2021年10月16日

研究会。 『こども六法の使い方』(山崎聡一郎・著)

研究会1016。 朝から晴れて,予報とは違った良い天気の一日でした。


 午後,「未来を拓く学校づくり研究会」のスタートアップがあり,友人の呼びかけで参加しました。
 これから活動を始めるにあたって,北海道から沖縄県までの二十数名がオンラインで集まりました。

 発起人から「思い」が語られ,「活動例」が示されました。
 良いことなら,何でもあり
 新型コロナウイルス感染症は社会にとってピンチであり負担や影響も大きいですが,未来に向け“変わるチャンス”でもあります。学校も同じですし,新学習指導要領が完全実施され時機を得ています。

 今日は,それぞれの活動・状況と教育課題を述べていきました。多彩な意見に,「素敵だ…」「なるほど…」「それなら…」と感心することばかりで,時間の過ぎるのを忘れました。ありがとうございました
 今後の活動が楽しみです。よろしくお願いします



 表紙に親子のウサギが描かれた『こども六法の使い方』(弘文堂・刊)を手にしました。
 以前に『こども六法』が話題となり,子供向けの法律や経済の本をよく見かけるようになりました。その後,『こども六法』の関連本も出版されています。

 本書は,表紙の雰囲気も似ており,“使い方”とあるので,子供向けのマニュアルあるいは仕様書かと思いながら,読み始めると…。

 最初が「『こども六法』の間違った使い方──まえがきに代えて──」で,“大人に向けて執筆しました”と述べられていました。予想とは違いましたが,読み進めました。
 なぜ,子供向けの続編ではなく,大人向けの解説書を書こうと思ったかというと,『こども六法』を手に取っていただいた大人の読者から,気がかりなご意見がたくさん寄せられたからです。
 この“気がかり”に応える解説の内容になっています。

 子供の“いじめ”を切り口に,大人が法教育や道徳にかかわっていくのか10章で述べています。章の終わりに「コラム 『こども六法』わたしの使い方」があり,真下真理子氏,池上彰氏,尾木直樹氏などの原稿が載っています。

 著者が,「おわりに」を
 この本の読後感は,少しモヤっとしているかもしれません。
と書き出していますが,読み終える前にモヤっとしました。予想と違ったこともあるでしょうが,“バイアス”のある論述が気になったのかもしれません。
(略)得られたデータは,それはそれで私とは真逆のバイアスのかかった,模範的なものばかりでした。
(略)この経験のおかげで,自分の偏ったバイアスに気づくことができました。(略)現在のスタンスを確立することができたのです。

 子供と一緒に,本書や『こども六法』で話し合ってはいかがでしょう。
 次の二つの質問をお子さんに投げかけて,話し合ってみていただきたいと思います。
 1 法律は何のためにあるのだろう?
 2 法律に反していなければ何をやってもいいのだろうか?
 お子さんは,どのように考えているでしょう。
 あなたは,どう考えますか。そして,お子さんの考えを受け止められますか。


   目次

『こども六法』の間違った使い方──まえがきに代えて──
第1章 いじめ問題に法教育が「使える」理由
第2章 なぜ道徳だけでは不十分なのか
第3章 なぜこしあん派は粒あん派を尊重すべきなのか
第4章 義務を果たさない者に権利はないのか
第5章 法律は自由の敵なのか
第6章 なぜ子どもは校則を守らないのか
第7章 『こども六法』はいじめ問題に何ができるのか
第8章 なぜ人のせいにする大人に育つのか
第9章 被害経験者だからこそ気をつけたいこと
第10章 誰もが夢を叫べる世の中に
おわりに
謝辞
参考文献

【関連】
  ◇山崎聡一郎(やまそー)@「こども六法」の人 (@S_Yamasaki1026)(Twitter)
  ◇『こども六法』(山崎聡一郎・著)(2019/11/17 集団「Emication」)
  ◇『こども六法ネクスト おとなを動かす 悩み相談クエスト』(山崎聡一郎・監修)(2021/05/30 集団「Emication」)



同じカテゴリー(読書)の記事画像
師走。 『これ1冊でわかる! 蔦屋重三郎と江戸文化』(伊藤賀一・著)
『あれもカガク、これもカガク:サクッと錯体』(中沢浩・西原康師・長谷川靖哉・著)
『しばらくあかちゃんになりますので』(ヨシタケシンスケ・著・絵)
勤労感謝の日。 『あいにくあんたのためじゃない』(柚木麻子・著)
『僕たちの保存』(長嶋有・著)
『バタン島漂流記』(西條奈加・著)
同じカテゴリー(読書)の記事
 師走。 『これ1冊でわかる! 蔦屋重三郎と江戸文化』(伊藤賀一・著) (2024-12-01 17:20)
 『あれもカガク、これもカガク:サクッと錯体』(中沢浩・西原康師・長谷川靖哉・著) (2024-11-30 17:00)
 『しばらくあかちゃんになりますので』(ヨシタケシンスケ・著・絵) (2024-11-24 17:00)
 勤労感謝の日。 『あいにくあんたのためじゃない』(柚木麻子・著) (2024-11-23 17:00)
 『僕たちの保存』(長嶋有・著) (2024-11-17 17:00)
 『バタン島漂流記』(西條奈加・著) (2024-11-16 17:00)

Posted by ガク爺 at 17:17│Comments(0)読書研究会
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。