2024年04月13日
奏でる音は…。 『気散じ北斎』(車浮代・著)

能登半島地震から3か月が過ぎ、被災地から「○○が再開し…」というニュースが聞かれます。
珠洲市の知人は、日々の状況などSNSで発信しています。先日、観光PR動画特設サイトの言葉を使い、これからの「音」を考え、創ろうと綴っていました。
【復興の槌音】石川県は、復興の目標とプロセスを示す「石川県創造的復興プラン(仮称)」を策定し、能登の魅力をいっそう高めていこうとしているようです。
これから、どのような音が響いていくのか
これから、どのような音を奏でることができるのか
考えていきたいですね
社会、経済、政治、国内、国際…、さまざまな出来事が起こり、変化があるなかで、“被災地の今と未来”の報道、情報が少なくなっている気がします。
今、できることは…。そして、ともに奏でる音は…。
テレビ朝日『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』を、感心と驚きをもって、楽しく観ています。
その博士ちゃんの一人に“葛飾北斎博士ちゃん” 目黒龍一郎くんがいます。特番でオランダ&イギリスへ“幻の北斎作品”の調査へ出かけるほどの“専門家”です。
子供を夢中にさせ、日本ではもちろん、海外で有名な“葛飾北斎”を主人公とする『気散じ北斎』(実業之日本社・刊)を読みました。
帯に、
25年大河ドラマ主人公・蔦屋重三郎も登場の傑作時代小説!とあり、本書で、これまで語られてこなかった“驚愕の真実”に出会えることを楽しみに読み始めました。
希代の絵師・葛飾北斎とその娘・お栄。
数十年にわたる奇妙な親子の絆。そして蔦重や写楽、歌麿らとの交わりのなかで浮かび上がる、驚愕の真実とは?
あんたは私で私はあんた――
絵師・葛飾北斎は後妻の連れ子であるお栄(後の葛飾応為)と初めて出会ったとき、手本と寸分たがわぬ線で蛇の絵を見事に描く姿に驚く。お栄が酒癖の悪い実の父親から虐待を受けていたことを告白すると、北斎は一生をかけてお栄を守ると誓うが…
合わせ鏡のような北斎とお栄の奇妙な親子関係、そして版元の蔦屋重三郎、東洲斎写楽、喜多川歌麿、渓斎英泉ら絵師との交わりのなかで、驚愕の真実が浮かび上がる――綿密な時代考証と斬新な着想で描く傑作長編小説!
「「狂」を生きる北斎の知られざる豊かなエピソードを活写した傑作」 菊池仁(文芸評論家)
カバーイラストは『百と卍』で人気の漫画家・紗久楽さわ氏が担当。
物語は、「──なんと可愛げのない娘っ子だ。」と、初めてお栄(のちの葛飾応為)に会ったところから始まります。
そして終章、「巻物をしっかりと胸に抱え、お栄の姿は瀑布に消えた。」で終わります。
北斎を娘 お栄が支え、共同制作の浮世絵も残していることは、よく知られています。
その一方、お栄の生涯は謎に包まれています。
この物語では、葛飾北斎と娘 お栄(応為)との暮らし、関係(?)、生き様が描かれています。
そこに、写楽や歌麿など有名絵師が登場し、彼らとのかかわりが描かれ、その時代そして作品を楽しめます。
“葛飾北斎の作品(名)”が、たくさん登場します。
こんな絵も描いていて…。
検索しても“絵”が見つからない作品は…。
あの有名な作品が制作されるまでに…。
そして驚愕の事実とは…。
2025年放送のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の主人公 蔦屋重三郎も登場します。当時のようすを知る一冊にもなるでしょう。
北斎や浮世絵の好きな人、歴史の好きな人、みなさんにお薦めの一冊です。
目次
第一章
お栄 寛政七年(1795年)〈宗理こと北斎・数え36歳〉
時太郎〈こと北斎・6歳〉 明和二年(1765年)
鉄蔵〈こと北斎・12歳〉 明和八年(1771年)
第二章
お栄 寛政七年(1795年)〈宗理こと北斎・36歳〉
鉄蔵〈こと北斎・19歳〉 安永七年(1778年)
勝川春朗〈こと北斎・23歳〉 天明二年(1782年)
お栄 寛政七年(1795年)〈宗理こと北斎・36歳〉
第三章
蔦屋重三郎 寛政五年(1793年)〈春朗こと北斎・34歳〉
東洲斎写楽 寛政六年(1794年)〈春朗こと北斎・35歳〉
俵屋宗理〈こと北斎・36歳〉 寛政七年(1795年)
蔦屋重三郎 寛政九年(1797年)〈宗理こと北斎・38歳〉
北斎〈42歳〉 享和元年(1801年)
第四章
お栄 文化九年(1812年)〈北斎・53歳〉
北斎載斗〈58歳〉 文化十四年(1817年)
第五章
北斎為一〈71歳〉 文政十三年(1830年)
高井鴻山 天保四年(1833年)〈北斎・74歳〉
画狂老人卍〈こと北斎・83歳〉 天保十三年(1842年)
第六章
葛飾応為 天保十五年(1844年)〈北斎・85歳〉
画狂老人卍〈88歳〉 弘化四年(1847年)
終章
お栄〈62歳〉 嘉永五年(1852年)
【関連】
◇車浮代オフィシャルサイト
◇紗久楽さわドラマCD3巻4/26発売(@climnon)( X )
◇大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」(2025年) (@berabou_nhk)( X )
◇べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~(NHK_PR|NHKオンライン)
◇すみだ北斎美術館
◇信州小布施 北斎館|画狂人葛飾北斎の肉筆画美術館
◇『絵師の魂 渓斎英泉』(増田晶文・著)(2019/07/13 集団「Emication」)
◇『蔦屋』(谷津矢車・著)(2018/10/12 集団「Emication」)
【関連;珠洲市】
◇珠洲市
◇石川県防災(@Bousai_ishikawa)( X )
◇心が鳴る音がする 珠洲市観光PR動画特設サイト
◇珠洲市公式YouTubeチャンネル
タグ :読書