2024年09月30日
「先人に学ぶ」に学んで 【リンク集】

南海トラフ地震臨時情報の発令、猛暑や酷暑、線状降水帯による大雨、迷走台風…、異常気象とするだけではすまない自然災害の数々…。
新NISAの開始、日経平均株価が最高値と過去最大の下落、総裁選や代表選、アメリカ大統領選…、先が見え難く迷走しているような世の中…。
2024年も3rd Quarterが終了し、“4th Quarter”(第4クォーター)が始まります。
ここまでの展開は、予想通りでしょうか。
2025年に向け、4th Quarter を、どのように過ごしますか。
今月20日の記事が、『現場からの教育改革21の提言』(2007年)から最後で、それらの記事は“カテゴリー「先人に学ぶ」”で掲載してきました。その前が、故・渥美利夫氏の『昭和に生きる』(1987(昭和62)年刊)の掲載でした。
これまで、その他にも“カテゴリー「先人に学ぶ」”で紹介したものがあります。まとまった内容は、「タグ」を付けて掲載しました。
備忘録としてリンク集にしました。
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【書籍『現場からの教育改革21の提言』より】
◇ タグ「教育改革21」
掲載;2024/07/16 ~ 2024/09/20
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【書籍『昭和に生きる』より】
◇ タグ「昭和に生きる」
掲載;2023/01/26 ~ 2024/07/03
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【備忘録メモより】
◇ 先人に学ぶ(1) 年度初めに(2016/04/28)
◇ 先人に学ぶ(2) 意図的に(2016/05/04)
◇ 先人に学ぶ(3) 校長先生があいさつで(2016/05/17)
◇ 先人に学ぶ(4) 「先生の一日」(2016/05/21)
◇ 先人に学ぶ(5) 授業をつくる(2016/05/31)
◇ 先人に学ぶ(6) 「白雲悠々」(1/4)(2016/06/03)
◇ 先人に学ぶ(7) 「白雲悠々」(2/4)(2016/06/04)
◇ 先人に学ぶ(8) 「白雲悠々」(3/4)(2016/06/05)
◇ 先人に学ぶ(9) 「白雲悠々」(4/4)(2016/06/08)
◇ 先人に学ぶ(10) 子どもを語ることば(2016/06/13)
◇ 先人に学ぶ(11) 「先生の一日」(つづき)(2016/06/18)
◇ 先人に学ぶ(12) 次の活動に向けて(2016/06/28)
◇ 先人に学ぶ(13) 昭和54年「教育の課題」(2016/07/09)
◇ 先人に学ぶ(14) 「計画」「本物」(2016/08/01)
◇ 先人に学ぶ(15) 「次に向けて」(2016/08/16)
◇ 先人に学ぶ(16) 新学期の生徒指導(2016/09/04)
◇ 先人に学ぶ(17) 「子供が育つ」(2016/09/24)
◇ 先人に学ぶ(18) 「考えるには“体験”と“経験”が」(2016/11/08)
◇ 先人に学ぶ(19) 「学年の修了に向けて」(2017/02/02)
◇ 先人に学ぶ(20) 「人を“みる”」「人が“育つ”」(2017/02/09)
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【昭和の『先生のいろは』】
◇ 昭和の『先生のいろは』 「校門を入って」(2017/02/16)
◇ 昭和の『先生のいろは』 2 「玄関や子供の昇降口に立って」(2017/02/18)
◇ 昭和の『先生のいろは』 3 「校長室や職員室を眺めて」(2017/02/21)
◇ 昭和の『先生のいろは』 4 「廊下や土間廊下を歩いて」(2017/02/23)
◇ 昭和の『先生のいろは』 5 「便所」(2017/02/27)
◇ 昭和の『先生のいろは』 6 「各種の室(教室を除く)」(2017/03/02)
◇ 昭和の『先生のいろは』 7 「教室(前半)」(2017/03/05)
◇ 昭和の『先生のいろは』 8 「教室(後半)」(2017/03/09)
◇ 昭和の『先生のいろは』 9 「授業(1)~(4)」(2017/03/13)
◇ 昭和の『先生のいろは』 10 「授業 (5)書くこと」(2017/03/15)
◇ 昭和の『先生のいろは』 11 「授業 (6)仕事をする」(2017/03/17)
◇ 昭和の『先生のいろは』 12 「授業 (7)学習形態」(2017/03/20)
◇ 昭和の『先生のいろは』 13 「授業 (8)先生よ くり返して述べよう」(2017/03/22)
◇ 昭和の『先生のいろは』 14 「??」(2017/03/24)
◇ 昭和の『先生のいろは』 15 「あたたかい先生に」(2017/03/27)
◇ 昭和の『先生のいろは』 16 「おわりに」(2017/03/29)
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【備忘録メモより】
◇「学校は,知的人間をつくるところ」(2017/04/15)
◇先人のことば「道徳,教科の指導」(2017/05/22)
◇土曜日の「あさのかい」(1984年)(2017/06/26)
◇「虎教師への道」(1985年)(2018/03/02)
◇法話「一水四見」から(2022/01/08)
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【記録「新城青春の会」より】
◇記録「しんしろ青春の会」(2017/08/22)
◇「GROWING APACE」(青春2)(2017/08/25)
◇「こつこつとこまめに」(青春3)(2017/08/30)
◇「どうってことない」(青春4)(2017/09/07)
◇「波を起こす」(青春5)(2017/09/12)
◇「義務 Duty」(青春6)(2017/09/14)
◇「仕事は“はたおり”」(青春7)(2017/09/21)
◇蜂と虫と。(青春8)(2017/09/23)
◇「アカウンタビリティー」(青春9)(2017/10/07)
◇「忍耐と意思」(青春10)(2018/02/09)
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【冊子『新しく先生となるみなさんへ』より】
◇ タグ「新しい先生」
掲載;2022/06/10 ~ 2022/11/29
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【備忘録メモ「元校長の独り言」より】
◇ タグ「学びの地図」
掲載;2018/11/21 ~ 2024/07/09
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お読みいただき、ありがとうございます。
2024年09月20日
提言19 「ふるさとを歩く」土曜子ども教室(4)

