2020年01月02日
「初○○」。枕絵「宝船」。

正月2日は,仕事の準備やお稽古を始めるのに縁起のよい日とされています。
「初○○」では,初市,初買,初袷,初懐紙,初鏡,初釜,初肥,書初め,初硯,初刷,初席,初風呂,姫飯などがあり,それらは正月2日に行うことでした。
書初めでは,若水で墨をすり,恵方(吉方)に向かって詩歌を書きました。その詩歌は「長生殿裏春秋富 不老門前日月遅」という漢詩が多かったようです。
みなさん,書初めや初稽古をしましたか。
また,よい夢を見るために,宝船の絵を枕の下に入れて寝るという習慣があり,それが「初夢」です。
宝船の絵には,様々な宝物や七福神などを乗せた船が描かれ,そこに「長き世のとおのねむりの皆めさめ、波のり舟の音のよきかな」という回文(上から読んでも下から読んでも同じ)が書かれています。
「初夢」は,31日から1日の間,1日から2日の間,そして2日から3日の間と諸説あるようですが,事始めの日である2日の夜(2日から3日の間)に見る夢を「初夢」としたいと思います。
古く,夢で吉凶を占い,初夢でよい夢を見てよい年になるよう願いました。
よい夢として,「一富士,二鷹,三茄子」とよく言います。これは,天下人 徳川家康にあやかって出世したいという願望から,縁起がよいものとされています。
初夢で一年の吉凶を占います。
できれば,よい夢を見られるよう,さまざまな工夫があります。その一つが,七福神の乗った「宝船の絵」を枕の下に入れて眠るということです。
この宝船の絵には,「永き世の遠(とほ)の眠(ねぶ)りの皆目覚め波乗り船の音の良きかな」という回文の歌が書かれます。これを3回唱えて眠れば,よい夢が見られるそうです。
もしも,悪い夢だったときは,翌朝,宝船の絵を川に流して縁起直しをしました。でも,川に流すことは難しいか…。
※写真は,今年もいただいた氷上姉上神社でお祓いを受けた「初夢七福神縁起」です。
初夢について,こんな小咄があります。
「この野郎,やっと見つけたぞ,ちくしょうめ,金返せ!」よい初夢を。
「何ですぅ?旦那ぁ,えらい剣幕で?」
「盗人猛々しいとはおめぇのこった!さぁ,きりきり金を返しやがれ!」
「待ってくんねぇ,いってぇどうしたんで?」
「おめぇから買った,七福神図の紙を枕にひいて寝たら,これがどうでぇ。
正月早々,夢の中で福神のくせぇしやがって大喧嘩だ。
こんな縁起の悪いこたぁねぇ。判ったらきりきり銭を返えさんかい!」
「判った旦那,ところで旦那は寝相は良い方かい?」
「てやんでぇ,こちとら江戸っ子でぇ,勝手気侭に眠るってもんだ」
「そりゃぁ,いけねぇ。帰って紙を見てみねぇ。」
「どうだってんだよ?」
「枕の下で,紙が揉めている。」
よいお正月を。
【関連】
◇氷上姉上神社(熱田神宮)
◇三河國一之宮砥鹿神社
◇豊川稲荷

Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)
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