2022年09月30日
『マンガでわかるファシる技術』(龍造寺慶・著/船川淳志・監修/深山雪男・イラスト)

教育や授業などの話でも聞くことが多くなった気のする言葉の一つに「ファシリテーション」があります。
ファシリテーション(facilitation)とは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。新しい事柄・用語ではないと思いますが、社会が“縦”から"横・ネットワーク”型の社会へと変化するにつれて、注目されてきた気がします。
集団による問題解決、アイデア創造、教育、学習等、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味します。
その役割を担う人がファシリテーター(facilitator)であり、会議で言えば進行役にあたります。(ファシリテーションとは - FAJより)
新学習指導要領で 「主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)」が言われるなか、教育・学校でも話題となり、研修にも取り入れられているようです。
Kindleに入れてあった『マンガでわかるファシる技術(Futaba Culture Comic Series)』(双葉社・刊)を移動の車内で読みました。
WEBで大好評のビジネスコミック『マンガでわかる 必ず伝わる! ロジカル会話術』待望の第二弾!ファミレスチェーンの中堅社員 三上さつきが、不採算店復活の手腕を買われ“自立型介護施設 まほろばの郷”に赴任しました。その施設で起こるトラブルを、研修したファシリテーションの学びを生かし“ファシリテーターとして解決に臨みます…。
今度のテーマは様々な会議や話し合いで「最善のアウトプット」を導き出す、ファシリテーションの技術。
老人ホームを舞台に主人公さつきの活躍を追うに連れ、「ファシる技術」が身につくマンガ版ファシリテーション入門の決定版!
三上さつきの“ファシリテーター”として対応、動きに、謎の入居者 堤全次郎が助けを出し、トラブルが解決に向かいます。
まほろばの郷で起こるトラブルに対処していく三上さつき、堤全次郎の行動と言葉から、ファシリテーションの基礎を学べます。
また、章末のにある解説で、章のテーマについて、さらに深く説明しています。
そして、解説の後に1ページのColumnがあり、“「ファシる」クイズ”を下部に付け、内容を広げています。
ファシリテーションに関心や興味をもった方、マンガで学んでみませんか。
ファシリテーションを知っている、学んだという方は、三上さつきの行動や言葉に、マンガとは別の“助言”を考えてみてはいかがでしょう。
目次
はじめに
登場人物紹介
プロローグ 「騒音トラブルをファシる!」
第1章 「スタッフとの人間関係もファシる!」
第2章 「住民トラブルをファシるには?」
第3章 「立場が上の人とファシる時は…」
第4章 「ファシジャックがあらわれた!」
第5章 「状況は最悪……どうファシる?」
おわりに
【関連】
◇船川淳志公式サイト
◇深山雪男 (@miyamayukio)(Twitter)
*TikTokで「ファシリテーション」を検索
*YouTubeで「ファシリテーション」を検索
タグ :読書
2022年09月29日
2-22 部活動 (新しく先生となるみなさんへ)

平成の頃、新任教員に「学校のこと」「教職のこと」を紹介する冊子『新しく先生となるみなさんへ』が配付されていました。
当時とは教育を取り巻く状況が変わっていますが、若い先生や教職を目指す若者に参考となる部分もあると思います。
その冊子(平成19年度)から順に紹介していきます。
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教員の一日
22 部活動
部活勤は,子供たちにとっては学校生活の中で魅力ある活動の一つであり,適切に行われれば,子供たちの心身の健全育成に大きな役割を果たす。
(1) 指導に当たって
ア 子供一人一人の思いや願いを大切にし,愛情をもって指導する。
イ 子供の個性や能力を最大限に発揮できる活動や運営に心掛ける。
ウ 子供たちの自主的・自発的な取組を大切にする。
エ 年間計画を作成し,子供が見通しをもって活動できるようにする。
(2) 指導の実際について
○子供の様子をじっくり観察し,心身の状況把握に努める。
○子供たちがねらいや活動内容を決めるなど,自主的・自発的な取組を促す。
○指導中は,子供たちを認め,励ますことに努める。
○帰宅までが活動であることの意識化に努める。
(3) 安全対策について
ア 安全な活動に努めることは当然のことであるが,もし事故が発生した場合には,適切かつ迅速に対応する(各学校の方法を熟知しておく)。
イ 登下校中の安全対策に十分留意する。