暑い一日でした。
全国で、真夏日(気温30℃以上)を観測したのが554地点、猛暑日(35℃以上)が143地点でした。
明日も、暑さが続くようです。熱中症に気をつけてお過ごしください。
『現場からの教育改革21の提言』(2007年)から、内容や活動を承知していたり、関わったものを紹介しています。
“二昔も前”の提言に、今の教育、これからの教育に参考となるモノがあると思います。
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提言19 「ふるさとを歩く」土曜子ども教室
(つづき)
*鉄砲の戦いの「設楽原古戦場」を歩く
○ふるさとを歩く歴史探訪
私たちのまちにとって、「長篠・設楽原の戦い」の古戦場はふるさとの大切な歴史遺産である。この戦いを語る里人たちの心の中には、常にここで命を落とした他国の将兵への哀悼が底流にある。信玄塚の「火おんどり」行事を始め、点在する古塚がそれを物語っている。

◇長篠・設楽原の戦い430年前と同じ風の吹き渡る設楽原を歩くことが、ふるさと再発見の場になると確信し、毎年「土曜子ども教室」に取り入れている。
1575(天正3)年5月、武田軍1万5千と織田・徳川連合軍3万5千が設楽原で激突した。連吾川を挟んでの一大決戦は連合軍3千挺の鉄砲の威力の前に、武田軍は1万に及ぶ屍を残して敗走した。…戦いの後、村へ戻った里人は「信玄塚」を築いた。
○伝えるべき内容の事前調査の中で
案内役は地元で活動を続ける「設楽原をまもる会」の方にお願いし、下見を2回行った。ここでの問題は、テーマである「武田軍の跡」をどう見るかである。史実と物語をどう説明するか、推測と思いつきをどう区別するか。
次は、案内してくださった熊谷昇苔さんの言葉である。
長篠城址から設楽原を歩くコースの講師を依頼されたが、何を子どもたちに伝えるか苦慮した。実際に歩くことが史実の検証になること、今も生き続けるふるさとの心を中心にポイントを次の4点にした。

武田軍に囲まれ落城寸前の長篠城から、家康のいる岡崎城への使者を務めたのが鳥居強右衛門である。再び長篠城へ引き返して捕えられた強右衛門は、城兵に「援軍は来るぞ」と叫び、その場で磔(はりつけ)となった。その遺体は近くの新昌寺に埋葬され、430年を経た今でも有海区民によって手厚く祀られている。
◆勝頼本陣の移動の跡を追う
川を渡った武田軍は、最初清井田の高台に本陣を置き、最終的には才ノ神に移勤したとされるが、この両陣の途中に武田本陣の可能性の高い台地がある。地形的にそれはどこになるか、見当をつけさせたい。
簡単な地図、少し詳しい地図等、ポイントを絞って資料を用意する。

設楽原での決戦は、戦国時代最強と恐れられた武田の騎馬隊の突進力に対し、連合軍は「柵と鉄砲」という『動く城』の構えをとった。
この構えの中心である馬防柵の再現は、地元の「設楽原をまもる会」の人々で行われ、5年ごとに更新される。現在のものは、平成15年、丸太の伐採・山から搬出・皮むき・組み立てと、350本の丸太を作って5日間で延べ350人工の作業であった。
この史跡保存、案内板の整備、調査研究など、ふるさとの活動を語りたい。
◆引き継がれて400年余
戦いに敗れ、ふるさとに帰ることのできなかった武者も、家に帰れば父であり、若い息子であったはずである。設楽原に累々と残る屍を村人は手厚く葬り、塚を建てた。

