2022年05月31日
『もし幕末に広報がいたら』(鈴木正義・著/金谷俊一郎・監修)

昼までに雨は上がりましたが、蒸し暑さを感じる日でした。
間もなく“梅雨”の時期を迎えます。今年は、被害の出るような降り方をしないと良いのですが、どうなるでしょうか…。
よく聞くポッドキャストで取り上げていた『もし幕末に広報がいたら 「大政奉還」のプレスリリース書いてみた』(日経BP・刊)が面白そうで、早速読みました。
“広報”の方が著者であり、題名にも「広報」とありますので、本書が「ビジネス・経済」の図書に掲載されていますが、読んでいくと「歴史・日本史」の内容ですし、そのジャンルに置いた方が多くの方が手に取るように思いました。
現役の広報マンが、マスコミ向けの「プレスリリース」を武器に誰もが知る日本の歴史的大事件を報道発表するとこうなった!5章で42の事件・出来事を取り上げ、それぞれの“担当組織”から、事件・出来事が適切(?)・効果的(?)に進むようメディアに向けて“発表・広報”されます。その文書(プレスリリース)が掲載されています。
情報を適切に発信・拡散する広報テクニックが楽しく学べるのはもちろん、日本史の新しい側面にも光を当てた抱腹絶倒の42エピソード。監修者には東進ハイスクールのカリスマ日本史講師の金谷俊一郎氏を迎え、単なるフィクションに終わらせない歴史本としても説得力のある内容で構成。
ビジネス書として「リスクマネジメント」からの章立てになっていますが、市井の人(?)にとっては「制度改革」か「リーダーシップ」が最初にあると、本書の構成に馴染み易いように思いました。
それは年寄りだからであって、働き盛りの方々には、この構成が分かりやすいかもしれません。
本書を「もし、自分がプレスしたら…」と読んでいくと、本書とは異なる視点や内容の“プレスリリース”が思い浮かぶのではないでしょうか。
それを綴っていくと、新しい歴史が浮かんできそうです。
本書で“広報”を、そして“新しい歴史”を楽しんでみませんか。
読書メモより
○ 選んだ理由は、先の見えない不安の中でどういうマスコミ対応をすべきだったか、幕府の広報の立場を追体験してみたかったからです。
○ 歴史を書くうえで非常に難しいのは、誰の視点で書くかということです。
○ 忠臣蔵はすてきな話で私も大好きですが、これをネット上でどんどん成長していく物語のように捉えると、少し恐ろしいものを感じてしまいます。
○ もう賢明なる読者の皆さんならお察しかと思います。我が国初の「バ美肉おじさん」は紀貫之だったのです。
○ 行政の場合は、住民に対する情報提供という側面が大きいと思います。(略) 自治体の広報誌、ホームページを分かりやすく興味をもって読んでもらう工夫も、行政広報の大事なスキルと言えるでしょう。
○ 昨今社内報の大切さを痛感します。
○ プレスツアー、何だかんだと言って非常に大事な活動なのです。
○ そもそも広報という仕事は、コミュニケーションのサポートとも言えます。
CONTENTS
まえがき
1章 リスクマネジメント
2章 制度改革
3章 マーケティング
4章 広報テクニック
5章 リーダーシップ
監修者あとがき 日本の歴史はプレスリリースの歴史である
プレスリリース年表
参考資料
タグ :読書
2022年05月30日
資料編「参考資料」 (わたしたちの村つくで 改訂版)