生徒とともに********
私が初めて顧問になった部活勣は,経験のない剣道だった。どう指導していけばよいのか分からず戸惑っていた。武道場にいるだけの日々が続き,生徒に何もしてあげることができず,生徒との関係もよくなかった。これではいけないと感じ,まずは,私自身の部活動に対する思いやあいさつ,試合でのマナーについて部員たちに話をした。ただ見ているだけでなく,練習にも参加した。初心者が一生懸命に練習する姿を見て,何かを感じ取ってほしいと思ったからだ。すると,部員みんなで道着の着方,竹刀の持ち方などを丁寧に教えてくれた。それ以来,生徒とともに剣道の練習に励んでいる。「今日も先生と一緒に練習頑張る!」という部員の言葉がとても嬉しい。生徒と顧問であるが,一緒の道場に立つことができる剣道に出会えて,本当によかった。(平成18年度初任者)
注)これまでの記事は〈タグ「新しい先生」〉で
注2)掲載しているイラストは、学年通信(1993・1994年度)用に教員が描いたもので、冊子との関連はありません。
【関連】
◇学校体育・運動部活動(スポーツ庁)
◇文化部活動に関する取組(文化庁)
タグ :新しい先生
2022年09月28日
2-21 放課後の過ごし方 (新しく先生となるみなさんへ)

先日、小学校の教室に「歴史年表」が掲示してありました。昔から高学年の教室で見られます。
「あぁ、“歴史”なんだ…」
古代から記された年表が、順に時代が新しくなり「昭和時代」、それに続いて「平成時代」でした。
“気持ち・心”がざわざわと…。
平成の頃、新任教員に「学校のこと」「教職のこと」を紹介する冊子『新しく先生となるみなさんへ』が配付されていました。
当時とは教育を取り巻く状況が変わっていますが、若い先生や教職を目指す若者に参考となる部分もあると思います。
その冊子(平成19年度)から順に紹介していきます。
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教員の一日
21 放課後の過ごし方

ア 子供の話しかけを受け止め,共に考え,行動できる教員でありたい。
イ 常に共感的理解の上に立って,いけないことはいけないと言える教員でありたい。
(2) 部活動の指導
ア 学年を越えた交流は,子供を理解するのに適した場である。
イ 部活勤は技術の向上と同時に望ましい集団の育成に配慮して指導する。
ウ 下校時刻を守るなど,子供の下校時の安全に十分配慮する。
エ 子供の体力,ゆとり,家族との触れ合いを考慮し,過度の指導を避ける。
(3) 1日の反省
授業を終え,子供たちの姿がなくなった教室で,一人一人の子供の顔を思い浮かべ,今日1日を回顧し,印象の鮮やかなうちに指導記録や反省のメモを取るようにしたい。
ア 出された作品(ノート,日記,作文等)や答案には,必ず目を通し,温かい「朱書き」(評価と指導,励まし)を入れる。
イ 出席簿,給食実施簿,学級日誌等の事務処理を確実に行う。
ウ 分からないこと,判断や処置に迷うことは,謙虚に指導を受ける。
エ 指導記録,感想や反省等は,その日のうちにまとめる。

(4) 明日の教材研究と準備
十分な教材研究と周到な準備をして,授業にゆとりがもてるようにし,指導の充実を図るようにしたい。特に実験・実習をともなうような学習の場合には,安全確保のためにも必ず予備実験・体験をする。
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注)これまでの記事は〈タグ「新しい先生」〉で
注2)掲載しているイラストは、学年通信(1993・1994年度)用に教員が描いたもので、冊子との関連はありません。
タグ :新しい先生
2022年09月27日
国葬。 自然を活用した教育の村 (作手見聞録)

