2019年05月19日
『ブラック化する教育 2014-2018』(大内裕和・対談)

昨日,屋久島で記録的な大雨となり,「50年に一度の記録的な大雨となっているところがある」と厳重な警戒を呼びかけていました。
ここまでの雨はいりませんが,宇連ダムの貯水率0%を回復させる天気が待ち遠しいこの頃です。
世に「ブラック○○」と言われる“コト”は,さまざまあります。その“解消・改善”に取り組みまれ,社会問題化しても,どこかに“当事者のこと”であり,“避ければよい”との意識があるように感じます。
ブラックが“教育や学校のコト”にも広がってきて,他よりも“当事者意識”や“経験者”が高く,多くなっているように思います。
その広がりと働き方改革の動きによって,“ブラックの解消”に向って動き出しましたが,その先が明快にできずにいるようです。
「ブラックバイト」の名付け親である大内裕和氏と知識人5人との対談(論議?)を収録した『ブラック化する教育 2014-2018』(青土社・刊)
「はじめに」で,本書について
この本には,2014年から2017年にかけて雑誌『現代思想』で私が行った教育に関わる対談を修正・リライトしたものが集められています。私は2015年に対談集『ブラック化する教育』(青土社)を上梓していて,本書『ブラック化する教育2014-2018』はその続編と言えます。と紹介しています。
書店に『現代思想』が並んでいても,なかなか手にしない雑誌で,掲載の対談は,ここで初めて知りました。
読み始めると,それぞれボリュームがあり,読み進めるのに“難しさ”を感じました。
疲弊する現場、「自己責任」のリアル、政策の不条理…
暗いトンネルのような2010年代。新自由主義と国家主義が猖獗をきわめる教育現場の「いま」と、そこにいたるまでの系譜をたどる。果たして希望はあるのか? 私たちが直面している社会のリアルを乗り越える。
話題は奨学金の返済に苦しむ若者、小学校の2分の1成人式、中高の部活動と広がるが、バブル崩壊、新自由主義の政策と関連づけて考えると、バラバラに見えていたことが実はつながっていることが見えてくる。
ゆとり教育を教育のなかだけで論じてしまったことは「重大な誤り」であり日本型終身雇用の解体と連動してとらえるべきであった、若者の貧困の拡大は将来の軍事動員への道筋かもしれない、など示唆に富む発言がぽんぽん飛び出す。
本書は,まず巻末の「初出一覧」で,どの時期の対談(掲載)なのかを確認すると分かりやすいだろう。さらに,「おわりに」で大内氏が各章の“内容”や“展開”を述べており,これを読んで本文を読むと,“考え”やすいように思います。
子供達の未来,社会の未来のため,教育の未来(あす)に向けて何ができるか考えてみませんか。
目次
はじめに
第1章 「教育再生」の再生のために
斎藤貴男 × 佐藤学 × 大内裕和
第2章 「受益者負担の論理」を超えるために
宇都宮健児 × 大内裕和
第3章 「教育の病」から見えるブラック化した学校現場
内田良 × 大内裕和
第4章 「日常の戦争化」に抗する
斎藤美奈子 × 大内裕和
おわりに
【関連】
◇『現代思想』(青土社)
【情報】
◇宇連ダム - リアルタイムダム諸量一覧表(国土交通省)
◇宇連ダム - ダム流況表(水資源機構中部支社)