お盆の15日、日暮れを待って、昔の庄屋の家で火打石から松明に火をとる。小川で身を清めた松明行列は火おんどり坂を信玄塚まで進み、大松明に火をつけ「ヤーレモッセ、モッセモセ、ナンマイダ」と唄いながら、乱舞し戦死者の霊を慰める壮大な火祭りである。この信玄塚の心を伝えたい。
【一言】 大人がもっと子どもに関わるべきである
「頑張れない子どもたち、運動能力の低下止まらず」という文科省の調査結果が報告された。また、「規範意識の希薄化」や「衝動を抑制する力の弱さ」など様々な報告がなされている。これらは、今の社会の抱える問題の反映であり、家庭・学校・地域といった個々の対応で解決できることではない。だからといって、制度を変えて解決するものでもない。
もっと直接的な活動が必要である。まず大人自身が社会の一員・親として子どもの育成に対する責務を問い直し、共に生きる者として、共に活動する必要がある。大人がもっと子どもたちに関わりをもつべきである。
(本稿、ここまで)
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注)これまでの記事は〈タグ「教育改革21」〉で
注2)引用した原稿は、その内容を現在に合わせて省略や修正を加えたところがあります。
気象庁 最新の気象データ |
◇ 日最高気温の高い方から(9月20日)
◇ 最新の気象データ
◇ 1時間降水量の日最大値(9月20日)
◇ 1時間降水量の日最大値(ランキング;5mm以上のみ)(9月20日)
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2024年09月19日
提言19 「ふるさとを歩く」土曜子ども教室(3)

最近の放送(Podcast)に、
○ 「善因善果」と「悪因悪果」の言葉が出てきました。
○ 「厄払い」と「厄除け」
似ているようで違っている、別のことのようで似ている…。
言葉から、いろいろ考えました。
『現場からの教育改革21の提言』(2007年)から、内容や活動を承知していたり、関わったものを紹介しています。
“二昔も前”の提言に、今の教育、これからの教育に参考となるモノがあると思います。
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提言19 「ふるさとを歩く」土曜子ども教室
(つづき)
*“日本で一番美しい花”──ササユリ探訪教室──
可憐な花のササユリは私たちの住んでいる地域から西日本に向かって分布レ大輪の美しいヤマユリは中部地方から関東・東北にかけて自生している。ここ新城市一帯はササユリとヤマユリの両方が自生する貴重な地域である。

○ササユリ・ヤマユリが減ってしまった
ササユリの花を知る地元の人たちは「一昔前は、ササユリもヤマユリも山や道端にたくさん咲いていた」と言う。ところが、最近ではよほどしっかり管理をしている所でないと見ることはできない。その原因は、4つほど考えられるという。
まずは「可憐な姿ゆえの乱獲」である。どちらのユリも「これが野生の花か」と思うほど美しい。そのため切花にしたり、球根を掘って家に持ち帰ったりされる。

3つ目は、道端のユリが草刈りで刈られてしまうことである。ササユリ探訪の中心である「青年の家」近辺の山道も、毎年春と秋の2回道路脇の草刈りが行われる。そこで、ユリの横へ目印の竹を立ててユリを切らないようにお願いしたところ、翌年には3倍以上のササユリが咲いたことがある。
もう一つ困るのが虫や獣の害である。春になってササユリが成長しだすとその若芽を毛虫等の幼虫が食べる。猿はササユリに蕾(つぼみ)がついた頃ユリの花茎をしごいてしまう。最も困るのが猪の害で、夜になるのを待って球根を掘り食べてしまう。何とか手立てはないものかと考えるが、彼らには彼らの事情があるのだと思うと手の出し方がむずかしい。
○世話も楽しみ
ササユリ群生地の一つに県立桜渕公園南の「健康の道」がある。ここは地元の山崎信久さんと鈴木洋一さんが10年ほど前、何とか保護しようと竹の支えをし、毎年根気よく世話をしてきた。おかげで最近では数も増え散策する人たちの楽しみになっている。

「ササユリの皆さん いつもいつもこの里山に美しい花を咲かせてくれて ありがとう」。県立桜渕公園南の「健康の道」に、ササユリ感謝状が立っている。市民の目を楽しませてくれるお礼に、2001(平成13)年に「新城のササユリの皆様へ」市長の感謝状が送られた。それは同時に、ユリの世話を続けてくださる多くの方々への感謝を込めてであった。
○ササユリ・ヤマユリを種から増やしたい
ササユリもヤマユリも秋になると50個以上の種子をつけるが、自然の状態だと発芽するのはその数%にとどまる。種子を人工的に苗床に蒔けば、100%発芽する。この新芽を成長させて再び山へもどすことができるのだが、発芽はしても無事成長をとげるものはうんと少ない。ササユリとヤマユリは、秋に種を蒔いても発芽は翌々年の春になる。

◆ こうした活動があるからこそ、土曜子ども教室として「ササユリ探訪会」が毎年開催できるのである。保護や栽培についてスライドと説明があり、そして「健康の道」や「青年の家」周辺の山歩き観察会へ、というのが探訪の定番である。(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「教育改革21」〉で
注2)引用した原稿は、その内容を現在に合わせて省略や修正を加えたところがあります。
【参考】
◇新城市の花「ササユリ」(2011/06/01 YouTube)
2024年09月13日
提言19 「ふるさとを歩く」土曜子ども教室(2)

