2024年05月02日

4-11 子供の遊びと植物(7) (作手村誌57)

焼き牡蠣0502。 天気が回復し、晴れましたが、風が冷たく、肌寒い日でした。


 『作手村誌』(1982・昭和57年発行)から「第一編 第三章 自然と人間のかかわり - 第一節 子供の遊びにみる自然物」の紹介です。
 標高500mの高原、素朴な風土で、そこで培われた文化そして子供達の遊びは、自然とともにありました。
 そのような子供の遊びから“ふるさとの自然”の記録です。
 今に残るものもありますが、社会活動などの変化により、失われたものも少なくありません。“”と比べ、調べながら読み、“これから”を考える参考にしたいと思います。
 そして、これらの遊びを知る大人には、今の子供達に楽しさを伝えていただきたいものです。
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    第三章 自然と人間のかかわり
     第一節 子供の遊びにみる自然物

  *子供の遊びと植物
(つづき)
【夏の遊び】
〔アザミ〕 アザミの花はかごの形をしており、野の花の代表でもある。葉にはノコギリのようなギザギザの切り込みがあり、総包の先にもするどいトゲがある。
 ●トンビとカラス〈花〉=花首を取り、逆にして「トンビ出よ カラス出よ」と歌いながら手のひらに軽くたたくと、1mmにも満たない小さな黒い虫が2種類出てくる。色の薄いのがトンビ、色の濃いのがカラスで、どちらが先に出てくるかを当てっこする。

〔ササ〕 一般にはタケの小型のものをササと呼んでいるが、植物学的には、タケノコの皮が本汚くなるにつれて落ちるものをタケ、落ちずに残っているものをササと呼んでいる。昔は茎(竹ざお)を使うものをタケ、葉を利用するものをササと呼んでいた。
タンキリアメ0502。 ●タンキリアメ〈葉〉=ササの葉を先の方から三角に析りたたみ、葉の茎をさし込む。
 ●ゾウリ〈新芽〉=新芽でだ円形を作り、中心にもう1本新芽を渡して糸で結び、たがいちがいに新芽を渡してゆき、円からはみ出た部分をはさみで切り、鼻緒をつければ出来あがる。これと同様にカメも作ることが出来る。
 ●ササブネ〈葉〉=たれもが一度は浮かばせたことのある笹舟は、一番ポピュラーな遊びである。
 ●人形〈葉〉=今では見られなくなった女の人の髪型を二枚の葉を重ね、先の方から巻きながら作る。

〔エノコグサ〕(ネコジャラシ)=道端の至る所に生え、穂先は毛虫に似ているので、いたずらにはもってこいの草である。ネコジャラシと言われる理由は、この草の穂をネコの前へもって行くとネコがじゃれるためである。また、穂を三分の二ぐらいに取り除き、蛙の目の前でちらつかせると蛙が飛びっくので蛙釣リにも用いられた草である。
 ●毛虫〈穂〉=かるく手をにぎり、しめたり、ゆるめたりすると、穂が上へ上へと毛虫のようにモソモヅあがってくる。穂を逆にすると下へさがる。
 ●鼻ひげ〈穂〉=穂の中心をゆっくり二つに裂き、鼻の下につける。
カヤツリグサ0502。
〔カヤツリグサ〕(マスグサ) 田の畦道や、やや湿った所に見られる一年草で、根はひげ根で紫色をしている。茎の切りロは三角形で、線香花火のような花穂を1~6個ぐらい出す。この草の茎でかや(マス)つりあそびをするのでその名前がついた。
 ●仲占い〈茎〉=茎の両端にツメで切り口を入れ、二人で裂くと少したるんだ四辺形が出来る。ちょうど「かや」をつった形になる。うまく四辺形が出来ると仲よしの証拠、途中で裂けたり三角になったりすると仲が悪い。
 ●カンザシ〈穂〉=穂をちぎって髪にさす。
(つづく)
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 注)これまでの記事は〈タグ「作手村誌57」〉
 注2)本誌の本文内で、縦書き漢数字で書かれている数値は、本稿では横書きに改めて表記している。


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Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)作手
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