当地も気温が高くなりましたが、気持ちのよい風が吹き、過ごしやすい日でした。
郷土読本『わたしたちの村 つくで』(2004新改訂版発行)の「資料編」からです。
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資料編「参考資料」(書名,著者名,発行所名,発行年の順)
・副読本 わたしたちの村「つくで」 初版
郷土読本編集委員会・作手村教育委員会 1974年
・副読本 わたしたちの村「つくで」 改訂版
郷土読本編集委員会・作手村教育委員会 1995年
→掲載した記事 タグ「わたしたちの村」
・郷土読本「わたしたちの新城」
郷土読本改訂委員会・新城市教育委員会 1999年
・郷土読本「ほうらい」
郷土鳳来町研究委員会・鳳来町教育委員会 1998年
・ふるさと読本ぬかた
ふるさと読本編集委員会・額田町教育委員会 2002年
・副読本「おかざき」
郷土読本「おかざき」編集委員会・岡崎市教育委員会 2000年
・作手村誌
作手村誌編纂委員会・作手村教育委員会 1982年
・続つくで百話
峯田通悛・作手高原文化協会 1979年
→掲載した記事 タグ「続つくで百話」
・新城地方の植物
愛知県 2002年
・新城地方の樹木 改訂版
愛知県・新城地方林業振興会 1998年
・作手の植物
作手の植物編集同人 1984年
・環境教育副読本 わたしたちと環境
愛知県環境部環境政策課・愛知県 2003年
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注)これまでの記事は〈タグ「新わたしたちの村」〉で
注2)郷土副読本は,小学3,4年生に向けて「ふりがな・るび」がたくさん付いていますが,掲載にあたっては省いています。
注3)多くの写真や図版が載っていますが,すべてを紹介(掲載)していません。ご了承ください。
タグ :新わたしたちの村
2022年05月28日
『僕の歩き遍路』(中野周平・著)

夏が近づいていることを感じる日でした。
「いい話の図書館」で40冊目の図書『僕の歩き遍路』(西日本出版社・刊)を読みました。
本に恋する小林店長は,「本に恋する店主の呟き新聞」に
学校を出て就職するも26歳で鬱病になり休職して四国遍路に行く。自分が変わったことを感じて30歳で改めて「通し打ち」を決意する。しかし通し打ちが成せるかどうかは結果で決まる。折れそうな心を支えたのは出会った人達だった。それは人生遍路、一人の青年の姿を借りた天上の声のようだと言ったら言い過ぎだろうか…。とメッセージを載せています。
新型コロナウイルス感染症の発生以前、“お遍路”に「空海とともに…」「日常生活から抜け出て…」「人生の転換に…」などを求め、多くの人が巡っていました。外国人観光客も多く訪れていました。
書店には、いろいろなガイドブックや書籍が並びますが、そのほとんどは“コロナ前”のものです。
感染予防をし、三密を避け、遠出を控え…という状況で、四国や遍路のようすは大きく変わったことでしょう。
本書は、その四国を、新型コロナ禍の2020年6月20日から46日間で、歩いて旅した記録です。
出版社の内容紹介には,
雨の日も猛暑の日も、ひたすら歩き、一度も帰らず進み続けた46 日間を飾らない文章とほのぼのとしたイラストでご紹介。と記されています。お遍路してみよう、行ってみようと思っても、すぐには実現・実行できないものです。
歩くほどに奥深く、読むほどに味わい深い道中を「読み遍路」として追体験できる一冊です。毎日の手描きMAPでは歩いたルートを記録。お遍路リピーターならではの視点で記す苦労や楽しみ、野宿のリアルや知っておきたい持ち物情報なども掲載していますので、これからお遍路を目指す人のガイドブックとしてもおすすめです。
著者の歩みに合わせ、四国八十八ヶ所1200㎞“通し打ち”を体験できます。
読み終えた時には、霊山寺(第1番札所)へ向かう手配をしているかもしれません。
読書メモより
○ ここ徳島はお遍路にとって玄関口で、歩き始めて半日で着くこのヘンロ小屋でもし野宿できるなら非常にありがたい。だが、このご時世で、毎晩県外からのお遍路を泊めるわけにはいかない。それは管理人のおじいちゃんの感染リスクのみならず、ご近所さんのリスクをも高めることになるからだ。
○ おばあちゃん曰く「お四国さん(お遍路さん)は胃と足が大事!」とのこと。
○ 歩き遍路は皆さんいかにして荷物を減らすかをグラム単位で工夫を凝らしていて、例えば宿で毎晩洗濯する前提で着替えを一着しか用意しない人もいると聞く。
○ さっそく選択し、コンビニでお弁当を買い、道の駅に行くと「野宿禁止」の張り紙が。/えええ?禁止?/(略) それなのに禁止になったということは、何かよっぽど大きなトラブルがあったんだろう。
○ 遍路文化は地域の暮らしにしっかり根ざしているのだ。
○(今度、お遍路に挑戦される方へ) 旅の道中では
・お遍路に来た理由は人により様々。他人の胸の内を探るようなことはしないようにする。
・住民とすれ違う際は明るい挨拶をこころがける。
・歩きながら考えたことを日記に書きとめると良い。数年後に読み返すと楽しい。
・よく歩き、よく食べ、よく寝られるmpで、すっかり健康になれます。
目次
まえがき
持ち物&装備
1日目 一番霊山寺~五番地蔵寺
2日目 六番安楽寺~十一番藤井寺
・・・
45日目 八十四番八島寺~八十五番八栗寺
46日目 八十六番志度寺~八十八番大窪寺
参考地図
エピローグ 四万十川カヌー下り
旅のふりかえり
あとがき
引用・参考文献
【関連・参考】
◇中野 (@tasu_hiku_)(Twitter)
◇四足エンジン(さすらいの絵描き人)
◇(一社)四国八十八ヶ所霊場会
【遍路・参考】