“二昔も前”の提言に、今の教育、これからの教育に参考となるモノがあると思います。
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提言19 「ふるさとを歩く」土曜子ども教室
*「土曜子ども教室」でこだわったこと
(つづき)
○「土曜子ども教室」開催の3つの条件
2005(平成17)年度の「土曜子ども教室」は、「ササユリ探訪会」「親子工作教室」「親子料理教室」(3回)「水生生物調査」「鳳来寺山自然体験教室」「設楽原歴史探訪」「親子トレッキング」「冬の星座ウォッチング」「百人一首大会」
の年間11回の開催であった。この教室開催には、特に次の点にこだわった。
① 生活の原点である「親子での参加」を原則とする。
② 生涯を通して生活の根となる、「ふるさと」を舞台とする。
③ 活動には多くのスタッフが必要である。ボランティア支援の中で行う。
○多くの失敗があってこそ
子どもたちに様々な体験、多くの人々とのふれあいを求めて始めた「土曜子ども教室」であるが、実施していく中では様々な困難や失敗が出てくる。それを機会として、子どもたちが「次の教室にも来たい」という意欲につながるものは何かを追いかけ、工夫してきた。

子どもが迷子に!
6月初旬、可憐な花を咲かすササユリ観察会を風切山周辺で行ったとき、一部の子どもが迷子になってしまい、捜すのが大変であった。
親子参加であるが、子どもたちは子どもだけの集団を作り、どんどん先に行ってしまう。所々で説明会をもちササユリの生態について講師の話があるのだが、そこでチェックできないと、子どもたちは折返し点にも気づかずどんどん山の中に分け入ってしまう。子どもたちの興味は計画とは異なったところにあり、冒険心とも相まって予想外の動きとなる。これを教訓に以後の探索会やトレッキングなど野外の活動には、先頭集団用に旗を作り、これより先には行かないことを約束させて行っている。
子どもたちの興味の対象は歴史や絶景そのものではない!
子どもたちは様々なものに興味をもつが、静的なものより動くものに、より目がいく。日本の歴史の分岐点となった「武田軍と織田・徳川連合軍の設楽原決戦場」を訪ねる歴史探訪には、多くの市民や親子が参加してくる。いきおい歴史の説明が多くなるが、子どもたちにとって一つの石碑、一つの布陣場所に興味を持続させることはむずかしい。虫や蝶など動くものには興味を示す。だからといって、昆虫採集などを取り入れると、また新たな困惑が生まれる。

○ボランティアの参加があってこそ
教室運営は講師と担当者のみでは、楽しく安全な教室開催は不可能である。地域の方の協力やボランティアの力があってはじめて成り立つものである。例えば「紅葉の雨生山に登る」では、次のような協力をいただいて実施ができた。
① 登山口の家の方から、山登り用の[竹の杖]を人数分いただいた。(つづく)
② 集合地の近くの農家で、子どもたちのお土産にサツマイモを掘る芋掘り体験の場を提供していただいた。
③ 山登りには多くの道案内が必要なので、道案内隊をお願いした。
④ 雨生山特有の鉱物採取には、地学専門の先生方が協力して下さった。
⑤ 秋の植物観察・採集には自然調査員や博物館学芸員の協力を得た。
⑥ 集合地に地元の集会場を、近くの工場の方に駐車場をお願いした。
⑦ 登山道の事前整備・草刈り、案内板の設置などへの協力。
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注)これまでの記事は〈タグ「教育改革21」〉で
注2)引用した原稿は、その内容を現在に合わせて省略や修正を加えたところがあります。
タグ :教育改革21
2024年09月12日
よるののうか。 提言19 「ふるさとを歩く」土曜子ども教室(1)

そのなかで、さらっと「バイオスティミュラント」が出てきました。
最近注目を浴びている“新しい農業資材カテゴリ”だそうですが、それらは、昔からあった(利用していた)コト、モノのように思います。
今、この時代になって注目されているのは、なぜ…。
よるののうか の2人は、バイオスティミュラントを…。
『現場からの教育改革21の提言』(2007年)から、内容や活動を承知していたり、関わったものを紹介しています。
“二昔も前”の提言に、今の教育、これからの教育に参考となるモノがあると思います。
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提言19 「ふるさとを歩く」土曜子ども教室
*「土曜子ども教室」でこだわったこと
紅葉に染まる天然記念物指定の蛇紋岩植生「雨生山」ウォークの時のことである。途中までゲーム機を持って歩いていた子どもたちも、山道にかかり、輝くイハク石の話を聞き緑濃い蛇紋岩さがしの頃になると、もうゲーム機は手になく、足元の石ころを見る目が輝いてくる。

