2024年05月04日

みどりの日。 『メメンとモリ』(ヨシタケシンスケ・著)

実0504。 今日は、国民の祝日の一つ「みどりの日」です。「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」とする日です。
 野山には、新緑が輝いています。この美しさを愛でる日(時期)です。
 ゴールデンウイーク、いかがお過ごしですか。


 SNSに『老害の人』(NHK)が放送される記事ありました。明日5日が初回です。
 原作は、以前に読んだ『老害の人』(内館牧子・著)です。“ピンクの「若鮎サロン staff」”が、どんな活躍(?)をするのでしょう。
 初回を観てみようかと思っています。



 『おしごとそうだんセンター』を読んだ後、この絵本を知りました。
 会員になっている電子図書館で借りられることがわかり、早速『メメンとモリ』(KADOKAWA・刊)を読みました。
 面白かった。
 そして、「生きること」を考えました。
 姉のメメンは冷静で、弟のモリは情熱家。
 身も蓋もない言葉の中だけに、希望を見出せるときもある。
 ヨシタケシンスケが描く「人は何のために生きてるの?」の3つのお話。
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 お話は、姉のメメンと弟のモリの会話で進みます。
 この絵本のモチーフになっているのは、ラテン語で「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」「人に訪れる死を忘ることなかれ」を意味する「メメント・モリ(memento mor)」だそうです。
 インタビューで、題名や本書について語るなかで、次のような言葉がありました。
 「メメントモリ」と言う言葉はもともと知っていたんですけど、一昨年のある時、「『と』をひらがなにしたら2人組みたいだな」って思い付いちゃって。「メメン」と「モリ」。そんなタイトルの本は一体どういう話だろうなって思ったんですよね。
(略) (この本は)「死に方の本」ではなく「生き方の本」です。「生き方」と「死に方」って同じことなので。それを「メメンとモリ」というダジャレに乗っけてできないかな、と。
(略) この本の中では、もともとの「メメントモリ」の言葉の説明が一切出てこないんですよ。これ、敢えてそうしているんです。今、絵本の流れでこの本を手にした子どもが、15年後ぐらいに、「メメントモリ」の言葉に出合い、「こっちが元ネタだった! あの本、ダジャレだったんだ」っていう(笑)。15年越しのイタズラができるっていうのが、今回のひとつの楽しみなんですよね。
(略) 15年、20年をかけた時限爆弾を仕込めるって、本にしかできなかったりする。子どもの時に読んでさっぱりわかんなかったけど、覚えていてほしい。「ああっ!」っていう。
メメンとメモリ0504。

 ラテン語「メメント・モリ」から思うこと、そして願うこと、「そもそも人は、どうやって生きていけばいいの?」が、3つの物語になっています。

メメンとモリとちいさいおさら
 メメンがつくったお皿を割ってしまったモリ。
 「世界にひとつしかないお皿なのに…」といつまでもクヨクヨしているモリに、メメンは「大丈夫よ、また作ればいいんだから」と…。
メメンとモリときたないゆきだるま
 夜のうちに降った雪。メメンとモリは次の日の晴れた朝、張り切ってゆきだるまをつくりました。
 でも雪は足りず、晴れて溶けかかり、できあがってゆきだるまは想像していたものと違いました。
 複雑な顔をしてゆきだるまを見つめるメメンとモリ。
 でもゆきだるまは…。
メメンとモリとつまんないえいが
 つまらない映画を見てしまったメメンとモリ。「時間を損しちゃったね」と話しているうちに、モリは「みんなは楽しいことをしているのに、ぼくだけ損をしているみたい」と思いはじめます。
 そんなモリにメメンは「いきものはべつに楽しむために生きているわけじゃないからね」と…。
 子供に向けて“15年、20年をかけた時限爆弾”の絵本ですが、大人に読んでほしい絵本でした。
 子供に「何でも、どんな感じ方でも、いいよ」「何も感じなくても、いいよ」「囚われなくて、いいよ」と伝えています。
 それは、大人のあなたに「囚われていない?」と問いかけています。

 一人で読んで、そして、お子さんと一緒にいかがですか。

   もくじ

第1話 メメンとモリとちいさいおさら
第2話 きたないゆきだるま
第3話 メメンとモリとつまんないえいが

【関連】
  ◇ヨシタケシンスケ公式web
  ◇『メメンとモリ』特設サイト(KADOKAWA児童書ポータルサイト)



【関連;これまで紹介した本・絵本から】
  ◇『おしごとそうだんセンター』(ヨシタケシンスケ・著)(2024/04/28 集団「Emication」)
  ◇『一年一組 せんせいあのね こどものつぶやきセレクション』(鹿島和夫・選/ヨシタケシンスケ・絵)(2024/03/10 集団「Emication」)
  ◇『日々臆測』(ヨシタケシンスケ・著)(2023/04/19 集団「Emication」)
  ◇『みらいめがね』(荻上チキ・ヨシタケシンスケ・著)(2022/11/19 集団「Emication」)
  ◇『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』(ヨシタケシンスケ・著)(2022/09/04 集団「Emication」)
  *検索 「ヨシタケシンスケ」 集団「Emication」



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Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)読書
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