2022年08月23日

処暑。 2-12 不登校児童生徒の指導 (新しく先生となるみなさんへ)

花0823。 雨の日でした。

 今日は,二十四節気の一つ「処暑」です。
 立秋から半月が過ぎ,“暑さが和らぐ”という意味であり,萩の花が咲き,穀物が実り始める頃です。



 子供達の夏休みが間もなく終わり、新型コロナウイルス感染症の拡大が続くなか、早いところは今週から2学期が始まります。
 先週末、文部科学省から「学級閉鎖の基準、緩和」の通知が出ており、新たな対応の準備が進んでいることでしょう。
 文部科学省は19日、公立学校などで新型コロナウイルス感染者が発生した場合の対応ガイドラインを改定し、学級閉鎖の基準を緩和した。従来版ではクラスで感染者が複数出た場合は閉鎖と定めていたが、感染経路が全員家庭内であるなど、学級内で感染したのでなければ閉鎖の必要はないと明記した。
 今後の感染対策について文部科学省は「厳しい感染状況が続く中、夏休み明けに向けて、感染対策を徹底してもらうとともに、学びの継続のため、感染状況や子どもへの影響を踏まえた、柔軟な対応をしてもらいたい」としています。


 平成の頃、新任教員に「学校のこと」「教職のこと」を紹介する冊子『新しく先生となるみなさんへ』が配付されていました。
 当時とは教育を取り巻く状況が変わっていますが、若い先生や教職を目指す若者に参考となる部分もあると思います。
 その冊子(平成19年度)から順に紹介していきます。
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    教員の一日

    12 不登校児童生徒の指導
  (1) 不登校の背景と要因
 学校をはじめ,関係者の懸命な努力にもかかわらず,不登校児童生徒数は,多数にのぽっており,大きな課題となっている。
 子供が不登校になる背景や要因としては,学校における学習や人間関係への不適応,家庭における養育等にかかわる問題,社会環境の急激な変化,とりわけ物の豊かさの中における思いやりの心の欠如,少子化・核家族化の進行による連帯意識の欠如や社会性の不足などが考えられる。
 そして,これらの要因が複雑に絡み合って不登校が起こると考えられている。
 こうした子供たちは,学校全体から見れば少数であるかもしれない。しかし,一人でも心理的な原因で悩み,苦しむ子供をそのままにしておくわけにはいかない。あくまでも子供の立場に立ち,その心の内面を深く読み取り,温かく粘り強い指導の手を差しのべることが極めて重要である。

  (2) 不登校の指導の基本
   -「先生,わたしの気持ちわかってよ」(県教委編)参考-
 不登校になる要因やきっかけは複雑で,一人一人違うため,その指導や対応も一人一人異なる。また,怠学傾向の不登校と神経症的な不登校とでは,その対応も異なってくる。それだけにその指導は決して容易ではないが,子供の将来的な社会的自立が目標であることを念頭に置き,次の基本をしっかりおさえて対応したい。
じゃんけん0823。  ア 早期発見,早期対応
 不登校は,多くの場合何らかの前兆を伴うものである。子供が態度や表情などを通して訴えているサインを敏感にキャッチして,早期に対応することが重要な鍵となる。
  イ 全校体制での教員間の連携
 不登校の子供に対して,担任として責任を感じ,自分一人で解決しようとするのではなく,校内の「いじめ・不登校対策委員会」に連絡・相談し,学校全体の問題として,教員が遅携して指導に当たることが大切である。
 また,子供たちにとってよく分かる楽しい授業,体験的な活動等を重視し,一層魅力ある学校生活の実現に向けて努力することが大切である。
  ウ 家庭や相談機関との連携
 不登校になる背景には,子供の家庭における生育歴・両親の養育態度が直接,間接にかかわっている場合もある。したがって,不登校の子供が学校に復帰できるためには,家庭との連携が不可欠である。
 また,状況に応じて,適応指導教室や県総合教育センター等の相談機関,病院等の医療機関と連携して指導に当たることも大切である。
   早期発見のためのポイント10か条
① 頭痛や腹痛などの症状を訴えるが,医師の診断では異常が認められないといった子供はいないか。
② 朝のうちは気分が悪いと訴えるが,午後になると元気になる子供はいないか。
③ 断続的な欠席が目立ったり,理由がはっきりしない欠席をしたりする子供はいないか。
④ 月曜日などの特定の曜日や,特定の教科の授業になると欠席する子供はいないか。
⑤ 友達が少なくて,放課になると一人で孤立している子供はいないか。
⑥ 友達に「このごろ学校が楽しくない」とか「学校へ行きたくない」などと言っている子供はいないか。
⑦ 平日には,頭痛や腹痛などの症状がありながら,日曜日や夏休みなどの休日になると,朝から元気を取り戻す子供はいないか。
⑧ これといった理由が見当たらないのに急に学習意欲をなくしている子供はいないか。
⑨ 登校させようとすると,次のような反応を起こす子供はいないか。
  ・急に口を閉ざす,体を固くする,気分が悪くなる,朝起きられないなどといった,すくみ反応を起こす。
  ・夜は学校へ行く準備をするが,翌朝になると登校できない。
  ・部屋に閉じこもったり,ひどい口答えや暴力を振るったりする。
⑩ 保健室への出入りが頻繁になっている子供はいないか。
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 注)これまでの記事は〈タグ「新しい先生」〉で
 注2)掲載しているイラストは、学年通信(1993・1994年度)用に教員が描いたもので、冊子との関連はありません。


【関連】
  ◇児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(文部科学省)
  ◇いじめ問題を含む子供のSOSに対する文部科学省の取組(文部科学省)
  ◇小学校における問題行動等早期対応の手引(pdfファイル 愛知県教育委員会)



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Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)教育
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