2021年03月30日
『コロナと潜水服』(奥田英朗・著)

ただ,当地も“黄砂”が飛来したようです。視野が遮られるほどではありませんが,床を拭くと色が変わりました。困ったことです。
昨日のニュースで,「VISAが米ドルに連動するステーブルコインを決済に利用する計画が報じられた後、反発した」と報じていましたが,それ以前から仮想通貨の価格が上昇しています。株価も30,000円に迫っています。
こうした“上昇”と“実体経済”が乖離しているとも言われますが,これからの動向は…。
表紙に描かれた"星座”,それを眺める"親子”,そして題名の"コロナ”が気になった『コロナと潜水服』(光文社・刊)を読みました。
5作が収録された短編集で,表題作は4番目です。
読み終え,奥付の前に「Spotifyプレイリスト」があり,そのQRコードも掲載されていました。作品に,いろいろな曲が登場しており,そのプレイリストでした。この曲を聴きながら読むと,作品の読み方が変わったかもしれません。
本書を読む前に,プレイリストの確認をしておくとよいと思います。
最初の「海の家」
ひと夏,家族と離れて暮らすことになった。この小説家が暮らすことになった葉山御用邸近くにある"築九十年くらい”の日本家屋です。
村上浩二は四十九歳の小説家で,二歳年上の妻と,大学生の娘と息子がいた。
・ ペットボトルの水を飲み,一息つく。そのとき背中に視線を感じた。その家で耳にしたのは…。
・ そのとき,二階の廊下を誰かが走る音がした。トントントン。浩二は子供の足音だと思った。
・「走らないでください」
浩二が教師のような口調で声を上げた。ピタッと音がやむ。
家の近所で,海で出会ったのは…。
怪談のような話,怖い話かと思いながら読みますが,主人公のところに現れる「見えない何か」が,存在感をもって語りかけてきます。
5作それぞれの「見えない何か」が伝える"こと”に,心が温かくなってきます。
「ファイトクラブ」早期退職の勧告に応じず,追い出し部屋に追いやられた三宅邦彦(46歳)が,新たに始めたこととは…どの話も,ちょっと不思議なファンタジーです。
「占い師」人気プロ野球選手と付き合うフリー女性アナウンサー 浅野麻衣子が,恋愛相談に占い師を訪ね…
「コロナと潜水服」テレワークとなった渡辺康彦(35歳)が,5歳の息子から"命令”のように言われて…
「パンダに乗って」ずっと欲しかった古いイタリア車を手に入れた小林直樹(55歳)が,新潟で受け取り,運転を始めると…
読み終えて,ほっこり,笑顔で,優しい気持ちになれる作品です。
Contents
海の家
ファイトクラブ
占い師
コロナと潜水服
パンダに乗って
【関連】
◇小説宝石(光文社)
【おまけ】
朝刊に,愛知県・名古屋市の教職員異動が掲載されていました。
中日新聞Webの「先生サーチ 教職員異動検索」でも異動が調べられます。

「あの先生は,どこに異動した?」に応えてくれます。
*検索項目
「氏名」
「異動区分」
「職名」
「新勤務先 」
「旧勤務先」
Posted by ガク爺 at 17:17│Comments(0)
│読書
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