【「いい話の図書館」】
◇最近紹介した本
◇『あめつちのうた』(朝倉宏景・著)(2022/05/14)
◇『夢のユニバーサルシアター』(平塚千穂子・著)(2022/05/01)
◇『青山に在り』(篠綾子・著)(2022/03/26)
◇『母親からの小包はなぜこんなにダサいのか』(原田ひ香・著)(2022/02/23)
◇『死ぬときに後悔しない生き方』(内藤いづみ・著)(2022/01/10)
*以前に紹介した本は
☆カテゴリー「いい話の図書館」から
「いい話の図書館」とは… 本との出逢いは,人生を変えます。辛い時,悲しい時,苦しい時,一冊の本が「生きる希望」を授けてくれます。
そこで,ステキな本との出会いを提供する「いい話の図書館」を全国津々浦々に作ったら,どんなに素晴らしいだろうと考えて館主を募集しております。「いい話の図書館」の館主のお仕事は,本棚にステキな本を並べて多くの人に自由に読んでいただくこと。そのステキな本は,テレビをはじめ,マスコミでも話題の小林書店のカリスマ店主,小林由美子さんが心を込めて推薦する本です。
◇いい話の図書館【申込】
◇小林書店さん (@cobasho.ai)(Instagram写真と動画)
◇志賀内 泰弘(Facebook)
2022年05月27日
キャリア形成。 資料編「作手村のうつりかわり」 (わたしたちの村つくで 改訂版)

雨が上がってから昼前まで曇っていましたが、晴れて青空が広がりました。暖かい日になりました。
午前中、“関係性型キャリア”についての動画で研修(?)をしました。
キャリア支援でよく耳にする「3人のレンガ職人」のオリエンテーションから昨年の連続テレビ小説「おかえりモネ」を題材にして“関係性づくり”、そして“キャリア支援”を考えました。
「3人のレンガ職人」社会人のキャリア形成、そして教職員のキャリア形成について考える研修機会でした。ありがとうございました。
旅人が広場でレンガを積む職人たちに尋ねた。
「そこで何をしているの?」
A:「見ての通り、レンガを積んでいるだけだよ。」(Job)
B:「歴史に残る立派な大聖堂を造っているんだ。」(Career)
C:「みんなが集まって幸せな気持ちになれる場所を造っているんだ。」(Calling)
*仕事と幸福の関係
主観的な「観」「感」「意味」「価値」/業績のキャリアと関係性の天職
郷土読本『わたしたちの村 つくで』(2004新改訂版発行)の「資料編」からです。
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資料編「作手村のうつりかわり」
※ 作手村の移り変わり(歴史)を年表で掲載しています。
以下の表をクリックすると、それぞれ拡大して表示します。
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注)これまでの記事は〈タグ「新わたしたちの村」〉で
注2)郷土副読本は,小学3,4年生に向けて「ふりがな・るび」がたくさん付いていますが,掲載にあたっては省いています。
注3)多くの写真や図版が載っていますが,すべてを紹介(掲載)していません。ご了承ください。
2022年05月26日
7(1-2) わたしたちのゆめの実現 (わたしたちの村つくで 改訂版)

