19 西っ子饅頭作り(2011/12/19 鳳来西小学校)
  ◇6.27 ふるさと講演会①(2009/06/27 鳳来西小学校)
  
タグ :つくで百話


Posted by ガク爺 at 21:00Comments(0)日記作手

2019年06月24日

『教育という「仕事」』。「若宮様」(つくで百話)

花0624。 「今日は雨…」と思っていましたが,曇っていましたが,暑い日になりました。
 梅雨時の天候が続くようですが,当地は明日も晴れて暑くなる予報です。



 午後,教員を目指す大学1年生への就職指導のお手伝いを,昨年に続いて行いました。
 入学して3か月,大学生活を楽しんでいる時期に,改めて“将来に向かう気持ち”を見つめる機会にしようという講座でした。

 内容は,昨年の話をベースに“今どきの話”を加えて構成しました。
 はじめの話の後,グループワーク,その発表,そして,発表を受けての話,振り返りで進めました。
 グループワークでは,まず一人ずつ「教員を目指した理由」を入れて話をし,その後で教員,教職の「良いところ(魅力)」と,「心配なこと」を出し合って話をしてもらいました。

 その発表は…。
 今年も感心と納得する内容でした。

 発表を受け,『教育という「仕事」』という視点で話をしました。
 それぞれが“見つめる”きっかけとなる機会になったでしょうか。



 『つくで百話』(1972・昭和47年 発行)の「文化財と信心」から紹介です。
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    若官様

 大和田白鳥神社の拝殿の御神体の傍らに若宮様という木の祠が合祀されております。これは御維新戦争(一説には西南役とをいう)に徴発されたまま帰還しなかった二人の青年の霊をまつるために建立されたものであります。お国のためということで徴発をうけた若者が,「若し自分等が,帰らなかった場合には,戦死したものと思って,お墓を建てて欲しい。」といいのこして,戦争にでかけましたので,その意志を尊重して,大和田村でこれを建てて,若宮様とよんでおります。
 毎年,白鳥神社の祭礼のときには,若宮様へもお供えをしておまつりをすることにしております。
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注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話」〉で
  


Posted by ガク爺 at 19:30Comments(0)作手

2019年06月23日

沖縄慰霊の日。「平和の詩」2篇。

ブルーベリー0623。 “雨の日”を予想していましたが,薄日を感じることもあり,朝から“よい天気”でした。
 雨の降ることもなく,活動的な一日でした。


 今日,初物のブルーベリーがありました。大きく実ったものが多くありました。これから毎日収穫が続きそうです。
 美味しゅうございました。大地の恵みに感謝



 今日は沖縄慰霊の日でした。
 沖縄・糸満市摩文仁の平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が開かれました。

 今日の北海道新聞のコラム「卓上四季」では,
「和魂(にぎたま)となりてしづもるおくつきのみ床の上をわたる潮風」
という追悼式会場から西へ数キロ離れた地にある「魂魄(こんぱく)の塔」に刻まれた短歌を紹介していました。
 また,琉球新聞のコラム「金口木舌」は,
「♪月桃白い花のかんざし 村のはずれの石垣に~」
という海勢頭豊さんが作詞作曲した曲の一節を引用していました。
 日本列島が「戦争と平和」を考える日です。

 沖縄全戦没者追悼式で,玉城デニー知事による平和宣言は,「…全身全霊で取り組んでいく決意をここに宣言します」と宣言した後,続けて,
 御先祖から譲り受けてぃ、太平(平和)世願い愛さしっちゃる肝心、肝清さる沖縄人ぬ精神や子孫んかい受き取らさねーないびらん。
 幾世までぃん悲惨さる戦争ぬねーらん、心安しく暮らさりーる世界んでぃし、皆さーに構築いかんとーないびらん。
 わした沖縄御万人と共に努み尽くち行ちゅる思いやいびーん。
沖縄言葉,英語で語りました。

 「平和を守る」「沖縄を思う」ことを強く考えさせられる平和宣言でした。

【参考】
  ◇玉城デニー知事の平和宣言(2019年慰霊の日)(琉球新報)



 今も,平和宣言に続いて朗読された平和の詩に,心が揺すぶられました。
   「本当の幸せ
      糸満市立兼城小学校6年 山内玲奈さん

青くきれいな海
この海は
どんな景色を見たのだろうか
爆弾が何発も打ちこまれ
ほのおで包まれた町
そんな沖縄を見たのではないだろうか

緑あふれる大地
この大地は
どんな声を聞いたのだろうか
けたたましい爆音
泣き叫ぶ幼子
兵士の声や銃声が入り乱れた戦場
そんな沖縄を聞いたのだろうか

青く澄みわたる空
この空は
どんなことを思ったのだろうか
緑が消え町が消え希望の光を失った島
体が震え心も震えた
いくつもの尊い命が奪われたことを知り
そんな沖縄に涙したのだろうか