午後、故安倍晋三元総理の国葬が執り行われました。
世界に向け「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)構想」を提唱するなどの功績がありますが、社会を分断する意見・論議が続くなかで本日を迎えました。
政府は「国民ひとりひとりに弔意を求めるものではない」として地方自治体や教育委員会に弔意表明を求めないことを決めた「弔意を表す」ことがありましたか。
旧作手村が、地域情報をまとめたA5サイズの冊子『作手見聞録』を作成し、配付していました。数回の更新があり、内容に大きな修正はありませんが、表紙は異なるものがありました。
発行年が明確ではありませんが、手元にある冊子から順に紹介します。
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作手見聞録
Experience 小粒でもピカッと輝くふる里を目指して
自然を活用した教育の村
私達のふる里作手村(つくでむら)は、中央部に水田が広がり、その周囲を丘状の山々が取リ囲む、さながら縁の厚い盆を持ち上げた様な地形で、外部と距離を隔てていることもあり、村制施行以来合併することもなく、平成8年5月に無事90周年を迎えることができました。
作手の名称は、荘園時代に「作手権」と称する私有権が認められた水田があった名残りとする説と、古代、作手村を被っていた湖が干上がって広大な湿原と化し、その湿原を意味するする「くて」が訛ったとする説などがあります。
古来、この湿原に白鳥の飛来があり、このことにより湿原が肥沃な水田に変わったことから、白鳥に感謝して全国一の数の白鳥神社が建立されています。

今も語り継がれている昔ばなしに、三河国の三大長者の一人、米福長者が作手村に住んでいたといわれ、数々の出土品が確認されています。なお、戦国時代に本格的な籠城戦で名高い「長篠の合戦」で長篠城主として城を守り通し、その武勲により徳川家康の長女亀姫を娶った奥平信昌は作手村の出身であり、いずれも、作手村の豊かな水田と森林とに裏付けされてのことです。
また、古くは天保10年に愛知県は伊良湖の歌人糟谷磯丸が避暑地として過ごした土地柄であり、最近では、愛知県内の安城市・半田市・大府市・武豊町がそれぞれ野外教育センターを設置するなど、作手村の自然が大いに活用されています。なお村としては珍しく県立の高校があり、村内で保育園から高校までの一貫教育が可能となっています。
こうしたことから美しい水田に美しい森林、そして美しい清流に美しい良心をキーワードに「住みたくなるふる里つくで」を目指して村づくリが進められています。
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注)これまでの記事は〈タグ「見聞録」〉で
【旧作手村情報】
◇ふるさと「つくで」(作手見聞録)
◇発見!「つくでの草花」
【掲載記事から】
◇作手高原文化協会が編集した『つくで百話』から。
◇作手高原文化協会が発行した第2部『続つくで百話』から。
◇作手高原文化協会編集の第3部『つくで百話 最終篇』から。
◇児童生徒の作文を掲載した文集『こうやまき』~子どもが綴った作手村風土記~から。
タグ :見聞録
2022年09月26日
冊子『作手見聞録』 (作手見聞録)
青空が綺麗で、真夏の暑さを感じる一日でした。
雨が続くのも困りますが、秋を感じる気候になっていたので、この暑さに体が“悲鳴”をあげているようでした。
みなさん、元気に過ごせましたか。
旧作手村が、地域情報をまとめたA5サイズの冊子『作手見聞録』を作成し、配付していました。数回の更新があり、内容に大きな修正はありませんが、表紙は異なるものがありました。
この2種の冊子が手元にありますが、発行年は明確ではありません。この冊子から順に紹介します。
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作手見聞録
Experience 小粒でもピカッと輝くふる里を目指して
アジサイの村づくり
自らの手で、つくりだした“ふるさと”を自分達の子や孫へ贈る。
こんなことができたなら、どんなに素晴らしいことでしょうか。
「アジサイの村づくり」とは自分の生まれ住んでいる“つくでむら”という、ふるさとを再発見していただくとともに、つくでむらを楽しみながら、子供からお年寄りまで全員参加でふるさとを、手作りしましょうということです。
この「アジサイの村づくり」という合言葉を口ずさみながら間近にせまりつつある21世紀に、あるいは二〇〇六年に
おとずれる村制100周年に、また作手村を愛してくださっている多くの皆様に、素晴らしい「アジサイの村」をプレゼントしようではありませんか。
サア、始めましょう アジサイの村づくり
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【旧作手村情報】
◇ふるさと「つくで」(作手見聞録)
◇発見!「つくでの草花」
【掲載記事から】
◇小学生の副読本『わたしたちの村つくで』から。
◇小学生の副読本『わたしたちの村つくで 改訂版』から。
◇作手村制施行八十周年記念誌'86『 つくで -のぼとけが見つめた80年』から。
◇作手高原文化協会が編集した『つくで百話』から。
◇作手高原文化協会が発行した第2部『続つくで百話』から。
◇作手高原文化協会編集の第3部『つくで百話 最終篇』から。
◇児童生徒の作文を掲載した文集『こうやまき』~子どもが綴った作手村風土記~から。
雨が続くのも困りますが、秋を感じる気候になっていたので、この暑さに体が“悲鳴”をあげているようでした。
みなさん、元気に過ごせましたか。
旧作手村が、地域情報をまとめたA5サイズの冊子『作手見聞録』を作成し、配付していました。数回の更新があり、内容に大きな修正はありませんが、表紙は異なるものがありました。