小石を宝物にした子どもたちは草笛を吹き、サルトリイバラの小さな実を採りながら嬉々として登って行く。
ゆとり教育が叫ばれる学校五日制は、休業土曜日を設け、子どもたちの学校外での社会体験や地域の人とのふれあいの時を期待した。しかし、現実は意図に反し、「休日の過ごし方」調査では、「一人でテレビやゲーム機で遊ぶ」子が目立って多くなっている。父母の仕事への就業、少子化などの事情からか、自然活動も社会活動もごくさびしい子どもたちの実態であった。
核家族化傾向の中で家族の数は少なくなり、地域社会の姿が少しずつ変わってくる中で、人間関係が苦手で、体験の不足する子どもたちの姿が浮かびあがってくる。改めて、家族とのふれあい、地域での活動、自然・社会体験の必要性を痛感している。
そうした体験活動の場として、月1回程度“ふるさとでの体験”の場を教育委員会が設けてきた。それが「土曜子ども教室」である。
この教室を通してわかったことは、
・ 採集した小石は、宝物の鉱石になっていく。実際にやってみなければわからない楽しさが、身の回りには無数に隠されている。それを何らかの手立てで見つけ、学ぶことにより、子どもたちの新しい世界が拡がっていく。
・ ゲーム機から、自然の不思議に目は移っていく。
・ 自分で作った紙飛行機飛ばしに、時のたつのを忘れて熱中する。
・ 料理教室で、日ごろとは異なる父と子のふれあいが深まっていく。
(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「教育改革21」〉で
注2)引用した原稿は、その内容を現在に合わせて省略や修正を加えたところがあります。
タグ :教育改革21
2024年09月05日
提言10 もう一つの学校…数チャレ教室(3)

“二昔も前”の提言に、今の教育、これからの教育に参考となるモノがあると思います。
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提言10 もう一つの学校…数チャレ教室
*問題の作成
(つづき)
○愛知教育大学の協力を得て
第5回からは、愛知教育大学数学教育講座の先生方に、共同研究の形で、問題作成から当日の運営、講評までお手伝いをいただいている。お陰で、問題の検討にも子供たちの解答にも、新しい視点を得ることができる。
小学生用にと作成した問題は、子供たちが「簡単だ」と感じて取り組んでくれる。ところが、講評で、それが“高度な数学につながっている”ことを知り、「簡単なこと」の持つすごさや楽しさを感じることにもなった。
さらに、途中から大学の学生が、体験コーナーの問題を用意し、当日の運営に参加するようになった。
例えば、グランドを使っての「マラソン世界記録に挑戦!」や極限に挑戦する「葉書をくぐれるかな?」のコーナーである。体験コーナーにも、新しい発想が持ち込まれた。
*体験コーナーの設置
私たちは、数学の問題を机上で考えるだけでなく、図を書いたり・サイコロなどを操作したり・紙を切ってのりではって等、あれこれと実際に手を動かして考えることを大事にしたいと思っている。頭で考えるペースは、「手」で考えるにつながり、それは更に「体を使って」考えるにつながっているからである。
そうしたことから、第2回からチャレンジ会場の廊下や中庭に実際にやって考えるコーナーをつくっている。次は、その例である。




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この数チャレの問題には、高校や大学で学んでから説明できる内容も含まれている。それを、まだ学んでいない子供たちは、自分なりに論理的に説明して解こうとしている。この経験は、将来「そういうことだったのか」と新たな学びにつながっていく。私たち自身の新鮮なチャレンジが、子供たちの新しいチャレンジに結んでいく。
マニュアルもマニフェストもないが、私たちは次の2点で、この「数チャレ教室」にあしたの学校の姿を見たいと思う。
①問題が面白い……学ぶ内容、教える内容の弾力的扱いを生かした工夫
②運営がシンプル…一応の枠があるが、教科授業を午前中に、午後は総合的・選択的学習を中心にした日課の工夫等ヘ
(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「教育改革21」〉で
注2)引用した原稿は、その内容を現在に合わせて省略や修正を加えたところがあります。
【関連】
◇数学チャレンジ
タグ :教育改革21
2024年09月04日
提言10 もう一つの学校…数チャレ教室(2)

みなさんは、いかがですか。
昨日は、「ドラえもんの誕生日」(2112年9月3日)でした。ご存じでしたか。
『現場からの教育改革21の提言』(2007年)から、内容や活動を承知していたり、関わったものを紹介しています。
“二昔も前”の提言に、今の教育、これからの教育に参考となるモノがあると思います。
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提言10 もう一つの学校…数チャレ教室
(つづき)
*問題の作成
○問題を作る
当初は戸惑った。例があるわけではない。似よりのものとしては名古屋大学で行っている日本数学コンクールがあるが、規模も組織も違う。
各自が候補問題を持ち寄っては検討することを繰り返す。
問題を作成するとき、「小学生ができるかな」「中学生でないと無理かな」とは考えるが、ことさら「小学生向け」「中学生向け」という区別はつけていない。どの問題も、できるだけ、小学生でも中学生でもそれぞれの知識と方法で挑戦できるように考えている。
2005(平成17)年度「ミカンを数えよう」の問題は、

