2019年10月22日
即位礼正殿の儀。『「ふつうの子」なんて、どこにもいない』(木村泰子・著)

昼前に雨が上がると,青空が広がりました。
富士山では,初冠雪が観測されたそうです。ました。平年より22日遅い初冠雪のようです。
季節は秋が深まり,冬の気配も感じるようになっていきます。大雨,台風による被害が出ていますが,被災地・被災者のみなさんに,穏やかな“日常”が早く戻られることを願います。

今年5月,皇位継承にともない即位した天皇陛下が,即位を国内外に宣言する儀式(国事行為)です。
皇太子をはじめ皇族の方々が,黄丹袍や十二単の姿で入場され,参列されているようすは,「日本の伝統」そして“日本のむかし”を思いました。
雨天のために一部内容を変えての儀式でしたが,終了後に雨が上がり大きな虹が見られたようです。
祝賀の一日です。
題名から手にした図書で,著者の木村泰子氏や大阪市立大空小学校は,本書で初めて知りました。はじめにが
そもそも「ふつう」ってなんでしょう。の問いかけから始まる『「ふつうの子」なんて、どこにもいない』(家の光協会・刊)
木村氏は大阪市立大空小学校の校長を9年間務め,その“ユニーク”な取り組みが,ドキュメンタリー『みんなの学校』として,2013年に関西テレビで放送され,2015年に同名の映画にもなったそうです。
本書は,大空小学校(2006年設立)を「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことに取り組んできた著者から「“ふつう”の見直し」への呼びかけです。
本書の内容は,「そうだな」「広まったらいいな」と思い,同感です。
しかし,「あれっ」も…。
怒られてじっとできるものなら,本人もそうしたい。でもいくら怒られたって,じっとすることが苦手な子もたくさんいる。机をガタガタさせる子を,「周りに迷惑をかける困った子」と見るか,「この子はみんなと一緒にいることに不安を感じて困っている子」と感じるか。この学び方は大切ですし,子供が身につけるとよいと思います。けれど,学校のたった一つの約束「自分がされて嫌なことはひとにしない。言わない。」に合っているような気もしますが,大丈夫なのかがすっきりしません。
大人が「困っている子」を排除せず,「ふつう」だと受け入れると,そこにいる子どもたちはその空気を体で吸収します。
そんな子どもたちは,「自分が勉強できない理由が,この子が机をガタガタさせるせいだとなったら,よけいにこの子は困るよな」と考えて,うるさい音を邪魔に感じない学び方を身につけます。
私はそれはなんたか違うように思うんです。本書から「個性を伸ばす」ことを考えてみませんか。
じゃあ,「障害」と言われているものはなんなのか? そんな疑問を持ちますよね。それは,その子が生まれ持ったその子の特性,その子らしさ。「その子らしさ」=「個性」じゃないでしょうか。
その「個性を伸ばす」ことは「障害を長所に変える」ことでもあります。だから,障害のある子がいたら,まず長所に目を向けることから始めます。長所を見つける手がかりは,(略)
そして,自分の「ふつう」が,これからも「ふつう」であるのか見つめてみましょう。
子育て中のみなさん,教育に携わるみなさんにお薦めの一冊です。
【関連】
◇大阪市立大空小学校
◇映画『みんなの学校』公式サイト
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