2024年11月12日
第17条 適切な情報の入手 (子どもの権利条約)
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第17条
締約国は、大衆媒体(マス・メディア)の果たす重要な機能を認め、児童が国の内外の多様な情報源からの情報及び資料、特に児童の社会面、精神面及び道徳面の福祉並びに心身の健康の促進を目的とした情報及び資料を利用することができることを確保する。このため、締約国は、
a. 児童にとって社会面及び文化面において有益であり、かつ、第29条の精神に沿う情報及び資料を大衆媒体(マス・メディア)が普及させるよう奨励する。
b. 国の内外の多様な情報源(文化的にも多様な情報源を含む。)からの情報及び資料の作成、交換及び普及における国際協力を奨励する。
c. 児童用書籍の作成及び普及を奨励する。
d. 少数集団に属し又は原住民である児童の言語上の必要性について大衆媒体(マス・メディア)が特に考慮するよう奨励する。
e. 第13条及び次条の規定に留意して、児童の福祉に有害な情報及び資料から児童を保護するための適当な指針を発展させることを奨励する。
“子ども発”には、次のようでした。
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第17条「マスメディアへのアクセス」 子どもに有害な大人のエヘエヘ雑誌。
締約国は、マスメディアの持つ大切な働きを認め、子どもが、 国内や外国から来るいろいな情報や資料、とくに自分の社会的、精神的、道徳的な幸せや、自分の心や体の健康にプラスになる情報や資料を見たり聞いたりできる環境をつくります。
この目的のため、締約国は次のことをします。
(a) マスメディアが、子どもにとって社会的・文化的に良いものであり、また第29条(教育の目的)の考え方に合うような情報や資料を広めるのを後押しすること。
(b) 外国と協力して、国内や外国から来る文化的な情報や資料を作ったり交換したり広めたりするのを後押しすること。
(c) 子ども用の本を作り広めるのを後押しすること。
(d) 使う人が少ない言語を話す子どもや、先住民の子どもが言語に関して必要なものについて、マスメディアがとくに気を配るのをすすめること。
(e) 第13条と第18条に書いてあることに気を配り、子どものためにならない情報や資料から子どもを保護する方法を発展させるのをすすめること。
*マスメディア……テレピ・新聞・本・雑誌など、多くの人に情報を伝えるものをいいます。
世の中は、たくさんの情報であふれてる。テレビ、ラジオ、映画、マンガ、雑誌、本、新聞etc。
親の次に影響を受けているのはテレビじゃないかと思うくらい、小さいときからテレビを見てるし、雑誌を読んで自分の好きな女のコや男のコの気持ちを研究しちゃう人だっているくらい、大人も子どももマスメディアが流す情報をざっぷり頭からかぶってるやね。でも 、その中から自分の知りたいことを見つけるのはけっこう大変なんだと思うんだけどさ、やっぱりそれは自分で選んで見つけていくしかないでしょう。子どもだからって、見ていいもの、読んでいいもの、その子にとって必要な情報をだれかに選んでもらうことはないしさ。
ワタシがいつも気になっちゃうのは、よく街の人通りが比較的少ないところに“子どもに有害な本はこの中に入れて下さい”ってかかれた背の大きな長細い箱。いったいあの中にはどんな本が入ってるのか? どんな人がいつ入れにくるのか? 入れてるときに近所の人にあったらどーすんのかしら? 箱の中に入った本は誰がとりにきてどこへ行くのか? 疑問がどんどんどんどんわいてきて頭の中が有害な本のことでいっぱいになっちゃうんだよ。でも、いつからこんなに気になるようになっちやったんだろう。
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……しかし、読んでみてますます、なんで女のコの雑誌が問題なのかわからなくなった。だって、国会で雑誌をふりかざして怒鳴ってたオジさんだって、いかがわしいこといっぱいかいてある雑誌などを見てエヘエヘしているんだろうし、世の中の多くの男の人たちもエヘエヘと喜んでいるだろう。それなのによく自分たちのことを棚に上げて、女のコにいかがわしい モノを見せちゃいけないなんていえるよなあ。大人はよくて子どもはいけないとでもいうんでしょうが、ナゼダメなのかハッキリした理由を説明できる人もいるまい。
この条文にも、子どもに必要な情報、欲しい情報を子どもが自分で選んで得ることができるようにって書いてある。
だからって女の人をモノやウナ重のようにあつかった本をいっぱい見せろってこととは思えない。でも、女の子の雑誌を規制したり、18歳未満おことわりにしたりするということでこのことにカタがつくとも思えないんだよね。大人になっちまえばいかがわしい本を読みほうだいで、エヘエヘしほうだいなんだもん。しかし、ならば大人の本も規制しちゃえってことなのかっていうと、それもちがうんだよね。やっぱり女の人をモノのように扱ってしまう気持ちとかずっと昔からの習慣とかをもう一度、大人の人がみんな考え直さなくちゃダメだと思うんだ。規制して見えなくしても、みんなの気持ちが変わらないと、そういう本がなくなることはないだろうしね。
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条約が発効した頃の社会は、記事で“エヘエヘ雑誌”と表現している“子供に見せたくないモノ”が、書店やコンビニなどに置かれていました。それが“普通”のことでした。
今でも、雑誌の発行はされているでしょうが、普通に目に入るような環境は無くなっています(多分)。
一方、ネットやケータイなど情報機器の発達で、)似ているようで、「マスメディアへのアクセス」は容易で、多様になっています。学校の教室・授業でも、利用・活用されています。
そうした変化に対して、記事の最後にある「規制して見えなくしても、みんなの気持ちが変わらないと…」という意識、態度について、未だに追いついていない気がしています。
【関連】
◇子どもの権利条約(UNICEF)
◇子どもの権利条約(日本ユニセフ協会)
注)これまでの記事は〈タグ「権利条約」〉で
注2)掲載しているイラストは、日本ユニセフ協会「子どもの権利条約 関連資料」より借用しています。
《参考》◇「先人に学ぶ」に学んで(リンク集)(2024/09/30)
Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)
│教育
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