2024年10月26日

『難問の多い料理店』(結城真一郎・著)

カッパ1026。 秋の土曜日、久しぶりに乗った電車で、親子連れを多く見ました。
 イベントのチラシを見て話してる親子、風船を手に居眠りしてる子…
 ほっこりする姿がたくさんありました。



 明日、第50回衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査の投票・開票日です。
 そのような結果になるでしょう。

 18歳以上のみなさん、もし棄権する(投票に行かない)なら、それは、開票後に分かる“第1党を信任する”との意思表示です。
 あなたは、投票に行きますか(しましたか)。



 昨年、本屋大賞2023ノミネート作品『#真相をお話しします』を楽しく読みました。同じ著者の『難問の多い料理店』(集英社・刊)です。
 『#真相をお話しします』で大ブレイクした結城真一郎が仕掛ける、笑いあり・驚きあり・そして怖さあり……な、新時代ミステリ、ここに爆誕!!
 ――どなたもどうかお読みください。決してご遠慮はありません。
 こんなミステリを、私たちはずっと待っていた!!

 ビーバーイーツ配達員として日銭を稼ぐ大学生の僕は、注文を受けて向かった怪しげなレストランで、オーナーシェフと出会う。
 彼は虚空のような暗い瞳で、「お願いがあるんだけど。報酬は1万円」と、噓みたいな儲け話を提案し、あろうことか僕はそれに乗ってしまった。
 そうして多額の報酬を貰っているうちに、僕はあることに気づく。
 どうやらこの店は「ある手法」で探偵業も担っているらしいと。
 不自然な焼死体が出たアパート火災、空室に届き続ける置き配、 謎の言葉を残して捕まった空き巣犯、なぜか指が二本欠損した状態の轢死体……。
 オーナーは、配達員に情報を運ばせることで、どんな難問も華麗に解いてしまう。
 そして、配達員にこう伝えるのだ。
 ――「もし口外したら、命はない」
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難問の多い料理店 [ 結城 真一郎 ]
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 読みやすく、面白いミステリー短編6話でした。
 本書を
・ 時事ネタが多いので多分数年後に読んだら古さを感じてしまうんでしょうが、今読めて本当に良かった。
・ 時事ネタも多いので5年後にはおもしろさが伝わらなくなってしまうと思います。
と感想を言う方がありましたが、面白さのポイントの一つかもしれません。
 そういう点で、「”読みたいミステリー」だと思いました。

 物語の主人公は、ゴーストレストランの“シェフ”、それとも、各話に登場するビーバーイーツの“配達員”なのか…。
 登場人物や事件は、“5話+1話”の構成で、第1話から第5話は、それぞれ完結していて、どこから読んでも楽しめます。
 でも、第6話は、そこまでの“ナゾ”に、配達員がグループになって挑んでいます。彼らに、シェフが、その“#真実”を見せています。

 各話は、ほぼ同じ構成になっています。
 まずリードがあり、そこで「事件」の起こったことが知らされます。

 そして「 1 」で、ビーバーイーツの配達員が、
 向かって右手に男の後ろ姿、左手奥の壁際に縦型の巨大な業務用冷凍・冷蔵庫、正面には四口コンロ・巨大な鉄板・二槽シンク・コールドテーブルなどが並ぶ広大な調理スペース、天井には(略)
という“(レストラン)”で、シェフに事件のことを伝えています。
 この項の最後に「瞬間、ぴろりん、と調理スペースに置かれたタブレット端末が鳴る」場面があり、
 「さて、またどこかの誰かさんがお困りのようだ」
と、ここで話している事件とは違う、新たな依頼(注文)が届いています。
 不思議な“”は、繁盛店のようです。

 続く「 2 」は、配達員が“自分のこと”を語っています。
 そして、ビーバーイーツの配達員として“”との出会い、報酬に惹かれていくようすが描かれます。

 そして、「 3 」は、
「まずは、前提条件のおさらいから」
と、シェフは配達員と、事件(依頼)についておさらいを始めます。
 おさらいを終えると、思いもしなかった追加の「宿題」(調査)が配達員に出されます。

 「 4 」で、配達員が宿題をこなし、それに合わせるように、自分のことを語っています。

 「 5」は、宿題を済ませ、シェフに伝えると、「──お疲れ、これで全部揃ったね」と
「てなわけで、商品ラインナップにも追加しておかないと」
と、合言葉を冠したメニューが追加されます。
 項は「それじゃあ、試食会を始めようか」で終わります。

 最後の「 6 」。追加されたメニューがすぐにオーダーされたが、それを別の配達員が届けています。
 そして、試食会のようす(内容)が語られていきます。
 最後は…。

○ 「とはいえ、それがすべて真実だと確定したわけではない」
○ 「ただ、客の要望には応えた。これで決着だ」
○ 「うちは、ただのレストランなんだ。であれば、すべきことは一つ」
  客の空きっ腹を満たしてやる。
 「ただ、それだけだ」
○ 大切なのは、縋りつくに足る“解釈”を目の前にぶら下げてもらうこと。
 あなたは、シェフや配達員の見つけたパーツから、どのような“真実”を見つけ出せるでしょう。
 いや、それは真実ではなく、あなたの“解釈”かも…。


  目次 CONTENTS

転んでもただでは起きない ふわ玉豆苗スープ事件
おしどり夫婦の ガリバタチキンスープ事件
ままならぬ世の オニオントマトスープ事件
異常値レベルの 具だくさんユッケジャンスープ事件
悪霊退散 手羽元サムゲタン風スープ事件
知らぬが仏の ワンタンコチュジャンスープ事件
 注)第1話、「本格王2023」に選出・掲載
 第5話、「本格王2024」に選出・掲載


【関連】
  ◇結城真一郎 (@ShinichiroYuki)( X )
  ◇『#真相をお話しします』(結城真一郎・著)(2023/05/13 集団「Emication」)



【関連;衆議院選挙
 ◇衆議院選挙2024 NHK衆院選ニュース 特設サイトNHK
 ◇第50回衆議院議員総選挙(衆院選2024)選挙ドットコム
 ◇第50回衆議院議員総選挙 衆院選2024総務省
 ◇衆議院選挙2024 候補者・開票速報・結果・最新ニュース日本経済新聞
 ◇衆議院選挙【読売新聞 最新ニュース】(10/27投開票)衆院選2024読売新聞
 ◇【2024年 衆院選】トップページ 衆議院議員選挙(総選挙)特設サイト朝日新聞デジタル
 ◇衆議院選挙2024Yahoo!ニュース

※ 次の画像は、NHK衆院選ニュース 特設サイトにリンクしています。
衆議院議員選挙1021。


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Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)読書
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