この問題で、②をいきなり小学生に与えても、「挑戦をしてみよう!」という気持ちにはならない。①があることで、小学生でも、順序よく数えていけばなんとか「答え」を出すことができる。しかし、順序よく数えるにしても、かなりたいへんな作業である。
ここで、「うまい方法はないかな」「もっと早く数えられないかな」と工夫する子供が現れてくることも期待して作成した。①で答えの出せた子供が、②も「同じようにできないかな」と挑戦してくれるだろう、と。
実際、多くの小学生が②にも挑戦し、優秀解答11名の中に小学生が1名入っていた。②をとても合理的な方法で解いていた。一方、ここには手をつけない子も多い。それでいいのである。教師も子供も欲張らない。
○「数楽チャレンジ」の問題
毎回、10問程が用意されている。子供たちは、それらの中のどの問題からはじめてもいいし、何問解くかも、自分できめる。
次は、各年度に出された問題の例である。
過去の問題は、インターネットでも公開している。
URL:https://mathchall.web.fc2.com/






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注)これまでの記事は〈タグ「教育改革21」〉で
注2)引用した原稿は、その内容を現在に合わせて省略や修正を加えたところがあります。
【関連】
◇数学チャレンジ
タグ :教育改革21
2024年08月30日
台風、大雨…。 提言10 もう一つの学校…数チャレ教室(1)
ノロノロと進む台風10号の影響で、直接の風雨だけでなく、日本各地で大雨、強風となっています。
先週22日(木;写真左)には東海地方へ向かう予報でしたが、徐々に西に向かう“予想外の進路”となり、今週26日(月;写真右)には九州に近づき、29日に鹿児島県に上陸しました。
今日は、九州から東北まで「警報」の発令される状況となっており、週明けまで荒れた天候が続くようです。
“普通の台風”のように、上陸後はさ~っと通過してくれないかな。
『現場からの教育改革21の提言』(2007年)から、内容や活動を承知していたり、関わったものを紹介しています。
“二昔も前”の提言に、今の教育、これからの教育に参考となるモノがあると思います。
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提言10 もう一つの学校…数チャレ教室
*こんなチャレンジの場を
小学校の5・6年頃から中学生にかけては、外面にあまりでてこないが、自分を試してみたいとか未知のことがらに挑戦してみたいという内面の気持ちを強く持っている。彼らの内なる力であるこのチャレンジヘの欲求に灯をつけなければ、彼らの学ぶ力は育たない。
様々な場が、そのために用意される。学校の活動はそのための基本の場である。ここでいう「数チャレ教室」は、そのサポートの一つの場として工夫されたものである。学校の算数・数学と関係はありそうだが、少しちがう教室…そんなイメージで子供たちが捉えてくれればと期待したものである。
算数・数学の得意・不得意とまったく関係ない形で、どちらかといえばあまり得意でない子供たちを念頭に置いて始められたものである。
次は、全体のイメージである。
*『数楽チャレンジ教室』の企画と歩み
子供のやる気を引き出す、その気にさせるおもしろみのある場を用意することが大人の仕事と考え、いくつかのチャレンジの場を計画してきた。『数楽チャレンジ』はその一つである。
「数学って小むずかしいものじやないよ、楽しめるんだよ。おもしろい問題に取り組んでみよう」
こうしたチャレンジの場を立ち上げるに当たって、「何人集めよう」とか、「少なかったら動員してでもにぎやかな会にしよう」とか、そんな考えはもたなかった。とにかく子供たちをやる気にさせるようなことが、教科としての数学の周辺でできないか、そのことだけを考えていくことにした。
教育版NPOとして、数学の教師が子供のやる気を引き出すのに何ができるのか工夫しよう、そのことを行政がどれだけ支えられるかということで始まったものである。
名前は、『数楽(すうがく)チャレンジ』としたが、程なく『数チャレ』という愛称がつけられ、今はこちらが通用している。
子供たちはがんばることのできる場を求めている! 大人たちが諦めないでおもしろみのある活動を創り出すことで、子供たちはチャレンジし、そこに小さな目標をもってやってくる。それを示す参加の歩みである。
回数を重ねるなかで、連続して参加する子供たちも増えている。小学5年から中学3年まで5年連続して参加した子供がいる。
どの程度の人数が適当なのか正解はないが、会場の都合・運営委員の数からは200名を超えると会場が手狭になる。嬉しい誤算である。計画の手直しも必要になる。
(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「教育改革21」〉で
注2)引用した原稿は、その内容を現在に合わせて省略や修正を加えたところがあります。
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先週22日(木;写真左)には東海地方へ向かう予報でしたが、徐々に西に向かう“予想外の進路”となり、今週26日(月;写真右)には九州に近づき、29日に鹿児島県に上陸しました。