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作手見聞録
Experience 小粒でもピカッと輝くふる里を目指して
アジサイの村づくり
自らの手で、つくりだした“ふるさと”を自分達の子や孫へ贈る。
こんなことができたなら、どんなに素晴らしいことでしょうか。
「アジサイの村づくり」とは自分の生まれ住んでいる“つくでむら”という、ふるさとを再発見していただくとともに、つくでむらを楽しみながら、子供からお年寄りまで全員参加でふるさとを、手作りしましょうということです。

おとずれる村制100周年に、また作手村を愛してくださっている多くの皆様に、素晴らしい「アジサイの村」をプレゼントしようではありませんか。
サア、始めましょう アジサイの村づくり
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【旧作手村情報】
◇ふるさと「つくで」(作手見聞録)
◇発見!「つくでの草花」
【掲載記事から】
◇小学生の副読本『わたしたちの村つくで』から。
◇小学生の副読本『わたしたちの村つくで 改訂版』から。
◇作手村制施行八十周年記念誌'86『 つくで -のぼとけが見つめた80年』から。
◇作手高原文化協会が編集した『つくで百話』から。
◇作手高原文化協会が発行した第2部『続つくで百話』から。
◇作手高原文化協会編集の第3部『つくで百話 最終篇』から。
◇児童生徒の作文を掲載した文集『こうやまき』~子どもが綴った作手村風土記~から。
タグ :見聞録
2022年09月25日
勉強会。 『「いのちの授業」をつくる』(鈴木中人・玉置崇・著)

