2023年06月21日
夏至。 4-1.7 旧村の変遷(5) (作手村誌)
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北半球では、太陽が最も高く昼間の時間が最も長くなる日ですが、肌寒い曇りの日で、“夏”や“昼の長さ”を感じにくい一日でした。
夏至は、この日を過ぎると“本格的な夏”が始まるという日です。まだ梅雨の時期が続きますが、暑い夏に向けて活動を始めたいと思います。
『作手村誌』(1960・昭和35年発行)は、「第一編 郷土と自然」から「第二編 村の沿革と歴史」へと続きます。
大河ドラマ『どうする家康』の放送が、武田勢との戦い、そして次へ、これからの展開が楽しみです。
『作手村誌』(1960・昭和35年発行)から「第三章 近世社会」の紹介です。
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第二編 村の沿革と歴史
藩政時代・地方自治
旧村の変遷(明治18年調各村の村誌による)
(つづき)
◇ 保永村
村 の 起 因 | 管 轄 沿 革 |
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本村は古時和田、見代の両村で宝飯郡に属した。後設楽郡に属し富永荘割手の郷と言う、年月不詳。 見代村……第百代後小松天皇の応永年間より第百六代正親町天皇の天正元年頃までは宇津木に村落をなしていたが、奥平氏、武田氏の合戦により焼失した民家多く、爾後今の土地に転住したものであるが称因不明。 戸津呂村……天和二壬戌年始めて見代の地を削いて戸津呂村を分村したと言う。 |
往古の地頭記録なく不明。 中世以降天正十八年より慶長七年まで池田三左衛門尉輝政此地を領し同八年より十九年まで松平下総守忠明の領地となる。 元和元年より延宝八年まで幕府の所領、天和元年より享保十九年まで土井周防守領地となり、同二十年に至り再び慕府の所領に帰す。 天明二年に至り、和田見代の二村は旗下巨勢大和守の封として戸津呂村はその儘依然として文化元年に至り安藤対馬守の領分となる。文久元年に叉幕府の所領に帰す。 明治二年より四年まで重原藩の支配となり、和田見代の二村は伊那県及び豊橋藩の所轄となる。同五年何れも額田県、同六年愛知県の管轄となる。 |
◇ 杉平村
村 の 起 因 | 管 轄 沿 革 |
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本村古来宝飯郡に属し、延喜三年郡を割き設楽郡が置かれ設楽郡に属し中古富永荘割手の郷と言う。称因不明。 | 往古の地頭・記録なく不明。 中世以降、慶長八癸卯年より松平下総守忠明の所領、元和元乙卯年より慕府の領、天和元年より土井周防守の領地となり享保二十年より再び旧幕府の領地と帰す。 天明二年より旗下巨勢大和守の封とし明治二年より伊奈県及び豊橋藩の所轄となり、同五年額田県、同六年愛知県の所轄となる。 |
◇ 高松村
村 の 起 因 | 管 轄 沿 革 |
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本村古時、赤羽根、小林、川手、弓木の四ヶ村であって共に宝飯郡に属し後設楽郡富永荘作手郷に属す。 明治十一年十一月合併して高松村となる。 赤羽根村……第百六代正親町天皇の天正年間の書類には赤羽村と書しあるを例とし村名も二宇使用を便とした時があるようだ。称因は不明で南赤羽根、北赤羽根の二郷となっていた。 その他の村についての起因不明。 |
本村は古来四村で随ってその沿革も一でない。 赤羽根村……天正十八庚寅年より池田輝政この地を領し、慶長八癸卯年に松平忠明の領となる。元和元乙卯年より徳川慕府の直領。天和元辛酉年より土井周防守、松平和泉守、松平丹波守等之を領し享保二十卯年再び徳川幕府の領となる。 天明二壬寅年旗下の士巨勢氏の封に帰し、明治二年より四年まで板倉氏所領。 小林村……慶長八癸卯年より松平忠明の對土、元和元乙卯年より延宝八庚申年に至るまで徳川幕府の所領、天和元辛酉年より享保十乙卯年に至るまで土井周防守、松平和泉守、板倉近江守、松平丹波守等相次いで領す。同十一丙丑年より再び幕府の所領。 享和三癸亥年より文久元辛酉年に至るまで安藤対馬守釆邑、同年より三度幕府の所領となる。明治二年に至り再び板倉氏の邑に帰す。 川手村……享保以前は詳かでないが、同年間より正徳五年に至るまで徳川氏の所領、同年より旗下の士中根氏の邑に属し明和元年板倉氏の封に属す、以下同前。 弓木村……元和年間より徳川氏領す。 天和元辛酉年より土井周防守、松平和泉守、板倉近江守、松平丹波守等遂次これを領し享保十一丙戌年より再び徳川氏に帰し降って安永七戊戌年より明治巳巳年に至るまで旗下の士鍋島氏の釆地となり同年より同四年まで板倉氏之を領す。以下同前。 |
(つづく)
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☆右図「旧村落図」
※ クリックすると拡大表示します。
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注)これまでの記事は〈タグ「作手村誌」〉で
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