平成時代
私はこの世に生まれた
青くきれいな海
緑あふれる大地
青く澄みわたる空しか知らない私
海や大地や空が七十四年前
何を見て
何を聞き
何を思ったのか
知らない世代が増えている
体験したことはなくとも
戦争の悲さんさを
決して繰り返してはいけないことを
伝え継いでいくことは
今に生きる私たちの使命だ
二度と悲しい涙を流さないために
この島がこの国がこの世界が
幸せであるように

お金持ちになることや
有名になることが
幸せではない
家族と友達と笑い合える毎日こそが
本当の幸せだ
未来に夢を持つことこそが
最高の幸せだ

「命(ぬち)どぅ宝」
生きているから笑い合える
生きているから未来がある

令和時代
明日への希望を願う新しい時代が始まった
この幸せをいつまでも


 「平和の詩」で思い出すのは,当時1年生だった2013年の安里有生くん『へいわってすてきだね』です。絵本にもなった詩です。
   「へいわってすてきだね
        安里 有生くん(久部良小学校1年)

へいわってなにかな。
ぼくは、かんがえたよ。
おともだちとなかよし。
かぞくが、げんき。
えがおであそぶ。
ねこがわらう。
おなかがいっぱい。
やぎがのんびりあるいてる。
けんかしてもすぐなかなおり。
ちょうめいそうがたくさんはえ、
よなぐにうまが、ヒヒーンとなく。
みなとには、フェリーがとまっていて、
うみには、かめやかじきがおよいでる。
やさしいこころがにじになる。
へいわっていいね。へいわってうれしいね。
みんなのこころから、
へいわがうまれるんだね。

せんそうは、おそろしい
「ドドーン、ドカーン。」
ばくだんがおちてくるこわいおと。
おなかがすいて、くるしむこども。
かぞくがしんでしまってなくひとたち。

ああ、ぼくは、へいわなときにうまれてよかったよ。
このへいわが、ずっとつづいてほしい。
みんなのえがおが、ずっとつづいてほしい。

へいわなかぞく、
へいわながっこう、
へいわなよなぐにじま、
へいわなおきなわ、
へいわなせかい、
へいわってすてきだね。

これからも、ずっとへいわがつづくように
ぼくも、ぼくのできることからがんばるよ。
 子供達が自分の思いを,自分の言葉に載せ,伝えたことに,心が…。
  


Posted by ガク爺 at 17:30Comments(0)日記

2019年06月22日

「夏至」。常会でした。『未来職安』(柞刈湯葉・著)

花0622。 今日は二十四節気の一つ「夏至」です。
 北半球では,太陽が最も高く昼間の時間が最も長くなる日ですが,朝のうちは日差しもありましたが,昼頃から弱い雨の降る天候で,昼の長さを感じることはありませんでした。

 暦の記事によると,菖蒲が咲き始め,半夏(烏柄杓)が生えてくる頃だとありました。
 少しの移動は車を使わず,ゆっくり歩いてみると,新しい発見がありそうです。季節を楽しみましょう



 午後,地区の常会がありました。
 役員からの報告に続いて議事でしたが,“難しい判断”を求められるものではありませんでした。
 ただし,「これからの地区の姿」について,時間をかけ,先を見通した論議と決定をしていかなければならないことがありますが,それは議事にはありませんでした。
 毎回のことですが,“時間をかけ,先を見通し”とはいうものの,その時期は遠くなく,その時間は減っています。

 常会に続いて懇親会がありました。いろいろな話を聞き,話をすることができました。
 “時間をかけ,先を見通し”て話していく話も出ましたが,名案はありません。
 いろいろな機会に,地区の皆で話をしていきましょう。
 ありがとうございました



 “働くこと”や“仕事”が気になっているからか,書架に並んだ『未来職安』(双葉社・刊)が気になって手に取りました。

 Web文芸マガジンに連載された作品が書籍化されたものだそうですが,Webは知りませんでした。

 読み始めると,いろいろな“未来”が表れます。
 教科システム,ボックスに顔を入れて「オート」,手のサインをカメラで認識,前面パネルにカードをタッチして「職安」のある場所を言う…
 今でもありそうだけど,かなり違った未来の暮らしが描かれます。

 その未来の国民は,99%の働かない<消費者>と,1%の働く<生産者>に分かれています。
 99%の国民は働かないのに,仕事を斡旋する「職安」の需要があり,その場が存在します。
 その職安を舞台に,そこで働く目黒さん,職安を始めた大塚さん,所長の猫(生猫)が,仕事を求めてやってくる人々の“姿”が綴られます。
○ 毎日行くべき場所と帰るべき場所があるってことは,人間にそれなりの幸せを提供してくれるのかもしれない。
○ みんなが同じ生活を求めて生活基本金の制度ができたはずなのに,いざ同じになってみると今度は差別化を求める。
○ 人間の才能と技術を,道具と時間に還元してしまうのが文明社会。
 現在の“問題”から続く“未来”のなかで,目黒さん,大塚さんと語り合ってみませんか。


