2024年04月21日

記念硬貨。 『山の上の家事学校』(近藤史恵・著)

記念硬貨0421。 雨になる予報でしたが、曇りで日が射さして、“ちょっと得した気”のした一日でした。


 資源回収に合わせて片づけをしていて、いろいろな記念硬貨が“ざっくざっく”と出てきました。
 記念硬貨は、1964(昭和39)年の東京オリンピック記念で発行された千円と百円の銀貨幣が最初で、その後、イベント記念で発行されてきました。
 「プレミアが付いて…」と期待しますが、記念硬貨の多くは流通量が多く、額面通りのようです。
 法律で、記念硬貨も“通常の貨幣と同じように使用できる”ことになっていますが、買い物に使ったら、受け取った人が戸惑うでしょうね。
  ◇財務省「過去に発行された記念貨幣は、現在でもお金として使えますか」
 さて、これらの記念硬貨、どうしようか…。



 帯の「家事ができる人もできない人も、すべての人に読んでほしい。……あなたの人生を奪われる前に。」に誘われて読んだ『山の上の家事学校』(中央公論新社・刊)です。
 離婚して一年。荒んだ生活を送っていた幸彦は、ある「学校」を紹介される。そこには様々な事情を抱える生徒たちが通っていた――。
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 ドアを開けた瞬間、少しかびくさいような臭いがした。
と、主人公 仲上幸彦 が自分の部屋に戻ったところから物語は始まります。
 この臭いは、「つまり二週間分のプラゴミが、臭いはじめているのだろう」と思われ、“ゴミ屋敷”となり始めた部屋のものです。
 仕方ないじゃないか、と。自分に言い訳をする。朝は起きてすぐ出かけていく。新聞記者という仕事柄、休日出勤も多い。布団を干す暇などない。
 こうなった部屋に住むことになったのは、「離婚したから…?」なのか…。
 結婚していたとき、“家事”をしていたのは…。
 妻からファイルを差し出された、そこには離婚届レポートがあり、レポートに書かれていたことは…。

 幸彦は、家事を教える学校「山之上家事学校」に通うことにします。
…校長は話を続ける。
「家事とは、やらなければ生活の質が下がったり、健康状態や社会生活に少しずつ問題が出たりするのに、賃金が発生しない仕事、すべてのことを言います。多くが自分自身や、家族が快適で健康に生きるための手助けをすることで、しかし、賃金の発生する労働と比べて、軽視されやすい傾向があります。」
 家事学校で学ぶこと、実習で料理を作ること、出会う人…、その一つ一つが、これまでの“取り返せない言動”に気づかせます。
 それを繰り返すうちに、幸彦の“暮らし”が少しずつ変わって…。


 “旧い人間”には、チクチクする話が続くが、「その時は気づかなかった。確かにその通り。」という事ばかりです。

 暮らしのなかに“家事”のあるすべてのみなさんにお薦めする一冊です。


   目次

第一章 悔恨
第二章 家事ってなんだ?
第三章 猿渡の抵抗
第四章 鈴菜のSOS
第五章 それぞれの事情
第六章 家事と愛
第七章 聞くレッスン
第八章 ほころびを直す
第九章 失望
第十章 新しくはじめられる場所

【関連】
  ◇近藤史恵 (@kondofumie)( X )
  ◇つながる文芸Webサイト「BOC」ボック


タグ :読書

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Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)日記読書
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