2024年07月30日

7-2 相続・分家・隠居 (作手村誌57)

ひまわり0730。 『作手村誌』(1982・昭和57年発行)から「第四編 文化 - 第三章 民俗」-「第一節 家と社会生活」の紹介です。
 “昭和レトロが若者に人気ですが、それとは違う内容になりそうです。しかし、昔の“文化を“”に活かしていくヒントを探ってみたいと思います。
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    第四編 文化 - 第三章 民俗
     第一節 家と社会生活
(つづき)

  *相続・分家・隠居
〔相続〕
 家長権と同様、旧民法下でも家督の相続権は長男優先が規定されていたし、慣行上もそうであった。相続の開始は家長の死亡によるものと、隠居によるものとのいずれかであった。家長権という大きな権限は現在ほとんど消滅しているが、旧民法で保護されていた慣行上の長男優先の相続権は、なお根強く存在している。
 また、夫婦に子供がないときには弟や妹、甥や姪を養子にする。長男が死亡したとき弟が長男の嫁と一緒になり跡をとる。これをナオルと言っているが、こうした例もかなりある。これらはイエ制度や血筋を絶やさないという意識が強く残っているあらわれであろう。

〔分家〕
 『旧作手村誌』より抄出すると、普通分家には次のような種類がある。
(イ) 隠居分家……家を長男にゆずり自分は分家して新たに一戸を建て、次男・三男・末子・娘などをしてその家をつがせることである。
(ロ) 苗字分家……苗字を与えて形式上の分家をすることである。1870(明治3)年9月平民にも苗字が許されたので地域の有力者の名字を称えた。すなわち苗字分家が当時多く行われた。
(ハ) 地分分家……土地財産を分けて分家させることである。

〔隠居〕
 このごろでは隠居をしたということはほとんど聞いていないが、以前は相当多かった。跡取りが結婚して子供が出来ると家長の地位を跡取りに譲り隠居するということが多かった。しかし、これは確固とした原則ではなく、死ぬまで隠居しなかったという例もある。隠居をすると別に隠居屋敷を設けそこで生活するか、同じ屋敷内の隠居部屋に住むのである。家の中のことはもちろん、冠婚葬祭や常会等、地域の交際い一切を跡取りが行い、自分達の食べる程度の田畑を作り山の世話やら手伝い等をするようになるのである。多くの場合、住居も食事も別々の生活をするのであるが、隠居部屋に隠居した場合には食事はいっしょにする。
(つづく)
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 注)これまでの記事は〈タグ「作手村誌57」〉
 注2)本文内で、縦書き漢数字で書かれている数値を横書きに改めて表記した箇所、年号に西暦を追記したところがあります。



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Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)作手
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