2017年03月02日
昭和の『先生のいろは』 6

昨日,桜で有名な川岸を朝と夕に通りました。朝は「もうじき咲くかな」でしたが,夕には数輪の花が咲いていました。きっと今日は,開いた花が増えていたことでしょう。
一雨ごとに暖かく…。
冊子『先生のいろは』の6回目です。年度末に向けて集中して紹介しています。
1977(昭和52)年頃と現在とは,社会のようすは大きく変わっていますが,「今も変わらず…」という内容もあります。年度末の今,改めて“今の先生方”にお伝えします。何か参考になることがあれば幸いです。
6 各種の室(教室を除く)
放送室,印刷室,更衣室,準備室,相談室,備品室,資料室,器具室,農具室,体育倉庫,クラブ室(部室),○○倉庫,飼育栽培室(温室,きん舎等) 等
それぞれの室によってあり方が異なると思うが,一般的なことを記すこととする。
(1) 室の入り口に厳重な施錠が必要な場所が多く,内部の戸棚や容器の一つ一つに施錠がいるものも多いと思われる。
室の管理責任者名を入り口近くに明記するがよい。火気責任者も同様。
必要に応じて「非常持ち出」「火気厳禁」「危険」とか,この意味のわかる言葉を記しておくことが大切。
(2) とに角,整理整頓が重要。そのためには,
ア 廃棄した方がよい物や,修理できないような物は,廃棄する手続きをとること。特に注意したいことは,寄贈された物については,寄贈者の了解を得ることを忘れてはならない。記念樹なども同様であるので付言しておく。
いつ使ったのか見当もつかないようなピアノ,オルガン等の楽器,机や腰掛,戸棚の類,戦前に高等小学校の農業で使っていた農具,修理できないこともないが,古い型なので使いたくないらしい体育器具,かっては大いに役だったであろう学芸会の大道具など,一度倉庫を見廻してみるとよい。次の校長さんの代にゆずるなどと言わずに整理処理するがよいかろう。
イ 家庭であればすぐ修理して使うはずなのに,学校だから,今すぐ使うにも数があるので何とかなる,自分が使った時に破損したのに係が修理してくれると責任を転嫁するといったようなことが理由で,不備な備品がある。
例えば,柄がとれた鍬や備中や鎌,パンクしたままの自転車やオートバイや一輪車やリヤカーや,歯がすりへった鋸やは先のかけたのみやかんなの類……。
破損した時にすぐ修理して,次に使う時,こと欠かぬようにしておこう。
ウ 整理整頓するために,棚や戸棚を必要とする場合が多い。なお,その引き出しや戸棚のガラスに在中の品物の名を記し,保管管理責任者外の人でもかわるようにしておくことが大切である。重要な物品はケースにも中の品にも校名を記す方がよい。(盗難予防)
エ 戸棚の戸は板よりガラスの方が内部がきれいになる。色シャツより白シャツの方がよく洗濯されるものであると同様。
(3) 放送室,写真室(暗室)は,使用中の標示が必要。
(4) ちり捨て場,じんあい焼却ろは校内の位置はいうまでもないが,学校周辺のことも考慮に入れたいものである。煙や火の粉に注意しよう。
ちりの中に,子供達の成績物が入っていないことを心から願ってやまない。
(5) クラブ室は各クラブの器具など考えて整頓しやすいように,例えば剣柔道などは汗一杯の衣服の処理など十分考えてやりたいもの。
(6) 室によっては電灯,電鈴,水道など考慮してやりたい。特に飼育,栽培等に関しては尚更のこと。保健室などは壁の色まで考えたいですね。温度計も。
(7) 屋外便所はいかが。ほしいね。児童(生徒)会室,相談室などもほしいね。
◎鍵を入れた鍵箱をかくしておく所はよく考慮しよう。
新年度に向け,校舎内の整理・整頓が進められていくと思います。昭和から平成へと時代は大きく変わりましたが,小中学校の校舎には“昭和時代に建設したもの”も少なくないと思います。
部屋の整理・整頓に,本項が役に立つのではないですか。
次回は,「7 教室」です。
【昭和の『先生のいろは』】
○昭和の『先生のいろは』 「校門を入って」(2017/02/16)
○昭和の『先生のいろは』 2 「玄関や子供の昇降口に立って」(2017/02/18)
○昭和の『先生のいろは』 3 「校長室や職員室を眺めて」(2017/02/21)
○昭和の『先生のいろは』 4 「廊下や土間廊下を歩いて」(2017/02/23)
○昭和の『先生のいろは』 5 「便所」
○『先生のいろは』 その6 「各種の室(教室を除く)」
○『先生のいろは』 その7 「教室」
○『先生のいろは』 その8 「授業」
○『先生のいろは』 その8-2 「授業 2 書くこと」
○『先生のいろは』 その8-3 「授業 3 仕事をする」
○『先生のいろは』 その8-4 「授業 4 学習形態」
○『先生のいろは』 その8-5 「授業 5 先生よ くり返して述べよう」
○『先生のいろは』 その9 「??」
○『先生のいろは』 その10 「あたたかい先生に」
○『先生のいろは』 おわりに
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