2024年06月29日

「完全数の日」(6/28) 『白線以外、踏んだらアウト』(田丸雅智・著)

花0629。 昨日の話題ですが、6月28日は「完全数の日」でした。
 数字に“完全数”と呼ばれるものがあり、昨日の「6」と「28」が、ともに完全数であることに由来します。
 完全数は、「自分自身を除いた約数を足すと、その数自身になっている」数のことです。
 6を例にすると、6の約数は 1、2、3、6 の4つです。
 その約数からその数自身6を除いた約数を足すと、1+2+3=6 となります。
 このような性質をもった数が「完全数」で、この名を付けたのは、古代ギリシャの数学者 ピタゴラスだと言われています。

 もちろん 6 や 28 の他にも多くの完全数がありますが、その数は51個だと言われます。また、すべて偶数で、奇数の完全数は見つかっていません。
 不思議ですね。
 52個目の完全数はないのか。奇数の完全数はないのか。追究、研究する子供はいないかな?



 図書館の書架に、ショートショート作家 田丸雅智氏の本が並んでいました。
 その一冊が、黄色い地に白線が飛び回る(?)ような表紙の『白線以外、踏んだらアウト』(光文社・刊)でした。
 題名になっている“遊び”が思い浮かびます。目次を見ると、聞いたことがある“動きや言葉”が並んでいます。
 知っていることが、「えっ。そうなの!」というショートショートの結末を迎えそうです。
 誰もがやったことのある〝あるある〟な遊び「道路の白線を踏み外したら死ぬ」が、意表を突いた展開から思いも寄らない結末に!
 そのほかにも「手のひらに〝人〟という字を3回書いて飲むと緊張がほぐれる」「食べ物を落としても3秒以内に拾えば大丈夫」「食べてすぐ横になると牛になる」「痛いの痛いの、飛んでいけ」などなど、誰もがどこかで聞いたことのあるシチュエーションを、現代ショートショートの名手・田丸雅智が大胆にアレンジ!
 1話10分であなたを不思議な世界へ誘う、読み始めたらやめられない魅惑のショートショート全10編!
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白線以外、踏んだらアウト [ 田丸雅智 ]
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 この本と並んで、同じ「おとぎカンパニー」のロゴが付いた『遅刻する食パン少女 おとぎカンパニー』(光文社・刊)がありました。
 こちらは、青い地に食パンをくわえた制服女子が鏡(姿見?)から走り出ており、他にも鏡がいくつか描かれた表紙です。
 食パンをくわえて走ってくる遅刻少女。「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」という緊急アナウンス。サスペンスドラマで、容疑者が告白する崖。一冊の本を取ろうと本棚に手を伸ばしたら、偶然男女の手が――
 誰もがどこかで聞いたことのある“ベタなシチュエーション”を、現代ショートショートの名手・田丸雅智が大胆にアレンジ!これまで見たことのない世界にあなたを誘う――
 物語は、「あるある」なシチュエーションから予想外の結末へと変貌を遂げる。
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遅刻する食パン少女 おとぎカンパニー [ 田丸雅智 ]
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 黄色と青色、これに赤色の表紙があれば信号機だなと思いながら、この2冊を借りました。
 どちらから読んでもよさそうですが、発行の早い『遅刻する食パン少女 おとぎカンパニー』を、まず開きました。
 第1話が「街角の恋 (遅刻する食パン少女)」で書名になっている作品ですが、「街角の恋」が題名で、「遅刻する食パン少女」は副題のようです。なぜ副題が書名に…。

 まずは読み始め…。
 朝食を食べる余裕もなく急いでいる制服女子が食パンくわえ走っていく、街角で少年にぶつかって恋が始まり…、という展開かな…。
 著者は、そんな話では終わりません。
 その瞬間、ぼくはハッとして「そういうことかぁっ!」とすべてを悟った。
 自分も衝突のときに近くにいたから、少なからず影響を受けたに違いない。実際に走っていった池田まではいかなくても、まるで走っているような感じにさせられて──。
 ぼくは改めて戦慄する。(略)
 何があったのか…。


 ショートショート10編を楽しんで、続いて『白線以外、踏んだらアウト』を開きました。
 こちらは題名となっているショートショートは第2話「白線の民 (白線以外を踏んだら死ぬ)」です。白線が別世界を作っているようで、そこに暮らす(?)民がいるのか…。
 そうして、軽い気持ちで白線の上に両足で立ってみた瞬間だった。
 強烈な何かが全身をビビッと走り抜け、直後、おれは思わず固まった。
 周りの景色が、さっきまでとは明らかに違っていたからだ。(略)
 何が起こったのか…。
 彼が白線の上で出会ったのは…。


 慣れ親しんだ遊びや迷信…、小説とかドラマにありがちなベタなシチュエーション…
 著者の手にかかると、「そんなことあるわけない」という物語が、「どうしよう。どうしたらいいの。」、「すごい。そうなんだ。」と、思わず声が出てきそうな話になっていました。

 どのショートショートも面白く楽しめます。
 今回2冊を借り発行順に読みましたが、『白線以外、踏んだらアウト』を先に読んではいかがでしょう。
 タイトルから「こんなお話」と思って読み始められ、物語の世界に入り込みみやすく、その先の「あれっ」が、より楽しめると思います。
 いかがですか。

   目次『白線以外、踏んだらアウト

緊張の“人” (手のひらに三回「人」と書いて飲むと緊張が解ける)
白線の民 (白線以外を踏んだら死ぬ)
机の工房 (給食のパンを机にため込む)
三秒以内に (食べものを落としてもすぐに拾えば大丈夫)
牛さん (食べてすぐに横になると牛になる)
イタミの蝶 (痛いの痛いの、飛んでいけ)
原稿中 (締切に追われる)
てるてるの仕事 (てるてる坊主、明日天気にしておくれ)
鳩の通信 (ベランダに鳩が巣を作る)
ソウルスペース (写真を撮ると魂が抜かれる)



   目次『遅刻する食パン少女 おとぎカンパニー

街角の恋 (遅刻する食パン少女)
お客様の中に (お医者様はいらっしゃいませんか?)
自供の崖 (崖の上で殺人を自供)
つながれた窓 (窓から行き来する幼馴染み)
嵐の研修 (孤立した洋館で事件が起こる)
本の二人 (本をとろうとして手が触れ合う二人)
肩車士 (前の車を追ってください)
天使と悪魔、それから私 (天使と悪魔)
グラスレース (あちらのお客様からです)
スカイレザー (屋上で空を見上げる一匹狼)

【関連】
  ◇田丸雅智 (@tamaru_m)( X )
  ◇『ショートショートの缶詰』(田丸雅智・編集)(2016/11/25 集団「Emication」)



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Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)日記読書
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