“普通の台風”のように、上陸後はさ~っと通過してくれないかな。
『現場からの教育改革21の提言』(2007年)から、内容や活動を承知していたり、関わったものを紹介しています。
“二昔も前”の提言に、今の教育、これからの教育に参考となるモノがあると思います。
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提言10 もう一つの学校…数チャレ教室
*こんなチャレンジの場を
小学校の5・6年頃から中学生にかけては、外面にあまりでてこないが、自分を試してみたいとか未知のことがらに挑戦してみたいという内面の気持ちを強く持っている。彼らの内なる力であるこのチャレンジヘの欲求に灯をつけなければ、彼らの学ぶ力は育たない。
様々な場が、そのために用意される。学校の活動はそのための基本の場である。ここでいう「数チャレ教室」は、そのサポートの一つの場として工夫されたものである。学校の算数・数学と関係はありそうだが、少しちがう教室…そんなイメージで子供たちが捉えてくれればと期待したものである。
算数・数学の得意・不得意とまったく関係ない形で、どちらかといえばあまり得意でない子供たちを念頭に置いて始められたものである。
次は、全体のイメージである。
1 変わったタイプの算数・数学の問題を、あまり時間を気にせずに、自由に解決していく場所(会場)がある。
2 参加は自由で、(学校とはちがう)会場へは自分で行く。
3 問題用紙も回答用紙も、考えるヒントになる材料もあるが、教えてくれる人はいない。でも、質問に答えてくれる専門の数学の先生はいる。
4 教室の中では、問題を考えるか休憩以外のことはできない。
5 全部でも一部でも、自分で納得のいくものができたら、好きなときに終わる。自分の使った場所の片付けをして帰る。
6 自分の解答へのコメントや評価は、後から送られてくる。

*『数楽チャレンジ教室』の企画と歩み
子供のやる気を引き出す、その気にさせるおもしろみのある場を用意することが大人の仕事と考え、いくつかのチャレンジの場を計画してきた。『数楽チャレンジ』はその一つである。
「数学って小むずかしいものじやないよ、楽しめるんだよ。おもしろい問題に取り組んでみよう」
こうしたチャレンジの場を立ち上げるに当たって、「何人集めよう」とか、「少なかったら動員してでもにぎやかな会にしよう」とか、そんな考えはもたなかった。とにかく子供たちをやる気にさせるようなことが、教科としての数学の周辺でできないか、そのことだけを考えていくことにした。
教育版NPOとして、数学の教師が子供のやる気を引き出すのに何ができるのか工夫しよう、そのことを行政がどれだけ支えられるかということで始まったものである。
名前は、『数楽(すうがく)チャレンジ』としたが、程なく『数チャレ』という愛称がつけられ、今はこちらが通用している。
(1) 目的は……小・中学生が数学の問題にチャレンジする場として、子どものやる気を啓発し、数学への関心を高めたい。第1回の開催に向けて、「応募者の数がたとえ5、6人でもいいじやないか」と思っていた。当日は56人が集まり、びっくりしたし嬉しかった。日曜日、数学の問題に一日かけて向き合う、そんな子供たちがこんなにもいたことが嬉しかったのである。参加者数の目安はないが、対象人口の3%というイベント等で使われる数字が頭に浮かんだ。
(2) 会場は……○○高等学校。普段見慣れている小・中学校ではなく、子供にとってあこがれの高校をお借りして開催。いつもとちょっと違って、学究的?な雰囲気で実施したい。
(3) 運営は……小・中・高の数学教師が実行委員会を作り、企画運営と問題作成にあたる。チャレンジする子供の募集、連絡調整は市教育委員会が行う。用紙を除いて問題の印刷、説明用具等はすベて実行委員会の自主作業・自作である。
(4) 期日は……11月の第2日曜日の10時~15時まで。参加者の現地集合、現地解散。
(5) 対象は……小学校5・6年生と中学生の希望者。市内だけでなく近隣市町村にも呼びかける。
(6) 問題は……机上で考える問題、実際に操作したりして考える体験型の問題、タイプの違う番外型の問題の3種を基本に。
(7) 方法は……10問程度を出題。全問挑戦しても、選択して挑戦しても自由。時間配分は休憩・昼食等を含んで自由に。
(8) 評価は……単に○×ではなく、解答の行間を読み取りコメントをつけて返却する。その他、優れた解答例、問題の解説と全体講評をつけ冊子としてまとめ、参加者に配布する。
子供たちはがんばることのできる場を求めている! 大人たちが諦めないでおもしろみのある活動を創り出すことで、子供たちはチャレンジし、そこに小さな目標をもってやってくる。それを示す参加の歩みである。

どの程度の人数が適当なのか正解はないが、会場の都合・運営委員の数からは200名を超えると会場が手狭になる。嬉しい誤算である。計画の手直しも必要になる。
(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「教育改革21」〉で
注2)引用した原稿は、その内容を現在に合わせて省略や修正を加えたところがあります。
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2024年08月29日
提言9 山の学校の授業づくり、人づくり(3)

台風10号は、当初は東海地方へ向かって進み、今頃は列島を抜けている予報でした。しかし、発生から“大きな予報円”が続いたのは、いつも(?)と違う気象状況だったからようで、今後も“高気圧が消える”ことで、迷走状態になるようです。
各地で暴風、大雨、洪水による被害が出ています。台風10号が迷走することなく、さっと通過していってほしいものです。
『現場からの教育改革21の提言』(2007年)から、内容や活動を承知していたり、関わったものを紹介しています。
“二昔も前”の提言に、今の教育、これからの教育に参考となるモノがあると思います。
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提言9 山の学校の授業づくり、人づくり
(つづき)
*異単元異内容での指導場面から
教師が2個学年を別々に指導することになるので、教師の付かない場での子供たちの学習の形がポイントになる。
学年:A小学校 5年-8名、6年-4名○学習リーダーを中心とした話し合い
教科と教材:算数科 5年単元「垂直と平行」、6年単元「立体」
間接指導時の児童の学習形態:直接指導に続く場面として、児童の学習リーダーの進行で話し合いや作業的活動を行う
学習の進め方について予め手順を決め、それを基本にリーダーが進める。手順の骨子は、次の2点である。