午前中、わくわくバルーン(キャリアコンサルタントの任意団体)の勉強会でした。
前半は、“サブスクリプション”をメインにした最近の経済(?)状況について解説があり、質疑でした。後半は、マインドフルネスについて、インストラクター資格を持つメンバーからの説明を伺いました。
“サブスクリプション”は、商品やサービスを所有・購入するのではなく、一定期間利用できる権利に対して料金を支払い定期購読・継続購入をするビジネスモデルです。
「所有」から「利用」へ、「もの」から「こと」へと社会が大きく変化している様子、そこに“スマホ経済”の進展があることなど、新しい気づきのある話題でした。
教育・学校とは直接関係しない話題のようですが、企業と同じように「いかに○○へシフトしていくのか」を進めること、それが「個別最適な学び」への取り組みに欠かせないことなど、教育に携わるみなさんにも学んでほしいと思いました。
キャリアコンサルタントとしてのサポート、活動への学びの時間でした。ありがとうございました。
先日、知人から「広げよう!いのちの授業」プロジェクトの資料と授業事例DVD、そして新刊本『「いのちの授業」をつくる』(さくら社・刊)を送っていただきました。
本書の発刊を知っていましたが、今の生活で“授業”はなさそうなので、手にしないでいました。
萌葱色の表紙(カバー)に、白文字で題名と著者名が書かれ、そして鳥(鳩?)が線(糸?)で描かれています。裏表紙にも、線(糸?)で描かれた鳥が描かれています。
カバーを広げると、線が両端まで続いており、これは「糸」、そして鳥は「親子の鳩」なのだと見えてきました。
カバーを外した本は、白地でした。表紙と背は同じですが、裏側は真っ白でした。そこに“糸”はなく…。その“意図”は…。
表紙の糸は、目次に続き、若芽、図書、山を描き、紙飛行機になって、読者を「いのちの授業」へ誘っていきます。
本書は、出版社が「道徳科・教育読み物」とする図書で、あとがきで
・現場の教師が悩んでいるが、その解決策はある。と述べており、書店では“教育書コーナー”に並ぶのでしょう。
(略) その思いを、学校現場で活かせる、教師の生の声に答える「いのちの授業」をつくる本として綴りました。
それを残念だと思いました。
多くの人に読んでほしいというより、学校をステージとする「保護者」や「地域の方」に読んでいただきたいと思うのです。
学校の外にいるからこそ見えるものがある。教師を体験しているからこそみえるものがあります。と著者が述べるように、本書から“見えたもの”の声を届けていただきたいのです。
本書がつくる授業に、その“声”を活かして、「わたしと子供の授業」を創ることをお勧めしたいのです。
本書は「いのちの授業」を述べていますが、その”授業づくり”は、どの教科・指導にも活かせることです。
読み終え、手元に置いて、何度も読むのもよいでしょうが、先生(教員)に勧めるのは、思い切って“本をばらす”ことです。第一章で外し、そして第二章でばらし、3分冊にします。
第一章を日々読み、意識して行動していると、子供と授業への構えが変わっているのに気づくと思います。
第二章は、子供達も読むことができる場所に置いてはいかがでしょう。子供の生活に「いのち」が表れてきます。
第三章からは、授業を考えるとき、授業を振り返るときに、ゆったり読めるようにしてはいかがでしょう。
また、第三章で“「いのちのメッセージ」朗読動画を作る”との提案があります。すでに、観察や見学などの動画を作っていると思いますが、そのとき、“画(え)の対象”は、皆同じです。
「いのちのメッセージ」の“画(え)”が、子供により異なります。同じテキストであっても、書体や表示の仕方が違うなど、その子が表れます。
“それ”を素材とする授業づくりは、新しい視点、発想を得られるように思います。
内容とは別の勝手なことを書いてしまいましたが、本書があなたの“「いのちの授業」をつくる”ことに役立つのは確かです。
「いのちの授業」が、多くの先生、多くの学校に広がっていくことを願っています。
先生、保護者、地域の方に、お薦めです。
読書メモより
○ どうしても初発問が、「○○」や「○○」に関わるものとなります。この段階で、すでに授業のゴールを察する子どももいます。
○ 多くの「いのちの授業」と出会ってきて思うことは、教師が子どもとともに考えようとしている授業です。「○○なもの」といったことを教えようとすると、かえって子どもは授業から離れてしまうように思います。
○ 「わからないに手をあげました。わたしは死んだことがないからです。みんな、(略)」
○ 誰の心の中にも、仏様(強い自分)と鬼(弱い自分)が四十九対四十九います。あと二を、どんな目線を持つかで行動は決まります。
○ 良いこと楽しいことに、意識して目を向けるからです。(美点凝視)
おだやかな顔で、優しい言葉をかけるからです。(和顔愛語)
楽しいから笑顔ではなく、笑顔でいるから楽しくなるのです。
○ 指導しても改まらないかもしれません。とはいえ、指導をすることを止めてしまってはいけません。(略) 子どもは変わると信じて、教師の思いを伝え続けるべきです。
○ (略) そこから子どもは自分の心に深く入ろうとするものです。教師は子どもを信じましょう。
目次
はじめに 「いのちの授業」をする あなたへ
序章 私の思い
第一章 「いのちの授業」とは、何を、どのように学ぶのか
第二章 子どもたちに伝えたい「いのちのメッセージ」(話材集)
第三章 明日へ、「いのちの授業」つくりの実践ヒント
第四章 今、「いのちの悩み」に答える
あとがき
【参考】
◇【紹介】いのちの授業を広めたい(2022/09/25 玉置研究室)
◇ 新刊「いのちの授業をつくる」の感想が続々届く(2022/09/24 玉置研究室)
【関連】
◇いのちの授業 鈴木中人 公式サイト~いのちをバトンタッチする会
◇「いのちの授業」鈴木中人 いのちをバトンタッチする会 命の授業(@inochijugyou)(Twitter)
◇鈴木 中人(Facebook)
◇玉置崇(Facebook)
◇Nakato Suzuki(YouTube)
◇NPOinochibaton(YouTube)
2022年09月24日
『ふたごじてんしゃ物語』(中原美智子・著)