午前中は曇りかと思っていましたが、早い時間から降り始め、強く降りました。その雨のなかでも、グランドで運動をする若者たちは、雨を気にすることなく動き回っていました。
「若いって素敵。」 眩しく感じました。
昨日の“iPadのアップデートトラブル”は長時間かけても解消できませんでした。
夜、諦める前に“○○を試す”と、アップデートが完了しました。出荷時に戻す(初期化)を覚悟していましたが、ほっとしました。
快適に使えています。よかった。
郷土読本『わたしたちの村 つくで』(2004新改訂版発行)の「7 これからの作手村」からです。
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7 これからの作手村
地域開発
わたしたちのゆめの実現
わたしたちも,「こんな作手村にしたいな。」「わたしたちがおとなになったら,こんな作手村をつくっていきたい。」と,これからの村づくりへのゆめを出し合ってみることにしました。

注)これまでの記事は〈タグ「新わたしたちの村」〉で
注2)郷土副読本は,小学3,4年生に向けて「ふりがな・るび」がたくさん付いていますが,掲載にあたっては省いています。
注3)多くの写真や図版が載っていますが,すべてを紹介(掲載)していません。ご了承ください。
タグ :新わたしたちの村
2022年05月25日
アップデート。 7(1-1) みんなで考える村づくり (わたしたちの村つくで 改訂版)

屋外の活動に好天ですが、先日の明治用水頭首工(取水施設)の大規模な漏水の復旧は進んでおらず、農家のみなさんは大変困ってみえるでしょう。
作物の“命の水”が早期に届くことを強く願っています。
家で過ごす一日だったので、iPadのアップデートをすることにしました。
古い機種ですので、これまでもiTunesを使ってアップデートをしてきました。今回、朝アップデートを始めましたが、昼になっても“凍った”ような状況でした。
時間がかかり過ぎて…。
エラー覚悟で“iPadを強制再起動”し、接続し直しました。リカバリーを始めています。その後、わずかに進んだような気もしますが…。
諦めるのかな…。
郷土読本『わたしたちの村 つくで』(2004新改訂版発行)の「7 これからの作手村」からです。
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7 これからの作手村

地域開発
みんなで考える村づくり
みねこさんのお父さんが地区の会合から帰ってきました。「これからは,みんなで知恵を出し合ってゆめのある村づくりをするんだ。」と力をこめて言いました。
作手村では,「地域発,夢おこし宣言」をテーマに第5次総合計画が2001年から始まっています。100年後の村のすがたを「ゆめ」にえがきながら,この21世紀の作手村が「住みよい村」「住みたくなる村」になるように,村民みんなで知恵を出し合い,共にあせを流しながら行動しようということです。
作手村では,へっていく人口の問題や,農業や林業をさかんにすること,自然を生かした開発など,真けんに考えたり解決しなければならないことがたくさんあります。
みねこさんたちは,住みよい村づくりのための取り組みについて,役場に行って話を聞いてみることにしました。役場の人は,「これからの村づくりは集落を中心として,子どもからお年よりまで,すべての村民と役場が協力しあって村づくりを進めていきます。」と言ったあと,次のように話されました。


そういえば,みねこさんの地区でも,国道ぞいの花だんをみんなできれいにしたばかりでした。


注)これまでの記事は〈タグ「新わたしたちの村」〉で
注2)郷土副読本は,小学3,4年生に向けて「ふりがな・るび」がたくさん付いていますが,掲載にあたっては省いています。
注3)多くの写真や図版が載っていますが,すべてを紹介(掲載)していません。ご了承ください。
【関連】
20日の記事で紹介した『明治用水讀本』です。
49ページに「今村分水口」を水源としたことが記されています。79ページに、明治代の構造の比較図が載っています。
現在の頭首工は、これとは別の場所であるようです。
◇復刻版『明治用水讀本~のびゆく農村~』(水土里ネット明治用水)
タグ :新わたしたちの村
2022年05月24日
6(6-4) 田代の念仏放下 (わたしたちの村つくで 改訂版)

“夏の暑さ”を感じる一日でした。
郷土読本『わたしたちの村 つくで』(2004新改訂版発行)の「6 作手村のうつりかわり」からです。
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6 昔から伝わる行事
作手村の民俗芸能
田代の念仏放下
中学校を出たばかりの少年から40歳までの男の人が,笠をかぶり,ゆかたを着て盆踊りをします。
毎年8月14日には,初盆をむかえた家を1けん1けん回って,笛やかね,太こなどではやして踊ります。悲しげな調子が村の人たちの心を清らかにしてくれます。
16日には,徳林寺の境内で同じように踊ります。

