2024年05月06日

『姥玉みっつ』(西條奈加・著)

無人販売0506。 10連休となった大型連休・GWが終わり、通常リズムの生活になります。
 有意義な過ごし方ができましたか。

 ニュースが“オーバーツーリズム”(観光公害?)など混雑や混乱(?)の状況を伝えていましたが、新型コロナ禍の落ち込みを取り返す“勢い”が見られたようです。
 そうしたなか、不思議(ノー天気)な方々がいたようです。
客:「今日泊まれますか?」
H:「満室です。」
客:「全部ですか?」
H:「全室空いていない事を満室と言います。」
客:「近くのホテルどこか紹介してくれません?」
H:「他のホテルの事はわかりかねます。」
客:「1つも空いてないですか?」
H:「…………はい。」
 少し考え、少し調べれば、ホテルを訪ねることはなかったと思います。
 こうした方々がSNSに上げる情報は…。



 “”の文字が気になって手にとった『姥玉みっつ』(潮出版社・刊)です。
 は、表紙にいる3人で、それが「みっつ」でしょうか。
 では「」は、本を手にしている女の子なのか…。
 江戸を舞台に、個性豊かな三人の婆たちの日常と その周りで起こる悲喜劇をコミカルに描く 「女性の老後」をテーマにした長編小説。
 名手宅の祐筆(文書や記録を取り扱う職)を得て静かな余生を過ごしたいお麓(ろく)は、おはぎ長屋という長屋に住んでいた。
 これで老後の安泰は約束されたと思い込んでいたが、その平穏な暮らしはわずか一年で終わりを迎えた。
 お菅(すげ)が越してくると、さらに半年後にはお修(しゅう)がやってきたのだ。
 二人の幼馴染はお麓の長屋を毎日欠かさず訪ねてきては、心底どうでもいい話をしゃべり散らす。
 お麓はこの先、二人とうまくやっていけるのか。
 安穏に暮らすはずの余生はどうなってしまうのか。
 さらには、いろいろな事件に巻き込まれていき……。
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姥玉みっつ [ 西條 奈加 ]
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 帯にある「何が悲しくて婆三人つるまなければならぬのか…。」は、名主の書役として暮らすお麓の言葉(思い)です。それは、能天気なお菅と派手好きなお修が転がり込んできたからです。
 幼なじみという3人ですが、時は過ぎすでにみな“婆さん”です。余生をのんびり暮らそうと思っていたお麓にとっては、姦しく鬱陶しいものになってしまいました。
 お麓、お菅、お修の三人は、麻布にとってはいわば出戻りである。
 手習いを終えると、それぞれの事情で町を出て、何十年ぶりかでまた戻ってきた。
 子供の頃はあれほど仲良しで、どこへ行くにも一緒だった。しかし五十年分の手垢がついたいまとなっては、まるで異人を相手にするように話すらろくに通じない。
 同じ長屋で暮らすこととなった三婆、描かれる三者三様の姿と思いが、愉快です。

 そして、ある日、お菅が行き倒れの母子を見つけ、それを長屋に連れてきます。
 母親は怪我をしており、娘は声を出すことができません。母の怪我は悪化し、亡くなってしまいます。
 その娘を「お萩」と名付け、3人の婆さんが面倒をみることに…。


 三婆のこれまで…、お萩の素性のこと…
 悪を成敗することとなる三婆…
 江戸の人情物語…、楽しく面白く読みました。お薦めの一冊です。



【関連】
  ◇山本 祥子(@sachicorn1201)(Instagram写真と動画)
  ◇『隠居おてだま』(西條奈加・著)(2023/08/27 集団「Emication」)
  ◇『心淋し川』(西條奈加・著)(2021/03/11 集団「Emication」)



【おまけ その1】
 連休中、被災地の現状やボランティアのようすが伝えられていました。
 「営業を再開し…」とか「多くの観光客が…」と、元気を取り戻しているようすが多く聞かれました。
復旧工事0506。 また、徐々にインフラが回復し、「水道復旧率は91%…。残りも今月末には復旧する見込み…」と報道されています。
 でも…。

 公表される復旧率は、水道の場合、公費負担の“止水栓まで”のことで、住宅敷地の給水管は含んでおらず、「家の蛇口から水が出て、使える」家庭の割合は、少ないようです。
 水道業者のみなさんが、休みなしで工事をされていますが、すべてを終えるのは、かなり先となります。


 「もしも、今、発災したら…。」、「被災した後は…。
 防災を考える連休でもありました。


【おまけ その2】
 この連休中に、次世代型AIアシスタント「Claude(クロード)」を知りました。
 特徴として「人間らしい自然な文章を生成できる」「読み込める文章量が多い」「コード生成能力が高い」をあげており、いろいろ試してみました。
 ChatGPTをはじめ、さまざまな生成AIが公開されており、無料でも満足いく結果(回答)をしてくれます。特徴を知り、使い分けていくと、業務や創作が捗ります。

 今日の図書の記事を、生成AIの「Claude」と「ChatGPT」に、『次の図書紹介の要約を200字程度で作成してください。』と簡単なプロンプトで指示しました。
Claude
 はい、200字程度で要約しましたので確認してください。

 江戸を舞台に、三人の個性的な婆さん、お麓、お菅、お修の日常と周りで起こる出来事を描いた長編小説。お麓は静かな余生を過ごしたいと思っていたが、幼馴染のお菅とお修が次々に長屋にやってきて穏やかな生活は一変する。三人は江戸の麻布で育った幼なじみだが、50年の時を経て疎遠になっていた。ある日、お菅が行き倒れの母子を拾い、母は亡くなるが娘のお萩を三人で世話することに。三婆の個性的な性格と行動、お萩の素性、悪を成敗する三婆の活躍など、江戸の人情物語が面白く描かれている。

ChatGPT
 『姥玉みっつ』は、江戸を舞台にした女性の老後をテーマにした小説です。お麓は静かな余生を過ごしたいと思っていましたが、幼馴染のお菅とお修が転がり込み、平穏な暮らしは変わり始めます。三人の婆さんたちの個性豊かな姿と、行き倒れの母子を介護するエピソードが描かれ、人情溢れる物語です。
 どちらが好みですか?


タグ :読書防災AI

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Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)日記読書
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