今朝、ニュースは台風による大雨に備えるように伝えていますが、当地では雨は止み風もなく青空でした。
日中は気温が上がり、夏のような暑さを感じる日でした。
みなさん、台風の被害や影響は大丈夫でしたか。
「いい話の図書館」で43冊目の図書『ふたごじてんしゃ物語』(苦楽堂・刊)を読みました。
本に恋する小林店長は,「本に恋する店主の呟き新聞」に
ふたごをもった主婦が、ふたごを安全に乗せて走れる自転車があればいいなあと思った理想を、あきらめなかった実話です。10年かけて実現化させた単なる奮闘記ではありません。自分の価値観が私以外の誰かの役にたつかもしれない、あきらめないこと、ひとりでできなくてもぶれない思いがあれば仲間ができるのだと優しい笑顔で語りかけます。とメッセージを載せています。
自転車に2人の子供を乗せた笑顔のお母さんが、前からの姿を表紙に、背後からの姿を裏表紙に描かれ、その楽しそうな姿にほっこりします。
表紙を開くと、見返しに「小児補助席を装着した参考図」が描かれています。まだ読む前で思いも経緯も知らないので、「これが、“ふたごじてんしゃ”か。ごっついなあ。」と感じました。
そして、裏表紙側の見返しには《つなげるが描く育児の未来図、「ふたごのまち」》の絵があり、さまざまな場所で集う家族や人々の語らう姿が描かれています。
出版社の図書紹介に、
「今、双子を育てているママたちに、わたしが感じたあの自由を届けたいんです。これを製品化して届けたいんです」……今までなかった自転車を考案し、会社をつくり、多胎育児支援NPOを立ち上げた、双子ママの物語。とあり、表紙にある自転車が生まれる話のようです。
長男そして双子と3人の子育てをする著者は、1歳半まで"その頃の記憶がないんです”と、体力的にも精神的にも大変だったことを述べています。この状況は、子育てを経験するすべての方が同じでしょう。
そこから“やっとお出かけ”できた喜びがあり、困難を経験します。そこからが、他の方と違っていました。
読みながら「えっ。何で。」と驚く行動が始まります。しかも“くじけない”心と身体をお持ちのようです。
読んでいくと、決して強靭な心や身体なわけではなく、他の子育てされている方と変わらないことが分かります。
でも、その行動や成果が違ったのは…。
著者は「新しいことをはじめるのは、いつもワクワクします」と述べています。このワクワクが、新しい発想や行動に…。
でも、それ以上に…。
本書を読んで、「ふたごじてんしゃ」が誕生するまで、そしてこれからの物語を、あなたも"メンバー”の一人として味わってみませんか。
そして、子育て中のみなさん、本書を読む時間をもって、日々を楽しく、ワクワクする暮らしに歩みを進めてみませんか。
読書メモより
○ でもね、ほんとうにこの世界に必要なものがあれば宇宙が応援してくれるから、入口なんてどっから入っても大丈夫! と、最近のわたしは突き進んでおります。
○ まずは無料相談へ出かけてみて、そこで自分のことを話してみる──という練習をしてみればいいのです。
○ ビジネスモデルキャンバスとは、1枚の紙の上に「そのビジネスがどのような要素の組み合わせでできているか」を描く手法です。要素は9つ。
○ みなさんと一緒につくりあげたい。「困っているママ」と「解決できる企業」がつながってほしい。それを叶えたいと思います。
○ (略)そんな感動を味わってもらい、「これなら頑張れそう!」って思ってもらえる瞬間を提供することです。
○ (アセスメントの結果)(略) 問題があることでとどまるのではなく、問題に気づくことが次の一歩を進むきっかけになります。
○ わたしにとっての「利用者本位」の意味は、目の前にいる人がどういう景色を見ているのかを聴かせてもらい、その人にとっての幸せとは何かを一緒に考える──ということです。
○ 「イクメン」=「育児をするメンバー」っていいですね。
目次
まえがき ──双子でもお出かけしやすい社会へ
第1章 試作機の日々
第2章 会社をつくるまで
第3章 ふたごじてんしゃ発売
第4章 つなげる
あとがき
『ふたごじてんしゃ物語』関連年表
索引
【関連】
◇中原美智子__ふたごてじんしゃ&NPO法人つなげる (@sora2003sora)(Twitter)
◇ふたごじてんしゃ LINEアカウント
◇ふたごじてんしゃ
◇NPO法人つなげる
◇ふたごじてんしゃの願い(YouTube)
【「いい話の図書館」】
◇最近紹介した本
◇『神さまの貨物』(ジャン=クロード グランベール・河野万里子・訳)(2022/08/06)
◇『いつか あなたを わすれても』(桜木紫乃・文/オザワミカ・絵)(2022/07/30)
◇『僕の歩き遍路』(中野周平・著)(2022/05/28)
◇『あめつちのうた』(朝倉宏景・著)(2022/05/14)
◇『夢のユニバーサルシアター』(平塚千穂子・著)(2022/05/01)
*以前に紹介した本は
☆カテゴリー「いい話の図書館」から
「いい話の図書館」とは… 本との出逢いは,人生を変えます。辛い時,悲しい時,苦しい時,一冊の本が「生きる希望」を授けてくれます。
そこで,ステキな本との出会いを提供する「いい話の図書館」を全国津々浦々に作ったら,どんなに素晴らしいだろうと考えて館主を募集しております。「いい話の図書館」の館主のお仕事は,本棚にステキな本を並べて多くの人に自由に読んでいただくこと。そのステキな本は,テレビをはじめ,マスコミでも話題の小林書店のカリスマ店主,小林由美子さんが心を込めて推薦する本です。
◇ ◆◆◆最後のお願い◆◆◆ 18年間ありがとうございました(いい話の広場)
◇小林書店さん (@cobasho.ai)(Instagram写真と動画)
◇志賀内 泰弘(Facebook)
2022年09月23日
秋分の日。 『東大教授がおしえる シン・日本史』(本郷和人・著)

