2019年08月09日

長崎原爆の日。「幻の魚アマゴ」(つくで百話)

長崎0809。 74年前の8月9日11時2分,長崎に原爆が投下されました。今日は長崎原爆の日,長崎市で平和祈念式典が催されました。
 田上長崎市長は,長崎平和宣言を「目を閉じて聴いてください」と始めました。
 幾千の人の手足がふきとび
 腸わたが流れ出て
 人の体にうじ虫がわいた
 息ある者は肉親をさがしもとめて
 死がいを見つけ そして焼いた
 人間を焼く煙が立ちのぼり
 罪なき人の血が流れて浦上川を赤くそめた
 
 ケロイドだけを残してやっと戦争が終わった
 
 だけど…
 父も母も もういない
 兄も妹ももどってはこない
 
 人は忘れやすく弱いものだから
 あやまちをくり返す
 だけど…
 このことだけは忘れてはならない
 このことだけはくり返してはならない
 どんなことがあっても…
 この詩に込められた願い・思いを,しっかり形にする“今を生きる人々”の行動が必要です。

 暑い夏,平和と未来について考える機会を大切にしたいと思います。
 子供達と話題にしていく夏でありますように!

【参考】
  ◇長崎平和宣言(長崎市)
  ◇長崎市 平和・原爆
  ◇「平和への誓い」 山脇佳朗氏(毎日新聞)
  ◇8月9日、長崎から奪われたもの。原爆投下後の街をカラー写真で振り返る(BUZZFeed 2018/08/09)



 『つくで百話』(1972・昭和47年 発行)の「川に因んだ話」から紹介です。
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    幻の魚アマゴ

 このごろはアマゴ(あめのうお)は幻の魚などといわれるほどに稀少価値の魚となりましたが昔は,大和田辺の川にはたくさん游いでいるのをみうけられました。深い淵には三〇─四〇センチもある大きなものが,、いくつもおりました。空沢の櫃淵の滝壷のとこは,ほんとに櫃のように丸く堀りこんだ穴になっていていつも黒ずんでいました。この穴はずっと深く,布里の大巻の淵とつづいているといわれ,ここと大巻の間を主が通いつづけているとのことでした。陽のあたっている浅瀬の方へ,大きなアマゴが悠々とでてきて游いでいるのをみかけると,何だか,この淵の主の家来がでてきたようで気昧悪いほどでした。
アマゴ0809。 今馬で山の尾根の裾を道が曲がるところにじげい(自害)淵があります。この淵の上部に岩盤があって,これから落ちる水がドドドドと気味の悪い音を立てています。この淵も深く青い水をたたえています。夜,この辺の道を通ると,何も知らない人でも身の毛がよだつような思いをするそうです。ずっと昔からこの淵かじげい淵とよんでいるのは,死神ともいうべき魔性の主がいて,誘惑するのではないかといわれております。明治の晩年に,何の原因もなしにある青年が入水自殺をしています。また上方八キロメートルのとこで洪水に流された青年がこの淵まで流れてきて,ひっかかっていたこともありました。
 大正年代のことでした。弓木部落の種一さんが,ここを通ると淵の中に大きな緋鯉,真鯉が淵の水色がかわるほどに群れていました。種一さんは,今までに,一度もこんな大きな鯉がたくさんいるのをみたことがなかったそうです。
 それをみているうちに,だんだん鯉の方へひきつけられて近よりました。知らぬ間に,ヘソまでつかる水の中にはいっており,すんでのことで,淵に溺れるところだったといっていました。
 川手部落の教氏さんは,近隣きっての,猟師や漁師と知られた名人でありました。この人の手にかかると,どんな魚でも釣りあげられたということでした。ある日,教氏さんがじげい淵で,アマゴ釣りを始めると,大きなアマゴが釣れるわ釣れるわ,おもしろいほどひっかかってきました。大きな魚籠は忽ち一杯になりました。予期せぬ大漁に気をよくした教氏さんが家に帰って,洋燈の灯でみると,アマゴと思ったのは,みんな木の葉であったということです。
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注)これまでの記事は〈タグ「つくで百話」〉で



【台風情報】
  ◇日本気象協会 tenki.jp 台風情報
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  ◇hicbc.com:CBC気象情報
台風0809。




【備忘録;長崎平和祈念式典 児童合唱】
 児童合唱「子らのみ魂よ
   作詞 島内八郎 ; 作曲 木野普見雄
   合唱 長崎市立城山小学校 合唱

めぐりきぬ この月 この日
思い出は 白雲の かなた
ひらめきの またたく ひまに
声もなく 空しく 散りし
先生よ 子等の み魂よ 

今日ここの 夏草の うえ
すぎし日の 友の 姿に
とむらいの 真を こめて
はるかなる 空に へだてし
なつかしの み魂を しのぶ

すみわたる 城山の 空
うちひらく つるの 港に
平和なる 光 みつれば
先生よ 子等の み魂よ
安らぎて 永久に ましませ



【備忘録;長崎平和祈念式典 合唱】
 合唱「千羽鶴
   作詞 横山 鼎 ; 作曲 大島ミチル
   合唱 純心女子高等学校

平和への誓い新たに
緋の色の鶴を折る
清らかな心のままに
白い鶴折りたたみ
わきあがる熱き思いを
赤色の鶴に折る

平和への祈りは深く
紫の鶴を折る
野の果てに埋もれし人に
黄色い鶴折りたたみ
水底に沈みし人に
青色の鶴を折る

平和への願いをこめて
緑なる鶴を折る
地球より重い生命よ
藍の鶴折りたたみ
未来への希望と夢を
桃色の鶴に折る
未来への希望と夢を
虹色の鶴に折る




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Posted by ガク爺 at 17:30│Comments(0)日記作手
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