2024年05月16日
4-14 子供の遊びと植物(10) (作手村誌57)

標高500mの高原、素朴な風土で、そこで培われた文化そして子供達の遊びは、自然とともにありました。
そのような子供の遊びから“ふるさとの自然”の記録です。
今に残るものもありますが、社会活動などの変化により、失われたものも少なくありません。“今”と比べ、調べながら読み、“これから”を考える参考にしたいと思います。
そして、これらの遊びを知る大人には、今の子供達に楽しさを伝えていただきたいものです。
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第三章 自然と人間のかかわり
第一節 子供の遊びにみる自然物
*子供の遊びと植物
(つづき)
【秋・冬の遊び】
〔ヒガンバナ〕(マンジュシャゲ) 彼岸のころに葉のない茎だけのいただきに、真赤な花をつける彼岸花には毒があり、茎から出る汁が手などにつくとかぶれる人がいるが、子供達は大したことでないと知るともう頓着しない。南部・北部地区に多く分布している。
●ちょうちん・首飾り〈茎と花〉=左右に折り分けながら、厚い肉と表皮だけのところが交互になるように花のところまで裂いていき、左右の茎を結ぶ。

〔チカラシバ〕(カゼフキソウ・ミチシバ・ミチクサ) 田に続く細い道には二本の荷車の跡が残っている。その二本の車輪跡の中央にチカラシバが茂っている。秋になると黒みがかった紫色の穂を出す。
●草結び(スッコケ)〈茎と穂〉=この草は抜こうと思ってもなかなか抜くことが出来ない。その強さを利用して、シバとシバとを結んでスッコケをつくる。大人が足を捕られて転んだりすると、ひどく叱られた。この草結びは元来、旅人の道知るべとして行われてきたといわれる。
●風占い〈茎〉=茎の節によって、その年に何度台風が来るかを占うもので、カゼフキソウと呼ばれる所以である。例えば二つ節があれば、その年には2度の台風が、節がなければ、その年には台風が来ないと占われる。

〔コシアブラ〕(〈オンナ〉トウダイ) 若い芽は山菜として食べる。このコシアブラとよく似たものにタカノツメ・(〈オトコ〉トウダイ)がある。光沢があリ容易に見分けがつくが、食べてもあまり美味しくない。
●刀〈幹〉=20cm位に切り、柄になる部分に切り込みを入れ、鞘になる皮の部分を軽く河んべんも叩き、ひねるようにして抜くと、鞘つきの刀が出来る。
(つづく)
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注)これまでの記事は〈タグ「作手村誌57」〉で
注2)本誌の本文内で、縦書き漢数字で書かれている数値は、本稿では横書きに改めて表記している。
Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)
│作手
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