2023年03月08日
IWD。 『わたしは「ひとり新聞社」』(菊池由貴子・著)

用事の後、長篠の「河津の桜並木」のようすを見に行きました。駐車場に停まっている自動車には、遠方のナンバーが目立ちました。
桜の花は見ごろを迎え、多くの方が花見を楽しんでみえました。
今日は、「国際女性デー(IWD; International Women's Day)でした。
昨年は名古屋のイベントに参加しましたが、今年は先の休日に開催され参加できませんでした。
“女性について考える”とき、何を思いますか。
今年も“あの日”がやってきます。
東日本大震災ほどの被害はなくとも、いくつもの大地震が起き、そこに暮らす人々に“苦しさ”を与えました。
そして、トルコ・シリア大地震が起こり、死者数は東日本大震災を上回る大災害となっています。
被害の全容が明らかになり、救済、復旧に向けて進めるよう願っています。
東日本大震災の被災地の一つ大槌町で、地域へ情報を伝えてきた「大槌新聞」を発行してきた著者の『わたしは「ひとり新聞社」――岩手県大槌町で生き、考え、伝える』(亜紀書房・刊)を読みました。
出版社の図書紹介には、
《そうだ、大槌だけの新聞をつくろう!》とあり、復興への歩みの中で“湧き出る思い”そして“暮らし”が綴られています。
町民の、町民による、町民のための小さな「大槌新聞」10年の奮闘記
自分が生まれ育った町に何の関心も持たず、文章もろくに書いたことがない引っ込み思案な「わたし」。
震災を機に踏み出した、町と自身の再生への道のり……。
被災地復興の光と影、真のメディアとジャーナリズムのあり方を忖度なくあぶり出した、自伝的ノンフィクション。
本書について、はじめにで
私はこの本を通して、ふたつのことを伝えたいと思います。と述べています。
ひとつは、東日本大震災の翌年に「大槌新聞」を創刊して書き続けた理由と、それを通して見えてきた復興のあり方についてです。(略)
そしてもうひとつは、私の人生そのものです。(略)
町も私も試練の連続ですが、これは「大変だ」とか「かわいそう」などと思ってももらうための本ではありません。みなさんの町や、みなさん自身に置き換えてお読みいただき、試練の先にある希望や生きる意義について考えていただければ幸いです。
東日本大震災からの「復興」、その記録と課題、メディアと地域の関係…。
本書が伝える「被災地の姿」、そして「復興への営みと“影”」は、これまで見聞してきた“こと”との違いを感じるもおがありました。
そこから、それぞれが備える“防災”に見直しが、“行動”に問い直しを迫っているようでした。
本書を通して、あなたの地域と暮らしを考えてきませんか。
“あの日”に読んでみたい一冊です。
目次
はじめに
第1章 生きる意義を見失っていた震災前生まれ育った大槌町と、私の姿が重なる。東日本大震災前、町はだんだんと衰退に向かい、私は試練の連続で生きる意義を見失っていた第2章 大槌町の新聞を作りたい震災で情報不足に陥った経験から、町民による、町の新聞の必要性を身にしみて感じた。「大槌新聞」を創刊し、のめり込んでいく。それが生きる糧にもなった第3章 地域メディアミックスに挑む人口1万人強の町には震災後、ラジオ、新聞、ネット配信の団体ができた。官民連携での情報発信に前向きな町長とも共鳴し、メディアミックスを模索したが……第4章 中断された震災検証大槌町役場は地震発生後、低地にあった旧庁舎前で災害対策本部を開き、避難指示を出さなかった。再発防止に向け、町は二度の震災検証を行ったが、教訓はじゅうぶん得られたとは言えない第5章 解体された大槌町旧役場庁舎震災当時の姿を残す大槌町役場庁舎を保存するか解体するか。復興まちづくりと並行して議論になった。住民も意見が分かれ、熟議を求める声が上がるなか、町長の強い意向で解体された第6章 本当の復興はこれから町や家が新しくできても、それは本当の意味での復興ではない。前のような過疎の町に戻すために血税を使ったのではない。ではどうすればいいのか。その芽やヒントは、ないわけではない第7章 創造的メディアをめざして震災後、町民に町の情報を知らせたいという思いからスタートした「大槌新聞」の10年。創刊後はメディアミックスに挑み、町政のありようを模索してきた。これからは「創造的メディア」をめざすおわりに
【関連】
◇一般社団法人大槌新聞社
◇大槌新聞社 (@otsuchishimbun)(Twitter)
◇大槌町ポータルサイト
◇“35分間”に何が 大槌町の真実(NHK政治マガジン)