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注)これまでの記事は〈タグ「新わたしたちの村」〉で
注2)郷土副読本は,小学3,4年生に向けて「ふりがな・るび」がたくさん付いていますが,掲載にあたっては省いています。
注3)多くの写真や図版が載っていますが,すべてを紹介(掲載)していません。ご了承ください。
タグ :新わたしたちの村
2022年05月23日
6(6-3) 長者平の獅子神楽 (わたしたちの村つくで 改訂版)

先日、僧侶が説法のなかで「“正しい”という文字は、“一”と“止”であり、一度止まって周りを見回して、状況をしっかりと確認しなさい。そうすれば正しい方向が見えてきます。」という話から、日々の暮らしを見つめていくことを言われました。
「なるほど…」
郷土読本『わたしたちの村 つくで』(2004新改訂版発行)の「6 作手村のうつりかわり」からです。
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6 昔から伝わる行事
作手村の民俗芸能
長者平の獅子神楽
長者平の神楽は,獅子と才蔵の役者が中心となって演じられる女神楽です。「祓いの舞」のほかに,歌舞伎狂言も演じたといわれ,その評判はなかなかのものでした。近くの村落の祭りや祝いごとに招かれて演じられていました。

祭りでは,おみこしの前や後ろをしめくくるように舞い,拝殿でも神様の前で舞います。
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注)これまでの記事は〈タグ「新わたしたちの村」〉で
注2)郷土副読本は,小学3,4年生に向けて「ふりがな・るび」がたくさん付いていますが,掲載にあたっては省いています。
注3)多くの写真や図版が載っていますが,すべてを紹介(掲載)していません。ご了承ください。
タグ :新わたしたちの村
2022年05月22日
モーニング情報交流会。 『LEGO レゴ』(蛯谷敏・著)

