2023年06月28日

5-1.2 徴兵及び微募 (作手村誌)

蕎麦0628。 朝から天気がよく、暑い日になりました。
 その天候が、午後になると小雨となり、夕方には雷の鳴る天候に変わりました。雨のおかげか、涼しい風になりましたが、雷の音と光は遠慮したかった。



 『作手村誌』(1960・昭和35年発行)から「第二編 村の沿革と歴史 - 第七章 兵事」」の紹介です。
 今年、太平洋戦争終結から78年になります。明治維新から太平洋戦争終結までの77年を超えました。
 戦争と平和について考える機会としたいと思います。
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    第二編 村の沿革と歴史

    第七章 兵事
  第二節 徴兵及び微募
 建久以来約七百年の間武家に委ねられた兵馬の権は朝廷にかえり王政復古の世となりて武士なる職業は廃ぜられて各藩に常備兵が置かれた。明治三年二月に各藩に常備編成規則が定められ、同年十一月に徴兵規則を制定して諸藩をして従来の常備兵の外身分に拘らず一般人民から一万石に五人ずつ徴集して差出させた。これが維新後の徴兵制度の初めである。この規則では年令二十才以上三十才未満で服役年限は四ヵ年であった。明治五年十一月王朝の古制を興して全国募兵の法を設ける告諭が発せられて翌六年一月徴兵令が公布された。初めて徴兵令の布かれた当時は戸主官吏嗣子及び父兄に代って家を治める者は免除され、特に誰でも代人料として金二百七十円を納めると兵役が免除された。その後明治八年、十二年、十六年と改正があって明治二十二年一月に徴兵令の大改正が行われたのである、これにより帝国臣民にして不具廃疾乃至罪へきに触れた者を除き満十七才より満四十才までの男子は総べて兵役に服する義務を有し、現役は陸軍三年海軍四年とし予備ぱ陸軍四年海軍三年と定め、予備役を終った者で編成する後備役を五年とし又これ以外の男子は総べて国民兵役となった。
 次いで同年二月勅令により一年志願兵条例の発布を見同時に師範学校卒業の小学校教員に対して六週間現役の制が設けられた。又これと同時に徴兵事務条例を公布徴兵官を定め徴兵事務の大綱を訓定された。
 その後明治三十二年陸軍身体検査手続、徴兵徴集不参者取敢規定を定め、同年四月徴兵事務条例が改正され、都市及び町に徴兵署が開設された、これにより海軍徴兵の徴集は陸軍に委任して行い毎年の所要員数に応じて海軍に適する身体技能職業に従い各兵種に区分し抽せんにより定めた。
 又海軍志願兵徴募は別に海軍が行い海軍徴募官は各郡市を巡廻して検査試験を実施した。この志願兵は十七才からで優秀な者を採用した。
 昭和二年に従来の徴兵令ぱ廃止されて新に兵役法が公布され次いで施行令施行規則等が定められた。

  徴兵検査
 徴兵検査は毎年四月より九月までの間に実施され、満二十才に達した者は徴兵検査を受けなければならなかった。検査に先達て町村で予備検診を行い、花柳病トラホームの有無を調査し疾患者には治療を施した。
 南設楽郡は新城町に徴兵署が設けられ、元郡役所、小学校、農蚕学校等で執行された。作手村は前日に新城町の丸さ屋又ぱ富貴館を主として宿としここに集合宿泊、村長、兵事係から検査に対する注意があって手落ちのない様準備して翌日隊伍整然と検査場に臨んだ。検査は身体検査と学力考査、口頭試問が行われ最後に徴兵官から合格者に対し合格証が渡された。
 検査が終ると、徴兵検査まではと酒、煙草、女関係等自重していた者もヤレヤレこれで一人前になた……といっぺんに開放された気持になって中には花柳街へ遊びに出掛ける者もあると言う風であった。
 徴兵検査は昔の元服のようなものであり、又兵役が国民の一大義務とし軍籍に列することを名誉とする観念が普及していたので初めの頃は紋付羽織袴で出頭したもので家庭では徴兵検査になったからと式服を仕度したものである。その後紋付着用は次第に少なくなったが袴は着用した。こうした思想から徴兵を忌避して逃亡、失そう叉は正当の理由なくして徴兵検査に応じないという者は極く稀であった。
(つづく)
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Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)作手
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