2025年02月15日

『三国志を歩く中国を知る』(坂本信博・著)

花0215。 書架に“三国志”の本があり、それを出版するのが 西日本新聞社でした。
 西日本新聞社は福岡県に本社があり、新聞を目にする機会は限られますが、興味深い特集や連載、コラムが載っています。特に印象に残っているのは『いのちをいただく』(2009)で、絵本などにもなりました。
 連載などが書籍化されるのを楽しみにして西日本新聞社の図書を気にしています。

 『三国志を歩く中国を知る』(西日本新聞社・刊)は、北京特派員の連載をもとにした図書です。
 今の中国を見つめる冒険の書
 三国志好きの著者(新聞記者)がゆかりの史跡・名勝、緊張走る国境地帯や新疆ウイグル自治区などを歩き、現代中国の深部に迫った渾身のルポルタージュ

 三国志は大好きだけど、今の中国はよく知らない、興味がない、という人は多い。とはいえ、今や世界第2位の経済大国であり、日本にとって最大の貿易相手国である隣人・中国について知ることは、これからの日本の活路を考える上で欠かせない。
 そこで、日本人に身近な存在である三国志の舞台となった地を巡り、中国の今を見つめる旅に出たいと考えた。
 2020年8月から3年間、コロナ禍の中国に赴任した著者が30省・自治区・直轄市を訪れ、のべ114都市を踏破した。
 本書は、2022年9月から2023年8月まで西日本新聞で連載した長期企画「三国志を歩く 中国を知る」を再構成し、書き下ろしも含めて大幅に加筆したものを軸としている。
 三国志と三国志演義の基礎知識をおさらいする「正史と演義」、現代中国に残る三国志の聖地を巡った「三国志聖地巡礼」、現代中国の国境地帯を中心としたルポ「三国志の周縁地を歩く」に、コラム「意外と知らない中国の素顔」を織り交ぜている。
 巨大で奥深い中国で、著者が直接見聞きし体感したことを一冊にまとめた。
 桃園の誓い、赤壁の戦い、そして五丈原ー。三国志ゆかりの地を巡り、中国と日本の過去と現在と未来が交錯する旅へ。いざ、ご一緒に。
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三国志を歩く 中国を知る [ 坂本信博 ]
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 はじめにと第一章の間に、「三国時代(3世紀半ばごろ)の勢力図」と「本書に登場する主な都市」の地図が、それぞれの見開きで載っています。
 勢力図は、見知った感じでしたが、都市には、驚きました。それは“主な都市”なのに、その数 56 でした。
 “中国を知る旅”のガイドには、この地図を手元に置きながらでないと迷子になりそうで、コピーして読み始めました。

 最初の「正史と演義」で、三国時代の成り立ち、正史の三国志と古典歴史小説の三国志の違いなど、三国志の基礎知識が分かりやすく書かれています。
 “知ってたつもり”の三国志が、ちょっとましになりました。

 著者が三国志の聖地を巡り、現代中国の国境地帯を巡った連載記事ですので、一話(一都市)ごとにまとまり、読みやすい分量(文量)です。
 順に読んでいくのも良いでしょうが、気になる“ゆかりの地(聖地)”や、関心のある“周辺地”を選んで読むと、新しい発見が面白さ(楽しさ)を増してくれる気がしました。  

 「三国志の中国」と「現代の中国」を読み比べながら、知らない中国、驚きの中国、興味わく中国…、楽しく読みました。

 本書を持って、ちょっと中国へ…とはいかないでしょうが、あなたも三国志の中国へいかがですか。
 お薦めの一冊です。

   目次

旅のはじめに
第一章 正史と演義──三国志と中国のガイド
 コラム 意外と知らない中国の素顔①
第二章 三国志聖地巡礼──中国を知る旅
 こらむ 意外と知らない中国の素顔②
第三章 三国志の周縁地を歩く──ルポ・ディープチャイナ
 コラム 意外と知らない中国の素顔③
解説 三国志の舞台 渡邉義浩(早稲田大学)
旅のおわりに
参考文献

【関連】
  ◇坂本 信博@「三国志を歩く 中国を知る」発売中!( X )  
タグ :読書歴史


Posted by ガク爺 at 17:00Comments(0)読書