午前中、モーニング情報交流会(オンライン)があり参加しました。
「今、考えておきたい教育について、全国の皆さんで気軽に交流しましょう。」と、玉置崇氏と山田貞二氏が主催して始まった情報交流会です。
今日が初回で、5回が予定されています。
第1回は「働き方改革、どうしていますか?」をテーマに、初めに中村友希氏(岐阜県教委)から情報提供があり、ブレイクルームでの情報交換、その後に全体での情報交流でした。
教育現場で取り組んでみえる“働き方改革”について新しい学びと気づきがあり、いろいろ考えました。
学校の…、勤務時間を…、自らの授業を磨き…、教育活動を…、教員不足が……
話を聞きながら、「教職(?)としては、そうだろうけど…。“若者のキャリア形成”は別に…。」など、改革の方向(発想)を変えてみることが成果につながるのではと思うことがありました。長くなりそうなので別の機会に…。
みなさん、ありがとうございました。
以前、「レゴを送って…」と連絡があり、親になった子供のところへ届けました。幼児が、楽しく“古いレゴ”で遊んでいます。先日のカンブリア宮殿でレゴを取り上げていました。
レゴが気になり、『レゴ 競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方』(ダイヤモンド社・刊)を手に取りました。
古くても古くならないレゴ、90年近い歴史を誇るデンマーク生まれの玩具メーカーのレゴ…、その経営の秘訣(?)が述べられています。
グーグル、トヨタにも影響を与えるレゴ。2度の経営危機を脱し、現在ではGAFAをしのぐ超効率経営へと生まれ変わった。世界一のブランド力を生かし、子ども向けブロック玩具から、教育やビジネスにも利用シーンが広がっている。価格競争や技術競争に陥らず、クリエイティビティでライバルと違いを打ち出すには!
表紙を開くと、まず企業のようすレゴの製品が写真で載っています。16ページのボリュームです。
その中(18枚目)に、「木製からプラスチックのブロックになっても、アヒルはレゴを象徴する玩具の一つだ」と説明をつけ、たくさんのアヒルの写真が載っています。
袋には、形の異なる6つのブロックが入っています。これをすべて使って、アヒルを作ってください。いいですか、あなただけのオリジナルのアヒルですよ。制限時間は60秒。用意、はじめ!裏表紙や写真ページのアヒルは、こうして作られたものです。
さらに、左ページ下部に“いろんなアヒル”が載り、パラパラまんがのように見ることができます。
カンブリア宮殿でも、村上氏や小池氏が番組内でアヒルを60秒で作っていました。
このアヒルに、レゴの魅力と価値が表れています。
序章で、次のように問うています。
あなたのバリュー(価値)とは何か。世界一の玩具メーカーですが、そこには好調も危機もありました。その歴史そして危機からの脱出・再建の取り組みが綴られています。
もし「あなたが会社を去ったら、会社は何を失うか」──
どのように、競争に負けないブランド力を育んだのか
どのようにして、熱狂的なファンを育てたのか
SDGs時代、これからのサステナブル経営をいかにするか
どのようにパーパス(存在意義)経営をするのか …
あなたの仕事は平時ですか、有事ですか。その状況を正しく捉えていないと、有能なリーダーも価値ある技術も、力を発揮できないことを、レゴの歴史が語っています。
あなたの仕事、勤めを見直してみませんか。
読書メモより
○ 継続的にイノベーションを生み出す方法論や、ファンのアイデアを製品開発に取り込む「ユーザーイノベーション」のプラットフォーム戦術(略)
○ 世代を超えて愛されるレゴには昔から、「AFOL(Adult Fan of LEGO)」と呼ぶ熱烈な大人のファインの交流する場が存在した。
○ 1 自分の強みを理解すること/2 継続的に成果をアウトプットする仕組みをつくること/3 コミュニティを育み、つながりを強化すること/4 存在意識を明確に発信すること
○ 平時と有事における役割の違いを、自らの体験を基に説いたホロウィッツの言葉は、スタートアップだけでなく、すべての企業経営者に当てはまる。そして、レゴの当時の状況も間違いなく「戦時」と言えた。
○ 試行錯誤の末に生まれたのが、製品を企画・開発する段階で検討すべきプロセスを一枚の俯瞰図にすることだった。
○ この頃から、クヌッドストープは「有事のCEO」から「平時のCEO」へと、少しずつ役割を変化させていく。
○ 「ブロックの価値は、作り上げる世界観次第で、大きく引き上げられるということを改めて認識にした」
○ アヒルの組み立てによって養われる創造的思考力は、大きく6つある。(略)/空間認識(Spatial Ability)/象徴的表象(Symbolic Representation)/実行機能(Executive Function)/集中力(Concentration)/自己制御(Self Regulation)/協調能力(Collaboration)
○ 「ライフロング・キンダーガーデンの基本的なメソッドでは、“4つのP”が大切だと思っています。Project(プロジェクト)、Peer(ピア)、Play(プレイ)、Passion(パッション)です」
○ 「レゴシリアスプレイ」は、脳の奥深くある知識、いわばヒューマン・インテリジェンスを掘り起こす手段だという。多くの課題の答えは、自分自身の中に既に存在している。(略)
○ 「どの場所で働くかというオーナーシップを社員に委ねると、働き方自体も能動的になる」
目次
序章 レゴブロック その知られざる影響力
第1章 GAFAをしのぐ効率経営 ── 価値を生み続ける4つの条件
第2章 誰も、レゴで遊ばない ── イノベーションのジレンマに沈む
第3章 「レゴスター・ウォーズ」の功罪 ── 脱ブロックで失った競争力
第4章 革新は制約から生まれる ── 崖っぷちからの再建
第5章 ヒットのタネはファンが知っている ── 日本人起業家と創った「レゴアイデア」
第6章 AI時代のスキルを育む ── 遊びを通じて学ぶ創造的思考
第7章 企業の戦略策定にもレゴ ── 経営危機が生んだ「レゴシリアスプレイ」
第8章 会社の存在意義を問い続ける ── サステナビリティ経営の要諦
第9章 危機、再び ── 終わらない試行錯誤
解説 価値を生み続ける会社の条件 佐宗邦威(BIOTOPE代表)
付録 潜入! レゴ工場 ── 超効率経営の心臓部
あとがき
レゴ年表
参考文献
【関連】
◇カンブリア宮殿「レゴジャパン 社長 長谷川 敦氏」(テレビ東京 2022年4月14日放送)
◇レゴ ジャパン公式(@LEGO_Group_JP)(Twitter)
◇Official LEGO® Shop US
◇レゴ®ショップ公式オンラインストアJP
◇【公式】レゴランド・ジャパン・リゾート
2022年05月21日
『考える力を高める キャリアデザイン入門』(藤村博之・編)

