2019年04月13日

『つくで百話』の紹介を始めます

つくで百話0413。 晴れて暖かくなりました。しかし,室内にいると“ちょっと寒い”日でした。



 作手地区の“昔のこと”,“古くからの文化”をまとめた図書があります。
 作手高原文化協会が,1972(昭和47)年に発行し,その後,続・最終篇と発行され,3冊あります。
つくで百話』 1972(昭和47)年1月1日 発行
続 つくで百話』 1972(昭和47)年11月3日 発行
つくで百話 最終篇』 1975(昭和50)年7月10日 発行

 ※増刷された際に,一部修正・追加されたものが別にあり「4冊発行」かも。

 この『つくで百話』から,紹介していきます。

 巻頭から。
    よろこび

 私の友人で文化人である峯田君が,私達の村に古くから伝って居る古事,伝記,珍らしい事象,風物などを集めて「つくで百話」を誕生させた業績は,誠に素晴らしいことで心ある者にとって大きなよろこびである。
 先月,桑原知事さんの喜寿を祝う会が催されたが,其の時私は偶然にもその会場で先年ノーベル賞受賞で世界的に名を謳はれた川端康成氏と接する機会を得た。
 川端氏は,これまで写真などで想像していたよりも幾分小柄な老紳士であったが,卒直な会話の中からも格調の高い好感を受けた。
 川端氏と私とは生れ年が一つ違う故の感覚からか,「雪国」や「十六才の日記」などは特に面白く読ませていただいた。稲荷さまの巫女だとか,憑きものだとか,やはり遠いふるさとの土を踏んだような心地がする。
 どこの国,どこの地方にも古くから伝った言い伝へや,古事風物が残されており,屡々豊かな人間性の開発が,又高い文化の創造が,こうした素朴な神話や伝説の世界の中から,はぐくまれている姿を見聞することがあり其の土地に長く伝はる古事,伝説は大切に伝承すべきであることを思ふ一人である。
 我国の古事記と風土記は,千二百年以上も前に出された貴重な文献であるが,この度,峯田君が年来の蘊蓄を傾け,精進に精進を重ね,茲に村の風土記とも云うべき「つくで百話」をものにされた快挙に対し,私は限りない喜と,力強い拍手をおくるものである。
  昭和四十六年十二月
    作手村社会教育委員長  鈴木太富
 発行から50年近く過ぎ,時代は大きく変わりました。“村の風土記”に描かれた古事,伝記,風物などを,今に映し,そして未来(あす)に繋いでいきたいものです。
表紙0413。



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Posted by ガク爺 at 17:30│Comments(0)作手
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