2024年10月16日

第2条 差別の禁止 (子どもの権利条約)

門1016。 先日、子供の“研究レポート”を読ませていただきました。
 どの作品も、生活のなかで疑問に感じたことを解き明かそうと、学んだことを総動員して取り組んでおり、とても感心しました。

 そのなかに、まだ学校で習っていない内容(知識)を、調べ、学んで、それを研究(解決)に利用していました。

 今の力より“少し背伸びする”、“上を目指す”ことは、大変なことも多いですし、事柄によってはケガをする(傷つく)かもしれません。
 でも、恐れずに挑んでいくことが“成長”に繋がっていくと信じています。

 研究レポートから、生き生きと笑顔で立ち向かっていく姿が見えたような気がしました。ありがとうございました



 「子どもの権利条約 (児童の権利に関する条約)」第2条「差別の禁止」です。政府訳から
  第2条
1. 締約国は、その管轄の下にある児童に対し、児童又はその父母若しくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する。
2. 締約国は、児童がその父母、法定保護者又は家族の構成員の地位、活動、表明した意見又は信念によるあらゆる形態の差別又は処罰から保護されることを確保するためのすべての適当な措置をとる。
 普段の生活の中で、人権問題が普通の話題となってきていると感じます。
 しかし、ジェンダーの問題をはじめ、児童虐待、障害者に対する偏見など、“差別がない”という状況にはなっていません。

 “子ども発には、次のようでした。
********
   第2条「差別の禁止」 小山君は廊下でぶつぶついっていた。
① 締約国は、本人や親、 親代わりの人の、人種・肌の色・性別・言語・宗教・政治その他についての意見・生まれた国や場所・民族・財産・障害をもっているかいないか•親の家柄・生まれた時に両親がいたかどうかなどにかかわらず、どんな差別もなく、すベての子どものこの条約に書いてある権利を大切にし、またそうした権利が実現するようにします。
② 親、親代わりの人や家族の地位や行動、 発言や信じてい事を理由に、子どもが差別されたり罰をうけたりすることはありません。

 ワタシが中学1年生のときに、クラスに小山くん(仮名)という男の子がいた。小山くんの家はパチンコ屋や喫茶店、不動産屋もやっている金持ち。小山くんは目も口も小さくて、はとが豆鉄砲をくらったような顔をしている。ワタシはその顔がけっこう気に入ってたし、小山くんはいつもぶつぶつひとりごとをいって笑ってるので、ワタシの耳や顔は自然と小山くんの方にいっていた。
 ある日、クラスの男の子が小山くんを追っかけながら
 「小山!朝鮮に帰れよー。いつ帰んだよ」
と、笑っていった。
 「え~、帰んないよー」
 小山くんは一瞬泣きそうな顔をした。
 「オレのおじいちゃんね、戦争のときに朝鮮から日本に連れてこられたんだ、よく知らないけどさ。だから、おじいちゃんは朝鮮人だよ。でも、オレ、日本人なんだ」
 小山くんは、昼休みに廊下でぶつぶつとひとりごとのようにいっていた。
 この日本には、たくさん朝鮮の人が住んでいる。昔、無理矢理日本に連れてこられた人も多い。日本人の男が戦争で兵隊に行って人手不足の頃。その穴うめのためにね。無理矢理、知らない土地に連れて来られて日本人にばかにされた。例えば、何気なく使っている (略) って意味なんだ。
第2条1016。 朝鮮の人は、すっごく、くやしくてつらい思いをいっぱいしてる。人にそんな苦しい思いをさせて、はずかしい気持ちにさせる。そんなことは、絶対にやっちゃだめ。
 朝鮮人だって、日本人だって、子どもだって、黒人だって、白人だって、元気な人も障害のある人も。誰がエライ、誰はダメなんて決められない。
 勉強ができる、できない。運動神経がいい、悪い。そんなたくさんのいろんな線をひかれてワタシたちは毎日くらしている。そして、自分ではどうすることもできない理由で差別を受けてる人もたくさんいる。
 「あの人は部落の人だからウチの娘とは結婚させられない」「あの人は中国人だから、うちの会社では雇えない」。人を、どこの出身だからダメ、どこの国だからダメなんて判断するのはおかしいと思う。それから、お母さんとお父さんが結婚している(結婚届を出したということ)子どもも、結婚してないカップルの子どもや、お父さん、お母さん、どちらか一方と暮らしている子どもも、みんな変わりはありません(だいたい、愛に手続きがいるなんてへンね。なんで役所=国のOKがいるのでしょうか)。
 男だから、女だからということで最初から機会をうばわれてしまうことも多い。ワタシが中学生のとき、高校説明会というのがあって、地域の10コくらいの高校の先生が来て、学校の特色や様子を話してくれたんだけど、そのとき一つの共学の高校の先生に「はっきりいってウチの高校には女子は来てもらいたくありません。女子が来ると男子が勉強に身が入らなくなるので困るんです」といわれた。
 ○○県では、共学なのにはじめっから女子の募集人数が男子よりも少ないことに決まっている高校もある。
 成績が悪くて入れないのもくやしいけど、女の募集人数が少ないから入れなかったなんてくやしすぎる。実力があっても女だからダメっていうのは、差別ってことなんじゃないの。公立の学校でもこんなことが平気で通ってる状況も改めてもらわないと困るな。
 こんなふうに人が差別されることがなくなるように国が努力をすること。と、この条文はいつているんだ。
********
 条約が発効(1990年)した頃、この文章にある状況でした。それから30年あまり過ぎ、社会が変化してきています。でも、まだまだ十分ではないように思います。

 今、あなたが最も気になる“差別”は、どのようなことですか。



【関連】
  ◇子どもの権利条約(UNICEF)
  ◇子どもの権利条約(日本ユニセフ協会)

 注)これまでの記事は〈タグ「権利条約」〉で
 注2)掲載しているイラストは、日本ユニセフ協会「子どもの権利条約 関連資料」より借用しています。
 《参考》◇「先人に学ぶ」に学んで(リンク集)(2024/09/30)



同じカテゴリー(教育)の記事画像
第40条 子どもに関する司法 (子どもの権利条約)
第39条 被害にあった子どもの回復と社会復帰 (子どもの権利条約)
第38条 戦争からの保護 (子どもの権利条約)
第37条 拷問・死刑の禁止 (子どもの権利条約)
学校給食週間。 第35条 誘拐・売買からの保護 (子どもの権利条約)
「2025」をつくる
同じカテゴリー(教育)の記事
 第40条 子どもに関する司法 (子どもの権利条約) (2025-02-12 17:30)
 第39条 被害にあった子どもの回復と社会復帰 (子どもの権利条約) (2025-02-07 17:30)
 第38条 戦争からの保護 (子どもの権利条約) (2025-02-06 17:30)
 第37条 拷問・死刑の禁止 (子どもの権利条約) (2025-01-31 17:30)
 学校給食週間。 第35条 誘拐・売買からの保護 (子どもの権利条約) (2025-01-30 17:30)
 「2025」をつくる (2025-01-29 17:30)

Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)教育
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。