2019年07月30日

「本郷の観音様」(つくで百話)

クリムト展0730。 梅雨明け3日目,今日も蒸し暑い日でした。
 まだ暑さに体が慣れず,ぐったりした感じの疲れを感じました。



 今日,予定が早めに終わったので,催しに立ち寄りました。
 平日の午後ですが,思っていたより多くの人で会場が一杯でした。女性の姿が多く見られました。それも若い女性が目立ちました。
 女性向けの催しというわけではないのですが…。

 愉しい時間でした。



 『つくで百話』(1972・昭和47年 発行)の「文化財と信心」から紹介です。
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    本郷の観音様

 大字明和の本郷部落に,ささやかな観音堂があります。このお堂の中に,間口一,二〇メートル,奥行一メートル,高さ一,五メートル位の木のお祠があって,ここに十一面観音様がおまつりしてあります。観音様は,御丈一メートル位,金箔さん然と輝やく,あらたかな御像であります。
 観音様の左右には,不動尊とお薬師様がおまつりしてあります。この観音様が,まつられることになったのは,遠い江戸時代の昔からでございまして,近郷近在の老若男女が盛に参詣して,いろいろお願いいたしますと,悉くおきき届け下さったということでした。ある年,田原部落のお百姓さんが,苗代に籾を蒔いたときに,籾が浮きあがって,沈まないので,観音様にお願いして,お堂の前庭のお砂を頂いて帰り,苗代にまきますと,籾は,すぐ沈んでしまったそうです。
 昔,黒瀬部落に○○○○という博徒の親分が住んでおりました。ある日,この観音堂に忍びこんで,観音様を盗み出そうとして,観音様のご像に手をかけたとたんに,烈しい力で,堂の外まで投げ出され気絶してしまったそうでした。
 観音様の前の庭の西の隅に高さ三尺位の苔の生へた石に磯丸翁の詠んだ和歌が刻まられております。
  ふたうそむということをよめる
  ふかく猶たのめたのまばうけひかん
  ぞのみほとけのむなしからねば
 (阿部安孝)
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Posted by ガク爺 at 19:00│Comments(0)作手
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