② リーダーの進行で、各自のまとめを説明し、その内容について学年グループでたしかめ、話し合う。(質問、説明、思ったこと)
リーダーは原則として輪番制で、毎時間この手順で進める。
○垂直関係の発見
授業の導入段階で、6年生を直接指導で行っているとき、5年生は方眼紙上にある垂直や平行な直線を探す学習を間接指導で進めた。
① 自力解決の段階で、方眼紙上にかかれた何本かの直線から、垂直関係である直線の組み合わせを探し、その理由をノートにまとめた。

2個学年の複式学級では、下学年の子供たちに読みの負担がかかる。そのため、日課の中に「基礎学習」の時間を設け、漢字指導を行っている。また、異内容指導の場では、間接指導時の子供の考えを記録し、後の直接指導に生かすためホワイトボードを使用している。
複式学級は、2つの指導というやりにくさを持つが、一方、より自律的な学習を可能にする場としては優れた面を持っている。今、子供たちの粘り強い生活感覚を取り戻すためにも、この複式の持つ強みを生かしたい。
(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「教育改革21」〉で
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2024年08月23日
提言9 山の学校の授業づくり、人づくり(2)

週明けに“日本列島を直撃”する恐れがあり、今後発達し、27日(火)には中心気圧は950ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40mと予想されています。
風雨に対する備えを早めにしておきたいと思います。
『現場からの教育改革21の提言』(2007年)から、内容や活動を承知していたり、関わったものを紹介しています。
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提言9 山の学校の授業づくり、人づくり
(つづき)
*同単元同内容の指導場面から
学年の異なる2個学年の子供たちに「同じ教材を使って」指導する。
学年:A小学校 3年-5名、4年-2名音読中心の教材であるので、特に会話の部分を登場人物の気持ちになって読むように強調した。音読をしてみると、3年生の女子3人(B児・D児・E児)は会話の部分をとてもしっかり音読した。しっかりした声で読むことはできるが、内容の理解はむつかしい。次の記録はそのあたりの様子を伝えている。
教科と教材;国語 4年単元『こわれた千の楽器』
本時の目標;場面の様子や人物の気持ちを想像し、想像したことが聞き手に伝わるように工夫して、声を出して読む
○上級生の“自分を抑えた”発言

ここのF児の動きは、3年に対する上級生4年の「読み取り」の確かさを伝えると同時に、複式なるがゆえの子どもの強さのように思うのである。普通の子供関係なら、ここは「私はえんそう(演奏)だと思います」になる。F児が“えんそう”を言葉に出さないから、すぐ続いてD児は「えんそう?」と自分で気づき、E児も「ほんとだ!」と少し遅れてわかる。F児の確かな読み取りは個人的なもので、どの4年生にもとはいかないが、少なくもここのやり取りは、相手を励ましF児自身をも励ましていく。異学年授業という複式の強みの一つである。
○上級生が教えられて
一つの言葉一つの発言が、相手に新たなものを気づかせ、それがまた自分にかえってくるという点では、少人数はハンディーをもつ。だが、次のような場面は複式では常時起こることであるが、単式の授業では起こりえない。事柄の意味もさほどには見ていない。
『こわれた千の楽器』は、新しい学年になって最初の物語教材である。
4年生にとっては、3年生の基礎漢字学習をすませているので漢字の抵抗は少ないが、2年生をペースとする3年生の負担は大きい。にもかかわらず3年生B児の音読は、音量もあり、その気持ちを込めようとした読み方は、かなりのものであった。4年生にはいい刺激となった。F児は、B児への感想を次のように書いている。
Bさんは、会話のところを読むのがすごくうまかった。楽器の気持ちになって読んでいた。わたしもその気持ちになって読みたい。通常の学級ならば、ここは「3年のBさんは」となる。ところが、複式のこの子にとっては、ごく自然に「Bさん」である。つまり、学年が一つ下ということを言う必要がない。もちろん、内心としては「3年」ということを意識しているであろうが、「3年の」は言葉にのってこない。
このことは、複式でない子供たちにとって授業の中で体験することはない。日常生活の面では「学年が下でもうまい」というように経験的に理解し、これが普通の社会の姿だとわかっている。これを学級・学年というレンズを通すと、子供たちの視野から消えて自分たちの閉じた社会での見え方だけになる。子供の問題の多くは、ここから始まっている。
その点、複式は、常に異質といえる他学年が同居しており、この方が社会の姿としては普通である。複式のかくれたメリットである。
(つづく)
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