2022年01月10日
成人の日。 『死ぬときに後悔しない生き方』(内藤いづみ・著)

ニュースが新型コロナウイルス感染拡大を伝えていますが,連休最終日の人出はどうだったのでしょう。高速移動路は混んでいました。
今日は,国民の祝日の一つ「成人の日」です。「おとなになったことを自覚し,みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」ことを趣旨としています。
今年の新成人は前年比4万人減の120万人,男性は61万人,女性は59万人です。総人口に占める新成人の割合は人口は0.96%と,12年連続で1%を下回りました。
◇統計トピックスNo.130/「寅(とら)年生まれ」と「新成人」の人口-令和4年 新年にちなんで-(統計局ホームページ)
◇2022年 「新成人の恋愛・結婚に関する意識調査」(O-net)
◇2022年 新成人のカーライフ意識調査」(ソニー損保)
◇2022年新成人に関する調査(マクロミル)
みなさん,どのような“成人の日”でしたか。
「いい話の図書館」で35冊目の図書『4000人のいのちによりそった“看取りの医者”が教える 死ぬときに後悔しない生き方』(総合法令出版・刊)です。
本に恋する小林店長は,「本に恋する店主の呟き新聞」に
在宅ホスピス医が書いた本を1年ぐらい前に,他の出版社の編集者に紹介された。正直,よくある本かも,と思いながらすぐに読みはじめたのは,その編集者が好きだったからだ。誰に薦められたかはとても大切だと思った。読んだあと,誤解を恐れずに言うと「死ぬことがこわくない」温かい気持ちになった。すぐに出版社に在庫をきいた。在庫はなく,重版も予定もないと言う。あきらめられなくて,何度か問い合わせた。11月後半,問い合わせると,「12月2日重版決まりました」 そんな1冊です。とメッセージを載せています。
後悔のない人生はないかも知れません。でも逝くときは泣いて惜しまれ,本人は笑って旅立つ──そのためにどう生きるのか,考えたいと思いました。
最初の項で,大学生にした授業の課題「自分が亡くなるときのことを想像して,絵を描いてください」があり,ここで止まってしまいました。
枠に囲まれたなかに棒人間のイラストが描かれています。
自分だったら…。
考えたことがなかったし,思い浮かびません。
4つの例を見ながら…。
やっぱり浮かびません。さて…。
出版社の紹介文には,
人生の残り時間は意外と短い。
死ぬときに後悔しないために、私たちは何を考え、どう生きればいいのか。在宅ホスピス医として、死に逝く人たちのいのちに寄り添い続ける著者が、患者との21のエピソードを通してメッセージを伝えます。
本書の主人公たちはみんなこの世を去った人たち。しかし、そこに書かれているのは、「死に方」ではなく、「生き方」です。
本書の21のエピソードを読みながら,身近な人の人生の終末期,そして自身の終末を考えました。
読んでいくうちに,自身の“人生哲学”を問われている気がしました。
あなたは,どのような“人生の終末”を描いていますか。
そして,どのように“生きて”いきますか。
これからを考えるすべてのみなさんにお薦めの一冊です。
読書メモより
○ この場ですぐに処置することも躊躇われました。強い苦痛が続いている人に,急な緩和措置は危険です。痛みが急に取れることで緊張が抜けて寝込んだり,最悪の場合はそのまま亡くなってしまうことも考えられます。
○ (絵本『ダギーへの手紙』より) 人はまるで,種のようにうまれてくる。たとえば,たんぽぽの種のように 野原に とばされて どぶに おちてしまうもの。きれいな 家のしばふに おちるもの。花だんの上に おちるもの…。
(略)
もう 痛いこともなく こわがることもなく なやむこpともない。
○ 彼女は泣いて泣いて暮らし,2カ月経った頃,そろそろかなと思って聞きました。
「どうですか?」
「夫に申し訳ないわ,泣かない日が出てきた」
そしてまたひと月後。
「先生,おかしいんです。泣く日のほうが少なくなった」
1年経ったら笑顔で言いました。
「先生,近所の野原で深呼吸ができました。久しぶりに,穏やかな気持ちになれたんです」
○ 自然に口から出た言葉には,彼の矜持が見えました。
○ 御幣があるかもしれませんが,亡くなる直前の人でもそうしていきていくことができるのだから,元気な私たちも一日一日をしっかりと生きていかなければいけない。
目次
「死に逝く自分」が想像できますか?
「死に方」ではなく「生き方」を考える
第1章 人が最期に望むこと
第2章 人は生きてきたように死んでいく
第3章 やり残しのない人生を
第4章 大切な人が旅立つとき
第5章 最期まで「いま」を生きている
あとがき みんな祝福されて生まれてきた
【関連】
◇内藤いづみ(Facebook)
◇内藤いづみ(在宅ホスピス医)(情熱大陸)
【「いい話の図書館」】
◇最近紹介した本
◇『本が紡いだ五つの奇跡』(森沢明夫・著)(2021/12/23)
◇『川があふれた! まちが沈んだ日』(古山拓・絵/チームキジ馬くん・編)(2020/11/01)
◇『興福寺の365日』(辻明俊・著)(2021/10/01)
◇『花は咲けども噺せども』(立川談慶・著)(2021/08/21)
◇『ベランダに手をふって』(葉山エミ・作/植田たてり・絵)(2021/08/04)
*以前に紹介した本は
☆カテゴリー「いい話の図書館」から
「いい話の図書館」とは… 本との出逢いは,人生を変えます。辛い時,悲しい時,苦しい時,一冊の本が「生きる希望」を授けてくれます。
そこで,ステキな本との出会いを提供する「いい話の図書館」を全国津々浦々に作ったら,どんなに素晴らしいだろうと考えて館主を募集しております。「いい話の図書館」の館主のお仕事は,本棚にステキな本を並べて多くの人に自由に読んでいただくこと。そのステキな本は,テレビをはじめ,マスコミでも話題の小林書店のカリスマ店主,小林由美子さんが心を込めて推薦する本です。
◇いい話の図書館【申込】
◇小林書店さん (@cobasho.ai)(Instagram写真と動画)
◇志賀内 泰弘(Facebook)
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