2025年03月29日

『禁忌の子』(山口未桜・著)

水芭蕉0329。 “花冷え”というには無理のあるような、寒い寒い一日でした。


 2025年本屋大賞の候補作の一つ『禁忌の子』(山口未桜・著)です。
 救急医・武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体。
 彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか。
 「俺たち」は誰なんだ。

 救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。
 過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ!
 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。
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禁忌の子 [ 山口 未桜 ]
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 著者のデビュー作で、第34回鮎川哲也賞を満場一致で受賞した作品です。そして、2025本屋大賞の候補作にも選ばれました。

 表紙は、何かを複数の手が抱えているような、ちょっと妖しい感じがします。題名の“禁忌”を表しているのか…。

 最初に見開きで「主な登場人物」として18名が載っています。最初の 武田航 が主人公で、兵庫市民病院救急科医師です。
 最後に キュウキュウ十二 があり、“謎の死体”と説明されています。
 次のページに「生島リプロクリニック平面図」があり、この物語の舞台のようです。
 そして、第一章へ。
 2023年4月17日、午後8時15分。ホットラインが鳴った。
 現役の医師が描く“医療×本格ミステリ”の始まりです。

 救急医 武田航のもとに、緊急で患者が運ばれてきましたが、残念ながら帰らぬ人となってしまいました。
 その患者・死体は、救急医 武田とそっくりの外見で、“同じ顔”をしていました。
 死亡した救急患者で済ますことができず、
 彼はなぜ死んだのか。
 なぜ同じ顔をしているのか。
と、同僚で幼馴染の消化器内科医師 城崎響介 の助けを得て、調査を始めます。

 調査を進めるうちに、武田の出生に関わるナゾ、それに関わるヒトが明らかになってきます。
 ナゾに関わる人物として、生島リプロクリニック理事長を突き止めます。その面会の日…。


 武田が辿り着いたナゾの答えは…。
 “禁忌の子”とは誰だったのか…。


 医現役医師の描く“医療×ミステリ”、引き込まれました。
 最後の展開に…。
 お薦めのミステリです。

   目次

 受賞の言葉
 主な登場人物
第一章 発端
第二章 連鎖
第三章 密室
第四章 分数
第五章 真実
第六章 蜻蛉
 第三十四回鮎川哲也賞選考経過
 選評 青崎有吾 東川篤哉 麻耶雄嵩

【関連】
  ◇山口未桜 (@biliary_egg)( X )
  ◇「私が鮎川哲也賞を受賞するまで(第1回)」山口未桜(Web東京創元社マガジン)
  ◇第34回 鮎川哲也賞(東京創元社)
  ◇本屋大賞
  
本屋大賞2025。





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Posted by ガク爺 at 21:00Comments(0)読書