明日、明後日と、まだ雨が続き、荒れた天候でしょう。気をつけて過ごしましょう。
今日は,国民の祝日の一つ「秋分の日」,二十四節気の一つ「秋分」でした。「秋分日 祖先をうやまい,なくなつた人々をしのぶ」日です。
さらに,七十二候の一つ「雷乃収声」でした。
みなさんは,どんな一日でしたか。
書架に並ぶ本に著者の名を見て、歴史の“面白い話”が楽しめそうだと、『東大教授がおしえる シン・日本史』(扶桑社・刊)を手に取り、読みました。
オモテがあればウラもある古墳時代から昭和の軍部まで40の話題について、その「オモテ」の歴史と、「ウラ」の歴史が述べられています。
「え、マジ!?」
誰かに話したくなっちゃう歴史のウラを炙り出す
学校で習った日本の歴史がひっくり返る!
これがシン・日本史です!
(はじめにより) 教科書にオモテだって書かれている歴史的な出来事のウラには、必ずその原因や結果が存在します。そして、そのウラを知ることが、歴史を学ぶおもしろさでもあります。各章の扉、そして次の見開きで、その時代の概観・解説が述べられています。
(略) 多くの人が学校などで定説として習う「オモテ」の歴史と、その出来事が生まれた背景や結果などの「ウラ」の歴史を一緒にご紹介していきます。
それに続けて、項目ごと「オモテ」の歴史と“コラム”(巻物風の枠)が見開きで、続く見開きで「ウラ」の歴史が、対比して述べられています。
例えば、第1章の「班田収授法」では、
【オモテ】 税制の導入による律令国家の形成との内容です。オモテは知っている律令国家の内容ですが、ウラの女性が増えたという話は、“国の成り立ち”に新しい見方を知りました。そして、もっと知りたくなりました。
【ウラ】 税を逃れたい人が多すぎて、戸籍上の女性が急増!
歴史の好きな方はもちろん、興味のなかった人も、歴史の新しい楽しさを知る一冊です。
あなたも、どうですか。
もくじ
はじめに
1 古墳時代・飛鳥時代・奈良時代
──中国に影響されまくった変化の時代・古代日本
2 平安時代
──貴族たちが遊びまくって文化を育んだ平安時代
3 鎌倉時代・室町時代・安土桃山時代
──勝ち残った者こそが正義! 実力主義の武士たちが時代を作る
4 江戸時代・明治時代・昭和時代
──戦がなかった江戸時代から、突然近代化した明治時代
あとがき
【関連】
◇本郷和人のweb研究室
◇本郷和人(ダイヤモンド・オンライン)
◇『東大教授がおしえる やばい日本史』(2019/01/27 集団「Emication」)
2022年09月22日
脳の健康チェック。 2-20 帰りの会(終わりの会)(例) (新しく先生となるみなさんへ)