先日のラジオで"gut feeling"(ガット・フィーリング/ガッフィーリン)という言葉(表現)を知りました。
【意味】 直感、虫の知らせ、第六感会話で使うことはなさそうですが、頭ではなく腹の底から湧き上がってくる身体的な感覚が「直感」というのは、よく分かる単語でした。
【説明】 gut は腸や内臓のことで、理論的に考えるのではなく、体内から感じる本能的な感覚(直感)のこと。
キャリアデザインの本を見ていくと、『考える力を高める キャリアデザイン入門』(有斐閣・刊)がありました。
表紙に「考える力を高める」「なぜ大学で学ぶのか」の副題に惹かれ手にしました。
本を開くと、目次が細かい…
読み始めると、文字が小さい……
「あれっ…」
あとがきの「本書のもとになったのは、2018年度に法政大学で行われた「キャリアデザイン入門」という講義です」を読んで分かりました。出版社の内容紹介にも、
大学1年生向けに,働くことの社会的意味や大学の学びとのかかわりを説きながら,キャリアとキャリアデザインを解説。キャリア教育と専門教育を結びつけ,専門課程に意欲的に取り組むことも含めて,大学4年間を有意義に過ごすためのヒントが得られるテキスト。と、これから大学で学ぶ学生に向けた図書であることが書かれています。
本書は、4部14章で構成されており、1章が授業1時間の内容となっています。
順に読んで“理解”していくのがよいでしょうが、意欲をもった学生でないと難しそうです。
まず、目次から“気になる章”から読むことをお勧めします。授業でのリードから主題、そしてまとめで、テーマについて説明がされています。章末に「こんなことも考えてみよう!」の項があり、テーマから広げていくような質問が書かれています。授業なら「課題」にあたるのでしょう。
大学生が「キャリアデザイン」を学ぶテキスト(教科書)として、社会人が「自分のキャリア」を考えるワーク・学び直しとして、本書をいかがですか。
社会人のみなさん、気分が“若返る”かも…。
「こんなことも考えてみよう!」より
○ 高村幸太郎「道程」は、とても長い詩です。その全文を読んで、キャリアとどのようなかかわりがあるかを考えてみよう。
○ コンビニで売られている「明太子おにぎり」があなたの手元に届くまでに、どれくらいの人がかかわっているかを調べてみよう。
○ アルバイトと契約社員について、法律上どのような違いがあるかを調べてみよう(略)
○ 正社員と派遣社員の仕事や待遇の違いを比べてみよう。
○ あなたが考える「日本人としてのアイデンティティー」と具体的に表現してみよう。
○ あなたが知っている仕事のうち、10年後AIに取って代わられそうなのはどんな仕事でしょうか。(略)
○ 100年以上の社歴を持つ老舗企業を1社取り上げ、どうしてその企業が生き残ってこられたのかを考えてみよう。
○ See-Think-Plan-Do の手法を使って、現在あなたが抱えている問題の解決策を考えてみよう。
○ 新型コロナウイルス感染症の広がりによって、国際的な物流にどのような変化が起こっているかを調べてみよう。
○ あなたの座右の銘を決め、友人になぜそれを座右の銘にしたのかを話してみよう。
目次
第1部 キャリアとカリキュラム
第1章 キャリアとは何か
第2章 大学で学ぶ意味
第2部 社会に生きる
第3章 社会を見る目を養う──新聞を読み比べる
第4章 労働の連鎖を追ってみる
第5章 アルバイトは就業経験になるのか
第3部 キャリアを育む
第6章 働くことの意義──身近な人に聞いてみる
第7章 やりがいはどこで生まれるのか
第8章 ライフキャリアと職業キャリア──女性の視点から
第9章 ライフキャリアと職業キャリア──男性の視点から
第4部 変化に挑む
第10章 グローバル人材とは
第11章 仕事の未来を考える
第12章 変化対応力を鍛える
第13章 世界の中の日本
終章 考える力を高める
あとがき
索引
Column一覧
1 他学部の講義も聴いてみよう
2 B to B 企業は面白い!
3 「報・連・相」って何?
4 「ノマドワーカー」がこれからの働き方に…
5 留学のすすめ