2023年11月14日
9-4 年中行事(9月~12月、その他) (作手村誌)

朝の冷え込みで、遅れていた紅葉が進みそうです。
『作手村誌』(1960・昭和35年発行)から「第五編 生活 - 第二章 年中行事」の紹介です。
作手地区の年中行事について記録しています。現在も残っているものがありますが、多くはみられないものになっています。みなさんの地域ではいかがでしょう。
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第五編 生活
第二章 年中行事
(つづき)
◎ 九 月
○お月見…… 旧九月十三日は後のお月見で、このときは田圃へ行って早生稲を少し刈りとって来て焼米を作ってあげる。このとき刈取って来た藁は神送りのときのツトに使う。
○神送り…… 旧九月三十日に赤飯をむしてツトに入れ氏神様などにまつる。この日には日本国中の神様が出雲へ行くといわれている。
○秋祭り…… 九月末から十月上旬にかけて各字にある氏神様のお祭りがある(春祭りの所もある)。今日では祭り日としてより御馳走を食べて慰安休息する日としての方がつよく考えられているようである。正月、盆、と共に最も大きな年中行事の一つである。当日は寿司や餅をついて御馳走を作りそれを食べながらゆっくり休むのであるが主婦はかえって忙しい。
◎ 十 月
○亥の子…… 十月の亥の日は亥の神様を祭ると言ってぼた餅を作り、その月のうちにある亥の日の数だけ・に入れて神棚にまつる。
○お日待…… 十月最後の日の宵に家を出て氏神様の拝殿で一夜おこもりして朝早く顔を洗い日の出を拝んで家に帰る、おこもりの時は白飯に味噌汁、それに神酒が出る。今ではただお日待といって村の人が集って共同で御馳走を食べる事のように考えられている。
◎ 十一 月
○刈収め…… 稲刈が済むと、二束の稲たばを一緒にしばってそれに鎌をさしてまつる。
○播きあげ…… 麦を播き終ると、播きあげと言って手伝ってもらった家ヘボタ餅を作ってくばる。今では稲のとり入が終ってからボタ餅を作ってくばる。
○七五三の祝…… 子供のお祝で、母親の生家から祝として男児には洋服、靴、女児には振り袖、帯、下駄、足袋など贈る。着飾った男女児をつれてお宮参りをする。本村ではあまり見かけない。
◎ 十二 月
○煤払い…… 十二月十三日に家中の煤を払い、俵バシにのせて煤神様をまつる。この日炉の自在かぎの縄をとりかえた。
○山の講…… 山の神をお祭する日で春と秋に二度ある。当地方では五平餅を作る。
○暮の餅つき…… 二十七日、二十八日に正月用暮の餅つぎが行われる。
○大つごも…… 門松を立てシメ縄を飾る、夜は家内そろって年とりの膳につく、夜食にはソバ(うどんのところもある)を食ぺる、つごもそば、又は年とりそばという。夜は一年の終りというので遅くまで起ぎていて楽しく遊ぶ。
◎ その他
○百万遍…… 病難、火難除けの百万遍が秋の彼岸に村の人々が堂に集って行われた。糸をより合せた太い綱に一一〇個の珠数玉を通した大珠数を持って念仏を唱えながら百回まわす。今は全然見ない。
○庚申講…… これは男子の講で、庚申の掛軸をかざっておまいりする。とにかく庚申の神はおそろしい神で非常に崇りやすいと云われている。それでその日は特に慎しんで諸善を行うべきだとされ、夕方番に当った家に組の者が集まりおまいりする。そして夜中まで語り合い酒食をともにする風習がある。
○ゑびす講…… 旧十二月二十日、それぞれの家でゑびす様の像をかざり御馳走をあげ、さらに・の中に財布を祭る、商家ではミカンなどを客に接待する。
(本項ここまで)
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注)これまでの記事は〈タグ「作手村誌」〉で
Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)
│作手
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