昨夜のニュースが、NTTコミュニケーションズが、AIによる脳の健康度合を測定できるサービス「脳の健康チェックフリーダイヤル」の無償トライアルが始まったことを伝えていました。
昨日(9月21日)が世界アルツハイマーデーであることに合わせて開始されたようです。
フリーダイヤル「0120-468354」に電話すると…。
平成の頃、新任教員に「学校のこと」「教職のこと」を紹介する冊子『新しく先生となるみなさんへ』が配付されていました。
当時とは教育を取り巻く状況が変わっていますが、若い先生や教職を目指す若者に参考となる部分もあると思います。
その冊子(平成19年度)から順に紹介していきます。
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教員の一日
20 帰りの会(終わりの会)(例)

・特に,朝の会とのつながりをもって進める。
・子供の発言や意見を十分聞くとともに適切な指導をする。
・異常や問題のあった子供には,会の後で共感的な理解をもって教育相談を進める。
・反省が個人攻撃に発展しないように留意する。
(2) 明日の予定を知らせ,必要な連絡をする。
・各教科の課題や準備するものについては,確認の方法を考える。連絡ノート等を利用して,忘れ物がないように留意する。
・学校行事,教材の準備等は,期日までの時間を十分取って伝える。

(3) 下校の際の注意(交通安全・誘拐防止等)を与える。
・帰宅後の過ごし方についても適切な助言をする。
(4) 教室内や机の中の整理・整とん,戸締まり,消灯などをみんなでする。
(5) 帰りのあいさつを交わす。
(6) 火気(ストーブ・電気)等の安全確認をし,戸締り,消灯などを再点検する。
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注)これまでの記事は〈タグ「新しい先生」〉で
注2)掲載しているイラストは、学年通信(1993・1994年度)用に教員が描いたもので、冊子との関連はありません。
【関連】
◇脳の健康チェックフリーダイヤル(NTT Com)
◇世界アルツハイマーデー及び月間 (令和4(2022)年度)(厚生労働省)
タグ :新しい先生
2022年09月21日
2-19 清掃(例) (新しく先生となるみなさんへ)

用事があり、最近通ってなかった道路を走りました。
「ここに、こんなものがあったんだ。」「あれっ、前どうなってたっけ。」「新しい店があるなあ。」
普段と違う動き、行動は、新しい発見があってはいいものです。引きこもってばかりではいけませんね。
平成の頃、新任教員に「学校のこと」「教職のこと」を紹介する冊子『新しく先生となるみなさんへ』が配付されていました。
当時とは教育を取り巻く状況が変わっていますが、若い先生や教職を目指す若者に参考となる部分もあると思います。
その冊子(平成19年度)から順に紹介していきます。
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教員の一日
19 清掃(例)

身をもって示すこと,見届けること,よい点を見つけて褒めることが特に大切である。
(2) 打合せ
・全員揃って気持ちよくあいさつして始める。
・分担は,清掃区域ごとに子供の能力,道具の数,人数等を考慮して決めておき,輪番とする。
・曜日による重点目標,汚れの具合等により,ねらいをもって行わせることが望ましい。
(3) 清掃
・掃除の仕方は,実際に手を取って教えることや範を示すことが効果的である。
・分担の仕事を責任をもって取り組ませる。
・全体を見て,遅いところを手伝ったり,分担以外のことをやれたりするよう奨励する。
・分担区域の境界は,互いに協力し合うよう心掛けさせる。

(4) 後片付け
・整とんしやすいように収納の仕方を工夫する。
(道具に区域名,番号,ひもなどをつけ,収納場所を決め,一目で数の点検ができるようにする)
・ぞうきんはよくすすぎ,固くしぼって干させる。
(5) 終わりの話合い
・自分たちで反省・評価し,意識を高めさせる。
・教員は必ず見届け,指導をしたり労をねぎらったりする。
・清掃をし終えた満足感,きれいになった喜びを味わわせるようにする。
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注)これまでの記事は〈タグ「新しい先生」〉で
注2)掲載しているイラストは、学年通信(1993・1994年度)用に教員が描いたもので、冊子との関連はありません。
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