2024年11月19日
第20条 家庭を奪われた子どもの保護 (子どもの権利条約)
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「子どもの権利条約 (児童の権利に関する条約)」第20条「家庭を奪われた子どもの保護」です。政府訳から
第20条
1. 一時的若しくは恒久的にその家庭環境を奪われた児童又は児童自身の最善の利益にかんがみその家庭環境にとどまることが認められない児童は、国が与える特別の保護及び援助を受ける権利を有する。
2. 締約国は、自国の国内法に従い、1の児童のための代替的な監護を確保する。
3. 2の監護には、特に、里親委託、イスラム法のカファーラ、養子縁組又は必要な場合には児童の監護のための適当な施設への収容を含むことができる。解決策の検討に当たっては、児童の養育において継続性が望ましいこと並びに児童の種族的、宗教的、文化的及び言語的な背景について、十分な考慮を払うものとする。
“子ども発”には、次のようでした。
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第20条「家庭環境を奪われた子どもの養護」 居場所だって大事だ。
① しばらくの間または永久に家族と一緒にいられなくなった子ども、または、子どもにとって何がいちばん良いかを考えると家族と一緒にいるのは問題がある子どもは、締約国によって生活を守られ援助さ家庭って本来何なんかと言うと、生活の場というか、「居場所」なんやと思う。コトバを使うことも、ハシの使い方も、ナイフを右手に持ってフォークを左手で持つのも、みんなまずは家庭で覚えていく。メシも食う。そこは自分の生活する場所=身の居場所になる。で、ふつうはホッと落ち着く場所=心の居場所にもなる。
れる資格があります。
② 締約国は、その国の法律にしたがって、このような子どもが家庭以外のところでも自分の家庭のような環境で育てられるように手を打ちます。
③ こうした子どもを育てるとき、子どもを親代わりの人に預けたり、イスラム法のカファラを行ったり、子どもを養子としたり、また子どもを育てるのに良い施設に預けたりすることもできます。子どもをどうやって育てるのがよいかを考えるときには、子どもが十分大きくなるまでずっと続けられる方法かどうか、どんな民族の子どもで、どんな宗教を信じていて、どんな文化の中で育ってきて、何語を使っているのか、ということによく気を配ります。*カファラ……親や特定の保護者のいない子どもを、イスラム世界では「人間は神の前に平等」という宗教的な精神に従って、地域の人々などが協力して育てます。
その家庭という居場所がなくなってしまう場合がある。親が死んで、ということもあるし、蒸発してしまったり、戦争で生き別れたり、刑務所に入ってしまったりってこともある。親がいても、飲んだくれてるとか、ムシャクシャしたら殴ってくるとか、帰ってきたりこなかったりだとか、口を開けば愚痴か怒るかだとかで、居場所がなくなってしまうこともある。
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ここの条文の気配りのあるところはね、家庭環境っていう本来の居場所がなくなった子どもは、ハイここでこれ食べていいです、ここで寝てもいいです、とかいう身の居場所だけもらったってしょーがない、なんとか心の居場所も得られるようにしましょうや、というところなんやね。そのために、家庭的な雰囲気の里親・里子とか、養子縁組とかが入ってる。その場合には、何か宗教を持ってるならとけこみやすいようにその宗教を信じてる人のところへ、とか、あとで書く難民なんかの場合にはその子の言葉がちょっとでもわかる人のところへ、とか、そういうところまで気を使いましょうと言ってる。
実際には、そこまで気を使ってもやっぱり行った先を心の居場所にできないことだってよくある。その点外国では、ハイこの子はここへ、と決めずに、半年くらいじっくりなじみ方を見てから裁判所が正式に「じゃ、そこで面倒見てもらおう」とか、「やっぱり、そこはまずい」とか、決定を下すところもある。そういう、大人にはめんどくさいけど行き届いた制度が、日本にも欲しいところやね。
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【関連】
◇子どもの権利条約(UNICEF)
◇子どもの権利条約(日本ユニセフ協会)
注)これまでの記事は〈タグ「権利条約」〉で
注2)掲載しているイラストは、日本ユニセフ協会「子どもの権利条約 関連資料」より借用しています。
《参考》◇「先人に学ぶ」に学んで(リンク集)(2024/09/30)
Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)
│教育
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