   目次

一章 未来職安
二章 未来公務員
三章 未来家族
四章 未来作家
五章 未来医療
六章 未来雇用
あとがき


【関連】
  ◇未来職安 第1回(柞刈湯葉)(双葉社web文芸マガジン[カラフル])
  ◇柞刈湯葉(いすかりゆば) (@yubais)(Twitter)
  


Posted by ガク爺 at 17:30Comments(0)日記読書

2019年06月21日

出かけて…。「慶雲寺の十一面観音」(つくで百話)

に志かわ0621。 日差しがあり暑さを感じる日でしたが,雨の降ることもある“変な天候”でした。


 「何か,狭いなあ。」 久々に通る道路で感じたことです。
 年齢による“視野の減少”かと心配ですが,それよりも“緑の生長と侵略”のよるものです。道路を覆うように枝が伸びているのと,路肩の草が伸びていました。
 「緑が豊かで…。」と言えますが,“手が入っていない”ことによるものです。

 「ここに仕事がある。」と思いますが,投入される資源(資金)と優先順位がないようです。
 管理者,所有者,私有物,財産,○○権…
 “難しいこと”への対応は“きょうけん”をもってするしかないと思うのですが,誰も“悪人”にはなりたくないものです。
 今こそ○○の出番です。いかがでしょう。



 今日,○○総会に出席するため名古屋に向かいました。
 通勤の混雑は過ぎていましたが,“引きこもり”の身には刺激と驚きのある車内の人物模様でした。また,昼前後の栄・伏見・名駅での“ランチタイム”の動きは,「毎日これが続くんだ。」と感心するとともに,しばらく立ち止まって観察をしてしまいました。

 総会は,報告,審議,質疑,採決と進みました。
 進行(議長),答弁(回答)の様子に,思うことがいろいろありました。もう同じような場に立つことはありませんが,「○○にしたら,もっと伝わるのに…。」の学びになりました。



 『つくで百話』(1972・昭和47年 発行)の「文化財と信心」から紹介です。
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    慶雲寺の十一面観音

 天保年間の或る日の夕方,みすぽらしい乞食坊主のような旅人が,大和田の小嶋家を訪れて一夜の宿をたのみました。この旅人は,大きな,お厨子の中に入れられた観音様のお像を背負っておりました。
 夜のつれづれに,旅人が話したことによりますと,田峯村の谷高山に高勝寺と東区に観音堂というお寺があって,それぞれのお寺に,姉妹の観音様がおまつりしてあったが,観音堂の観音様が,どこかよそへ,お引越しになりたいと仰せになったから,自分がお供をして,観音様のお住居をもとめて,旅をしている旨をボソボソと語りました。
慶雲寺0621。 その翌朝,旅人が,観音様のお厨子を背負って出発しようとしましたが,急にお厨子が重くなって,どうしても立ちあがれません。旅人は,「観音様が,ここにお住居になられることを希望しておられるようだから,懇ろにおまつりして頂きたい。」とたのんで,どこかへ立ちさりました。小嶋家では,思いもよらぬいきがかりから,観音様をおまつりすることになりましたが,この話をきいて,村の人たちが続々とお詣りにやってきました。いろいろの願いごとをおたのみすると,ことごとくおききとどけ下さいました。
 このころから,小嶋家のことを谷高という屋号でよぶことになりました。小嶋家では,こんな,あらたかな観音様を,自分の家におまつりしていることはもったいないからといって,今の大和田郵便局の隣りの田の一隅に,小さなお堂を建てて,ここに安置することになりました。そして,祭祀料にといって,一ヘクタールばかりの山を一枚観音様に寄付しました。
 それから,長い年月のうちに,観音堂もだんだん腐朽してまいりましたので,村人たちの寄付で慶雲寺の境内に観音堂を建てておまつりすることになりました。高さ一メートルくらい,木製金箔塗りの立派な観音像がここにまつられており,今も村人の厚い信仰の対象となっております。
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 他にも「観音様のお住居を求めて旅をする」のように神仏の像を連れていく話がありますが,これは生活の中に神仏が“生きていた”ことの表れだと思います。
 現代では“この感覚”を持ち合わせていません。

 宗教ということではなく,風習や習慣としての“根”をつくることの一つだと思います。
 改めて周囲を見直してみてはいかがでしょう。

【「つくでの昔ばなし」掲載】
  ◇「田峰からこられた十一面観音」
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Posted by ガク爺 at 17:30Comments(0)日記作手