2024年04月05日
4-3 子供の遊びと動物(2) (作手村誌57) 発達障害
『作手村誌』(1982・昭和57年発行)から「第一編 第三章 自然と人間のかかわり - 第一節 子供の遊びにみる自然物」の紹介です。
標高500mの高原、素朴な風土で、そこで培われた文化そして子供達の遊びは、自然とともにありました。
そのような子供の遊びから“ふるさとの自然”の記録です。
今に残るものもありますが、社会活動などの変化により、失われたものも少なくありません。“今”と比べ、調べながら読み、“これから”を考える参考にしたいと思います。
そして、これらの遊びを知る大人には、今の子供達に楽しさを伝えていただきたいものです。
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第三章 自然と人間のかかわり
第一節 子供の遊びにみる自然物
*子供の遊びと動物
(つづき)
〔かいどり〕 現代的に言えば「つかみ取り」によく似た方法で、魚などを取ることである。小川の水を他方ヘ流し、あるいはせきとめ、せきとめた下流の水をかいだし、ウナギやナマズを見つけた時の喜びは40代以上の人ならだれでも味わっている。またかいどりとは別に、自転車のペダルを踏んで電気を起し、電流を川に流して魚を感電させて取ることもした。かいどりは二百十日以降に行われた。
〔ツボひろい〕 早春、畦道を歩きながら、あるいは水田に入ってツボ(タニシ)をひろうと、四つめかごに一杯とれた。それを湯で煮て肉をとり出し、あくをぬき味噌あえにして食べた。現代ではタニシの姿はめずらしくなりつつある。
〔ギッチョとり〕 袋に竹筒をさし、生きたまま捕獲し袋の中へ竹筒を通して入れる。指はイナゴの体液で変色する。熱湯に入れて殺し、しょう油で煮付けて食べる。絶滅したかと思われたイナゴも、最近、牧場などの拡大によって、少しは見られるようになったことは、イナゴの環境が回復しつつあることにもなろう。
〔タントキ〕 雪降りののちに餌を求めてやってくるスズメ・ホウジロなどの小鳥を生け捕る遊びをタントキといった。これは主に男の子の遊びで三つの方法があった。一つは、一本の棒を支えにしてフルイとかザルを立てかけ、その下に籾などの餌をまき、支えの棒に引き網をしばりつけて長くのばし、物陰などで見張り、小鳥が餌を喰いにきた所で、網を引き、フルイをかぶせて捕る方法と、既製のねずみとりで捕る方法、更に手のこんだものに見張りを必要としないタントキ(罠)が使われた、これは右二つの方法よりも良く考案されたもので、この方法は、25~30cmの竹の支柱を立て、上部には上下自在に動く木片を取りつけ、下部には細い横木を渡して稲穂をしばりつけて餌とし、横木は上部から伸ばした糸の先につけた支え木で軽く押さえておく。鳥が餌をついばむと横木の支えがはずれ、上部が回転し、板(フルイ)が落ちる仕掛けである。タントキは積った雪の上に藁や籾殼などを撒いて餌を探し求める鳥が寄りつき易いような場所作りをしてそこに仕掛ける。
(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「作手村誌57」〉で
注2)本誌の本文内で、縦書き漢数字で書かれている数値は、本稿では横書きに改めて表記している。
【おまけ;発達障害啓発週間】
NPO法人eboardが、4月2日から8日の「発達障害啓発週間」にあわせ、発達障害に関する 普及・啓発の取り組みを行っています。
講座「障害や特性に応じた支援」のレクチャー動画を、4月18日(木)まで無料公開しています。
◇発達障害や特性に応じた支援について学べる動画を期間限定で無料公開(ICT教材eboard(イーボード))
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標高500mの高原、素朴な風土で、そこで培われた文化そして子供達の遊びは、自然とともにありました。
そのような子供の遊びから“ふるさとの自然”の記録です。
今に残るものもありますが、社会活動などの変化により、失われたものも少なくありません。“今”と比べ、調べながら読み、“これから”を考える参考にしたいと思います。
そして、これらの遊びを知る大人には、今の子供達に楽しさを伝えていただきたいものです。
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第三章 自然と人間のかかわり
第一節 子供の遊びにみる自然物
*子供の遊びと動物
(つづき)
〔かいどり〕 現代的に言えば「つかみ取り」によく似た方法で、魚などを取ることである。小川の水を他方ヘ流し、あるいはせきとめ、せきとめた下流の水をかいだし、ウナギやナマズを見つけた時の喜びは40代以上の人ならだれでも味わっている。またかいどりとは別に、自転車のペダルを踏んで電気を起し、電流を川に流して魚を感電させて取ることもした。かいどりは二百十日以降に行われた。
〔ツボひろい〕 早春、畦道を歩きながら、あるいは水田に入ってツボ(タニシ)をひろうと、四つめかごに一杯とれた。それを湯で煮て肉をとり出し、あくをぬき味噌あえにして食べた。現代ではタニシの姿はめずらしくなりつつある。
〔ギッチョとり〕 袋に竹筒をさし、生きたまま捕獲し袋の中へ竹筒を通して入れる。指はイナゴの体液で変色する。熱湯に入れて殺し、しょう油で煮付けて食べる。絶滅したかと思われたイナゴも、最近、牧場などの拡大によって、少しは見られるようになったことは、イナゴの環境が回復しつつあることにもなろう。
〔タントキ〕 雪降りののちに餌を求めてやってくるスズメ・ホウジロなどの小鳥を生け捕る遊びをタントキといった。これは主に男の子の遊びで三つの方法があった。一つは、一本の棒を支えにしてフルイとかザルを立てかけ、その下に籾などの餌をまき、支えの棒に引き網をしばりつけて長くのばし、物陰などで見張り、小鳥が餌を喰いにきた所で、網を引き、フルイをかぶせて捕る方法と、既製のねずみとりで捕る方法、更に手のこんだものに見張りを必要としないタントキ(罠)が使われた、これは右二つの方法よりも良く考案されたもので、この方法は、25~30cmの竹の支柱を立て、上部には上下自在に動く木片を取りつけ、下部には細い横木を渡して稲穂をしばりつけて餌とし、横木は上部から伸ばした糸の先につけた支え木で軽く押さえておく。鳥が餌をついばむと横木の支えがはずれ、上部が回転し、板(フルイ)が落ちる仕掛けである。タントキは積った雪の上に藁や籾殼などを撒いて餌を探し求める鳥が寄りつき易いような場所作りをしてそこに仕掛ける。
(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「作手村誌57」〉で
注2)本誌の本文内で、縦書き漢数字で書かれている数値は、本稿では横書きに改めて表記している。
【おまけ;発達障害啓発週間】
NPO法人eboardが、4月2日から8日の「発達障害啓発週間」にあわせ、発達障害に関する 普及・啓発の取り組みを行っています。
講座「障害や特性に応じた支援」のレクチャー動画を、4月18日(木)まで無料公開しています。
◇発達障害や特性に応じた支援について学べる動画を期間限定で無料公開(ICT教材eboard(イーボード))
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