2020年09月19日

彼岸の入り。『ガラスの城壁』(神永学・著)

萩0919。 今日は秋の彼岸入りです。彼岸の間に,お墓参りなどをして先祖に感謝を伝えることが多いと思います。

 毎年述べていますが,彼岸は,サンスクリット語の「波羅密多」から来たものといわれ,煩悩と迷いの世界である「此岸」にある者が,六波羅蜜の修行をすることで「彼岸」(悟りの世界)の境地へ到達することが出来るのだそうです。
 六波羅蜜は6つの徳目「布施・持戒・精進・忍辱・禅定・智慧」を,人生において大切なこととし,彼岸は,それが実践できているかどうか見つめ直す期間だともいわれます。

 秋の4連休,“波羅密多”を探りながら過ごしてみませんか。



 図書館の書架で手にした『ガラスの城壁』(文藝春秋・刊)です。読み始めたら,そこに表れる“王国”に惹き込まれました。

 苛めのなかで“苦しむ”三人の中学生 悠馬暁斗涼音が,物語を描いていきます。
 そして,警察官の陣内と藤田が関わり,悠馬と涼音の母親が登場します。

 出版社の紹介に
「我が王国を取り戻すために――」
友との誓いを胸に、少年はいま立ちあがる。

 中学二年生の悠馬(ゆうま)は、父がネット犯罪に巻き込まれて逮捕されたことがきっかけで、いじめられるようになった。父の無実が明らかになっても、いじめは続き、学校での居場所はない。そんな悠馬の唯一の理解者が、転校生の暁斗(あきと)だった。
 そして、暁斗は「ハッキングが得意なら、お父さんの事件の真犯人を捕まえることができるんじゃないか」と悠馬に提案する。二人は事件を調べ始める。ところが、悠馬たちの行く先々に謎の男たちが現れる。はたして悠馬は真相にたどり着けるのか!?

 一気読み必至!デビュー15周年累計1000万部突破記念特別書き下ろし作品。
とある通りに一気読みで,悠馬の“戦い”を応援しました。

 ネタバレの紹介はできません。ぜひ読んで“ガラスの城壁”の正体に迫ってください。

 読みやすい文体,文章です。
 場面が変わるのと,その場の語り(主人公)が変わっていきます。最初,それについていけませんでしたが,それが“城壁”への道標(みちしるべ)でした。
 データには全て意味がある
 セキュリティーコンサルタントだった悠馬の父が教えてくれた“英数字の羅列”が語るもの…。
 悠馬が,そこにたどり着くまでに“体験したこと”,それは,あなたの近くにもありそうです。
 悠馬,暁斗,涼音の声を聞いてください。


   もくじ

プロローグ
一章 二人の王国
二章 旅のはじまり
三章 黒騎士
四章 裏切り
五章 王国の崩壊
六章 ガラスの城壁


【関連】
  ◇小説家 神永 学オフィシャルサイト
  ◇小説家 神永学 @ykm_info(Twitter)


タグ :読書

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Posted by ガク爺 at 17:17│Comments(0)日記読書
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