2025年01月14日
第33条 麻薬・覚せい剤などからの保護 (子どもの権利条約)
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第33条
締約国は、関連する国際条約に定義された麻薬及び向精神薬の不正な使用から児童を保護し並びにこれらの物質の不正な生産及び取引における児童の使用を防止するための立法上、行政上、社会上及び教育上の措置を含むすべての適当な措置をとる。
“子ども発”には、次のようでした。
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第33条「麻薬・向精神薬からの保護」 クスリはとにかく要注意。
締約国は、麻薬や覚せい剤などを、不法に使うことから子どもを守り、またこうした薬を不法に作ったり売り買いするのに子どもを利用させないようにします。そのため締約国は法律を作ったり政策を立てたり、 社会や教育に関して手を打ちます。
メデジンカルテルという組織を知っているだろうか。コロンビアのとてつもなくデカい麻薬密輸組織だ。なにしろ自前の軍隊を持っていてその規模が政府軍もかなわないというからオドロキだ。輸出先のアメリカでは、麻薬中毒の患者が後を絶たない。
麻薬のコワさはTVの刑事ものなニュースなりでよく出てくる通り、中毒になってしまうと、麻薬なしでは生きてゆけなくなつてしまい、“ヤ”の字やマフィアに麻薬で飼い慣らされたりする(「ヤクをくれたら何でもするよお…」というアレだ)。そうやって飼い慣らした人を、また麻薬の売人として利用することで“ヤ”の字やマフィアは莫大な金をもうけている。そして本人の体はあちらこちらが悪くなり、苦しさのためまた麻薬を欲しがり、ドロ沼にはまっていく。
こんな中で国が麻薬の取引きなり使用なりを取締まれ、というのは当然だし、まして子どもの内に麻薬をやりすぎては一生影響が出たりするだけに、この条約でもそのへんが盛り込まれている。ところが、実はもっと大きな問題がからんでくる。
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子どもが麻薬の売人に使われるケースにしても、一応そこそこの生活をしている人はそんな世界にそうそう足をつっこまない。家出とか、何かの事情で親から離れたり、親がいても貧しかったりして、精神的にも生活の面でもより所がない子どもたちが、生活のための必要もあって(あるいは、麻薬のこわさを教わる機会がなくて)、のせられやすい。
国民の数パーセントのお金持ちが国土の何10パーセントを握っているような貧富の差の大きい国では、そんな子どもが集まったスラムがいくつもあって、麻薬を売る側としては絶好の環境なのだ。貧富の差が大きいことが、麻薬の不幸をはびこらせるもとになっている。
まず政府が、国を支えられるだけの産業を作り、住宅や社会保障を整備したりして貧しさのもとから絶っていかないと、世界の麻薬の問題はなくならない。
もっとも、貧しくはなくても精神的な不満や好奇心がもとで睡眠薬とかシンナーとか、その他クスリに走ることもある。
アメリカの小説なんか読むと結構10代の日常の中にコカインが入りこんでたりするし、マジックインキを何時間も続けて使うと最初くさいと思っていたのがそのうち何にも感じなくなって、しまいには平気で鼻に近づけたりするのはよくあることだ。クスリというのは、中毒になってしまうと頭がボーッとするようになつたり、思わぬ副作用が出たりするの
で要注意だ。
国のチェックも必要な一方で、自分も薬について賢くなっておいた方がいい。
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【関連】
◇子どもの権利条約(UNICEF)
◇子どもの権利条約(日本ユニセフ協会)
注)これまでの記事は〈タグ「権利条約」〉で
注2)掲載しているイラストは、日本ユニセフ協会「子どもの権利条約 関連資料」より借用しています。
《参考》◇「先人に学ぶ」に学んで(リンク集)(2024/09/30)
Posted by ガク爺 at 17:30│Comments(0)
│教育
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