2023年01月06日
小寒。 4-1 個人として (教育の再生)
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寒中見舞いを出すのは、小寒からです。
日中は日差しもあり厳しい寒さではありませんでしたが、寒さの続く頃です。寒さ対策、感染予防対策をして、健康に過ごしましょう。
先日、「ネイティブ・アメリカン(Native American)の教え」を読みました。その一つ、
目を奪われるものが たくさんあるだろう。「目」で見たもの、感じたものを大切にします。
しかし、心奪われるものだけを 追い求めなさい。
──ネイティブアメリカンの教え
そのとき「ありのままの世界」を見ているのか、「見えていなもの(盲点)」はないのか、意識していきます。
そう思う言葉(教え)でした。
平成21年に発行された冊子『教育の再生(要約)』は、愛知県の教育に所縁のある宮田力松氏の図書の要約本です。
宮田氏が指導されていた頃とは状況が変わっていますが、今も変わらぬこと、考えたいことが述べられています。若い先生や教職を目指す若者に、これからの教育を創っていく参考にしていただきたいと思います。
この冊子から紹介します。
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4 新しい日本人像
「期待される人間像」が公表され四十年余経過し、日本人の精神的風土も大きく変化している。二十一世紀に生きる日本人を想定し、「新しい日本人像」(私案)を提案することにした。
個人として
健康な人であれ
「健康はすべてではない。しかし健康を失うとすべてを失う」と言われている。まず、健康を保持することである。義務教育就学児童生徒で、戦前の体格、体力に劣る者がみられる。
次に健康の増進である。国家興隆の主たる基盤は、国民の健康に基づく活動にかかっている。
健全な身体と健全な精神を宿す日本人こそ国家の至宝である。
正直な人であれ
正直は、人間の真・善・美の精神的支柱である。正直はまこと、漢字の誠に表現されるに至った。
平成に入って正直者が損をしたり、馬鹿者扱いにされることが目立つ。これで社会の秩序が維持できるものだろうか。
恥を知る人であれ
恥とは、面目を失うこと、名誉が汚れること、恥じいることである。恥を知るとは、自ら道徳的に未熟であることを反省し、自己の品性を高める態度である。
恥を知り、自己の品性を築けば、明るい社会への希望がもてることは必定である。
正しく働く人であれ
人間の生活は教師であれば人を作り、医者であれば健康を作るように、創造そのものを行なう働きをもったものである。
人は日々創造することに感謝し、自己の職域に最高の努力を尽くしている。働くためには、働く場所を持ち、健康、知識、技能と品性が必要である。
次に、協調、研究、安全を行なうことである。人間が生きるためには、正しく働くことをおいてはない。
謙虚な人であれ
他人を見下すような気持ちを捨て、相手の考えの中に取るべきものがあれば、素直に取り入れる態度を失わないことである。そのためには、長年の心掛けと、一つ一つの行動に忠実に励むことである。
具体的には、自分の心をむなしくすること、自分の地位を鼻にかけぬこと、他人の意見を聞くこと、つつましくへりくだる態度をもち続けることである。
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辛抱強い人であれ
辛抱とは、環境の苦しさに押し流されないで、向上心をもち続けることに尽きる。
辛抱強くする方策は、一つ信頼する人と十分話合い、解決の糸口を探すこと、二つ他人の苦しんだあとを知ること、三つ忠言は謙虚に聞くことである。
人間誰一人として、苦しみを知らない人は一人もいない。
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注)これまでの記事は〈タグ「教育の再生」〉で
注2)掲載しているイラストは、学年通信(1993・1994年度)用に教員が描いたもので、冊子との関連はありません。
【関連】
◇後期中等教育の拡充整備について(第20回答申(昭和41年10月31日)) (文部科学省)
※ この答申で「期待される人間像」が述べられています。
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