2024年07月06日

小暑。 『風の中に立て ー伊集院静のことばー 大人の流儀名言集』(伊集院静・著)

選挙0706。 今日は二十四節気の一つ「小暑」です。
 小暑は、梅雨が明け、本格的な暑さが始まる頃とされ、蓮の花が綺麗に咲き始める頃とも言われます。
 この日から夏らしい暑さになる「暑気」に入り、暑中見舞いが出されるようになります。

 各地の暑さは猛暑で、暦に合わせた小暑だったらよかったのに、お天道様はイジワルでした。


 明日、東京都知事選挙の投票日です。選挙結果は、都民はもちろんですが、日本のこれからにも影響があります。
 都民の選択は…。



 サントリーが、成人の日に新成人に向けて、4月1日に新社会人に向けて、新聞に“贈る言葉”を掲載しています。
 その言葉を、かつては山口瞳氏、今は伊集院静氏が書かれていました。
 伊集院氏が前年(2023)に亡くなられており、今年の新聞広告がどうなるか気になっていました。
 今年(2024)の「成人の日」、サントリーの新聞広告は、伊集院静氏からの「新成人に贈る言葉」でした。
 4月1日も伊集院静氏の「空っぽのグラス諸君。」が載っていました。
 大人からの温かく厳しい言葉(文章)が、とても素敵でした。


 伊集院静のエッセイの総集編といえる『風の中に立て ー伊集院静のことばー 大人の流儀名言集』(KADOKAWA・刊)を読みました。
 2023年11月24日、作家の伊集院静さんが永眠されました。
 交友関係は文壇や芸能界、スポーツ界と幅広く、多くの人に愛されました。
 数々の名小説を残した作家でありながら、作詞家としても活躍、『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』の名曲を手掛けました。
 酒とギャンブルを愛し、ゴルフの腕前も一流。銀座通いも有名で、女性にも男性にもモテました。
 そんな伊集院さんは生前、エッセイの中でたくさんの言葉を残しています。
 「酒の良し悪しは、呑み手の心情にある」「人生というものは総じて割に合わないものだ」「理屈は、やることをやった後での無駄口の類いのものだ」「さよならも力を与えてくれる」ーー。
 本書では伊集院さんが、生と死、冠婚葬祭での作法、大人の遊び方・働き方について語った言葉の数々を収録しました。
 その言葉にはユーモアがありながら、その裏側には人間を見つめる深い眼差しがあります。
 伊集院さんの言葉が、生活のさまざまな局面で、きっと人生の支えとなるはずです。

 大人の流儀からの“名言”が、2~3ページで述べられています。ことばの出典(掲載本など)の記載はありませんが、7章のテーマに合わせわかりやすくまとめられています。
 短い言葉の中に、人として大切にしたいこと、日々を過ごすことが凝縮されています。


 伊集院氏のことばは、同じ文章であっても、読むときによって受け取り方が違ってくるように思います。
 本書を手元に置き、気になったことがあるとき、迷うことがあるときなど、その時々に読むのがよさそうです。
 改めて、「大人の流儀」シリーズを読み返すのもよいかもしれません。
 みなさんにお薦めの一冊です。


 備忘録としてのメモ
○ 墓参、もしくは故人に手を合わせるのは昼までに済ませる
○ 本屋がなくなれば、恋愛もどこか淋しいものになる
○ 「我家は我家のやり方があるんだ。他の家とは違うんだ」はっきりそう言いなさい。

  子供が家の事情を知らぬことは、社会に出てからどこの家も同じようだったに違いないと誤解し、大恥をかくことになる。
  ともかく子供の言うことは、いっさい聞かない方がいい。いちいち聞いてたら碌なことはない。(略)
○ 叱ることが面倒なのは、最初からわかっていることだ
 (略) 私は、若い人(だけでなくとも)へ、注意、忠告するのは、大人の義務だと考えている。
○ 新しいものを受け入れること、美しいものを誉めることは、大人の役割である

   目次

第一章 大人の作法の身につけ方
第二章 大人がしてはいけないこと
第三章 品よく遊ぶために
第四章 風の中に立て
第五章 大人の役目を果たしなさい
第六章 理不尽なことに出逢ったら
第七章 サヨナラが教えてくれること

【関連】
  ◇作家・伊集院静の公式サイト

【サントリー広告関連】
  ◇「成人の日」に  伊集院静 2012年(Ronshi)
  ◇2021/01/11 「成人の日」の記事の下部に画像(集団「Emication」)
  ◇2024/01/08 「成人の日」の記事の下部に画像(集団「Emication」)

  ◇2024年4月1日の新聞広告(図をクリックすると拡大表示します)
伊集院静-s。



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Posted by ガク爺 at 17:00│Comments(0)日記読書
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